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第十七話 クレアからの手紙 前編

ルシアンへ


私は今猛烈に機嫌が悪いです。


というのも、連日ノクスラントでの調査兼、増えた魔物を間引く依頼を続けているのだけど、正直言って予想以上にひどい場所なの。


週二日程度は城塞都市カーレストに戻ってきてまともなベッドで眠れるけれど、私のストレスは日々蓄積されています。


だから、ルシアンは前の手紙みたいに、自分が弱いとかメソメソしたことは書かないこと。楽しい話題をお願い・・というのは半分冗談です。元気にしている?


まあ、ノクスラントが思ったより酷い場所なのはホント。


風が絶え間なく吹いてて、夜は寒い。昼間は容赦ない日差しが照りつけて、喉がカラカラになる。

植生もバラバラで、背の低い灌木と岩しかない荒野の隣には、陽の光が届かないくらい鬱蒼とした森があったりするの。


この土地で暮らす人々は本当に逞しい。都市に近いわずかな水場を中心に集落を作って、希少な魔石の採掘をしているの。でも最近は魔物の数が増えて、大切な家畜が襲われることが多くなったんだって。


それで傭兵ギルドに調査と魔物の間引きの依頼が来たのは前に話したよね。


父は私が合流してから「クレア、魔物は任せた」ってほぼ全振り。


その本人は副団長含め数人の団員とノクスラントの奥地に調査で入っていったきり一ヶ月近く音信不通。まあ、父に限って何かあるとは思わないけど、魔物を間引く方もそれなりに大変なんだよね。


魔物の種類は主にワーグ、オーガ、それからたまにトロール。ワーグは群れで動くから結構厄介。油断すると背後から噛みつかれるから『ルシアンがいたら楽なのにな』と思ったよ。


私はノクスラントに入るのはまだ二回目だから、詳しいことは分からないけど、城塞都市カーレストの周辺にまでこんな数の魔物がいるのは異常だって副団長のギルフォードが言っていた。


彼はスカウト(斥候、偵察、調査のプロ)なんだけど、ノクスラントの奥地から逃げてきた魔物たちが、人間の生活圏に現れるようになったんじゃないかって。


ノクスラントの奥に、魔物が逃げるような何かがいるって事なのかな?


とにかく異常なのは間違いないから、父と副団長たちは奥地まで調査に行ってるの。

冷静に判断できるギルフォードもいるし、父に限って何かあるとは思ってないけど、実は結構心配してる。この手紙が届いているころには、戻ってきているといいんだけどね。


一つだけ良いニュース?


この前の休みに、カーレストの街を歩いていたら美味しいケーキの店を見つけたの。

北の山間で飼育している山羊の乳から作ったクリームが美味しいの。機会があれば教えてあげるね。


――――――――

クレアの手紙は封筒にもう一枚入っていた。

書き出しはこうだった。

――――――――


それともう一つ、あなたの生家に行ってみたの。


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