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第一話:潜入

闇の王国と光の王国の戦いは続いた。



「これより出陣の準備をしてください。」

闇の王国ディスマは今まさに光の王国に突撃しようとしていた。

「しかし、、、20人って死ぬきか?」

「いやいや、これはおとり作戦ですよ。」

「おとり?」

「今宵、光の王国では王女の19歳の誕生を祝ってパーテーが開かれるそうだ。

そこに変装した我々が侵入し、奴らが油断しているところを後から来る二次軍(300人)で攻めるんですよ。」

「パーティね・・けっこうなこった!」

「パーテーね!!」

「いや、パーティだよ。ディズニーとデズニーの違いと一緒だよ。」

「いーや!!我はずっとデズニーだ!!」

「・・・・あっそ。」


「そんなことはどうでもいい」

「うわ!王子!!すいません!」

「ゼノン王子!あなたもおとりに?」

「顔でばれちゃうんじゃ・・・。」

「だからこんなサングラスにマント被るんだろが!」

「ああ!!そうなんですか!!こんなにつるつるしたマント・・・(こりゃシルクだ・・)」

「我はゼノン王子とご一緒します。お前は二次軍で来るんですよ!」

「へいへい。(こいつ敬語とタメ語がバラバラだ)ゼノン王子気をつけてください。」

「ふん、心配無用だ。」


ゼノンとデズニーの(マックス)は20人を引き連れ光の王国の隣村(マリンビレッジ)で足を止め、

5人ずつに別れ5分おきに光の王国へと向かった。

「見てください王子!我のズボン!かぼちゃパンツです!!王子っぽいですか?!」

「・・・・・・・・。」

「あの〜〜〜王子ぃ」

マックスがゼノンの方へと歩み寄ろうとした時、隣にいたジェンラがマックスの肩をつかんだ。

「王子は精神統一している。話しかけることはいけない。」

「ああ!すいません。」

ジェンラという女は美しい金髪でそれは地面にまでおよぶ。

その髪はゆわかれていないが、ジェンラは器用に髪を踏まずに歩く。

「その髪、、戦闘の時邪魔じゃないですか?」

「クク・・・あ、いや、平気よ。私は弓兵だからあまり動かないわ。」

「動かない兵は要らない。」

ゼノンが低い声で言った。

「その邪魔くさい髪、、目障りだ。切れ。今すぐ。」

その口ぶりは何か恨みがこもっていた。

「いや〜ん王子〜!これは私が必死に伸ばしたので〜切りたくないんでスゥ。」

さっきとはうってかわりジェンラはふざけた口調で言った。

「なら色を変えろ。闇の国に使えるなら黒か灰色。その金色は光の証だ。」

「ククク・・・・」

「何がおかしい?」

「別にであります!!」

「・・・・・・。」

「王子!!ジェンラさん!!そんなこといってないで、ほら。俺たちが行く番ですよ」

マックスは二人の手をとり他の2人と共に光の王国に向かった。

ゼノンはジェンラから何かを感じていた。


そして5人は光の王国の門までやって来た。

「さすがに大きいっすね!」

マックスは先頭に立ち門番に話しかける。

「王女様19歳おめでとうございます。我々東の村の者ですがぜひともお祝いにとやってまいりました。」

『これはこれは、どうぞ中にお入りください。』

門番は両手で大きな門を開けた。

門番の数は3人、3人でやっとというほど大きな門でありギギギと鈍い音がした。

「上手くいったわね!」

ジェンラがゼノンの耳元で言う。

無言でゼノンは中に入っていった。

「しかし、王子の格好・・・なんか見た感じ怪しいですよね?大丈夫でしょうか?」

マックスはゼノンの上から下まで見ていった。

黒のサングラスに白い(ちょっと黄色がかっている)シルクは明らかにおかしい組み合わせ。

その170センチある身長に無愛想な顔はやはり怪しい男にしか見えなかった。

「・・・・・そ、そうか?」

ゼノンはそこでやっと気づいた。

彼に服のセンスは無い。

「だーーーーはっは!ずっと思っていたのよ!!だから必死で笑いこらえてたのよ!」

ジェンラは爆発するように笑った。

「あ〜だからジェンラさん、なんかおかしかったんですね。速く言ってあげればよかったのに。」

「だって気に入ってると思ったからさぁ。」

「・・・・・・・・・。」

3人はパーティホールまでやって来た。

そこには数多くの貴族やら兵士やらでにぎわっていた。

その中には闇の国の者が変装した貴族もいて、いつでも戦闘ができるように

腰に短刀をさげ小型の無線を耳にかけていた。

「あーあー、こちらPグループ。他のグループは異常ないか?」

『あーあー、こちらDグループ、以上ありません。』

「ところで我たちはこれからどうするんですか?」

「二次軍が来たとき、内側から攻めるのよ。」

「だから二次軍が来るまでですよ。」

「そりゃ、こんだけきれいな人がいるんだからお誘いやらダンスやら?」

「馬鹿かお前らは。いいか?おとり作戦だぞ。」

「なにがおとりなんだか」

「あそこにいるのが光の王国王女フィーリだ。19歳にしてずば抜けた剣術、武術、魔術、その他もろもろ、

100人の兵をも1人で倒すと思われる。」

「げ!!そんな女いやだーーーー!結婚したくないタイプですね。」

「・・・・・・・。」

「どうしたジェンラ、そんな顔して。」

「なんでもないですよ。で、続きは?」

「それでだな、不利になるのはもちろんだ。だから俺たちの役目は

客のふりをして王女に近づき、このクスリ(睡眠薬、毒薬、痺れ草入り)を飲み物の中に混入して飲ませることだ。」

「なるほど!そこで二次軍がきて、弱った王女を一気に、、、、すげー!!」

「でも、、上手くいくかしらね。仮にも王女なんだから。」

「王女だから?」

「・・・・。」

「付き人がいるはずだ。」


マックスはホールの端から端まで歩いてみた。

ホールの真ん中にはダンスのスペースがあり、そのスペースを囲むように料理がのったテーブルが数個。

どれも高級そうな食べ物で名も知らないものばかりだった。

一つつまんで食べてみた。

「び、、、、美味じゃ、、、。」

そのテーブルを囲み、貴族達がなにやら楽しそうに話をしている。

「あら?それどこでかったの?」

「これ?これは安物でございますのよ、おほほほほほほほほほほほほ・・・・」

そして奥のほうではオーケストラの人達が生演奏をしている。

この曲にあわせダンスをするものや歌うものがいた。

「ふむふむ、んで、あの階段の上にいるのが王女か?」

ダンススペースの真ん中にある階段には赤いじゅうたんがひかれ、

その踊り場には大きな女が1人と、その横に少しその女よりも背は低いががっちりした体型の男が1人いた。

女は真っ黒な髪を指でいじり辺りをきょろきょろと見渡していた。

男は緑色の長髪(肩まで)で無表情で立っていた。

「んーー。どう見ても19歳には見えないなあ、それに黒髪って・・・」

マックスはしばらくその女を見ていた。

女はふと何かに目をとめ、にやりと笑った。

そしてなにやら隣の男と話し、また髪をいじりながら辺りを見始めた。

「なんだかなあ。王子に報告しますかな。」

「よ、マックス!」

「あ!!ジェンラさん。王子は?」

「あそこの柱のところで精神集中中。邪魔しちゃダメよ?」

「はいです。ジェンラさんはどこに行くんですか?」

「あ・・・あたしは・・ちょっとトイレに。」

「急いでくださいよ?無線では今二次軍がこちらに向かっているようだから。」

「はい〜はい。」

ジェンラはマックスの背中をぽんと叩き去っていった。

「相変わらず面白い人だなあ。」

マックスはとりあえず近くにあった飲み物を手に取り一気に飲み干した。

「ぷはー!のどが渇いてたんだよ!緊張しちゃってさ〜」

そのあと料理をがばがば口に運びこんだ。

その光景はすこし異常で周りの貴族も引き気味だった。

「なにあの人。お下品ね〜〜〜。」

ざわざわとした中マックスはなお食べ続ける。

その光景に兵士達も妙だと気づく。

そしてマックス自身も。

(なんだ?て、手が勝手に動くし!!口も勝手に・・・・)

ぼたぼたこぼれ落ちようがマックスの手は料理を離さない。

(も、、、、もうだめ、、、)

ばたんと大きな音とともにマックスは倒れた。

「ちょ、ちょっと大丈夫?!」

貴族達が駆け寄り兵士がマックスの体に触れる。

「こりゃ食べすぎですな。はしゃぎ過ぎたんでしょ。」

兵士が言うとドッと周りからは爆笑が起こった。

「いや〜ね!」

「あきれた」

「おいしいもんねえ」

「・・・・ん?」

兵士がマックスの背中に手をやった。

なにやら紙のような物がくっついている。

「・・・・・これは・・・カード?」

そのカードには【食の呪い】と書いてあった。

「あれ?これは・・・善気様の魔カードじゃないか。なんでこいつの背中に?」

兵士はとりあえずマックスを用意してあった控え室にと運んだ。

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