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星に願いを  作者: 青鯖
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浄化

「おはようございます」

今日はいつもより早くに神殿へ行き、朝食と弁当を作る。今日は神殿の外に出て浄化をする予定だ。

(でも、神殿の外に浄化する場所なんてあるのかな)

そんなことを考えていると人がやってきた。

「香ばしい匂いを辿ってみたら、ここにいたかリト」

「牧師さん!今日はよろしくお願いします!」

牧師さんは浄化をする際の案内役として今日は来てくれた。でも、それは私の役目な気がして、子供扱いされているみたいで少し不服だ。それでも馴染みのある人が来てくれて嬉しくないわけがない。ササッと料理を作り、牧師さんと話をしようと思ったが、牧師さんは静かにお祈りしていた。どれだけ音を立てても私に気づく様子はない。

「本日も良い香りですね」

「リト、お前もう少し静かにだな」

私が音を立てていると、フィル様とルミナスが食堂へとやってきた。するとフィルは目を大きく見開く。

「……パグロ様、もう来ておられたのですね。時間さえ教えてくださればお出迎え致しましたのに。」

すると、パグロは目を開け祈りを終わらせた。

「おいぼれなんぞが若い者の時間を奪うなんてあってはなりませんのでお気になさらず」

「ですがっ」

「こちらがルミナスくんですね。初めましてこの島で牧師を携わっております。パグロ・ホーリーと申します。気軽にパグロと呼んでください」

一人で慌てふためくフィルとは反対に、牧師さんはルミナスに優しく微笑む。

「ルミナス・ホーリーです。本日はよろしくお願いします」

「座りなさいな、立っていては朝食が冷めてしまいます。」

朝食を食べた私たちは早速島の外へ出た。はずだったが私は今一人で森の中にいる。

(牧師さん、本当っに意地悪……。)

私は外に出るや否や、「リトはここに書いてある薬草を取ってきなさい」と言われて追い出された。

(こんな薬草すぐ集まっちゃうし、何がしたいか分からない)

私はパンパンになった袋を見てため息をつく。

(そういえば森のこんな奥入ったことないな、少し散策してみようかな)

戻ったところでお払い箱になる予感がした私は時間潰しも兼ねて周りを見てみることにした。と言ってもそこにあるのは雪だけで何もない。私は気の向くまま歩くことにした。



俺たちはリトと別れてからパグロさんに着いて歩いていた。一面真っ白な雪……かと思えば足元には枯れたような暗い色をした植物が雪と雪の間からひょっこり顔を出している。それだけではない崩れた民家に裸眼で見えるほどの溢れ出る魔力。吐き気がしそうだ。

「いつ見てもひどい景色ですね、それにしてもリトさんを一人にさせて良かったんですか?」

「ええ、問題ありません。彼女は少々特別なものでして………まぁ、それは置いておいて、では浄化をやってみてください……フィル」

「え、私がですか?!」

足元の植物を見ると魔力が溢れているのが分かる。

(こんな小さな植物にも魔力が集まっているなんて……昔この島では何があったんだ…それにフィル様は神官として立場の高い位置に属しているが、そんな彼もパグロさんに顎で使われているのを見るに、彼は一体何者なんだ)

そんなことを考えているとパグロさんから指摘を受ける。

「ルミナスよ、色々考えるのは良いことじゃがフィルの浄化もちゃんと見ていなさい」

俺はハッとし、フィル様に視線を向ける。それに気づいたフィル様は準備は整ったと言うように息を大きく吐く。

「こほん、では……聖典の書よ、我が声に耳を傾け、力を貸せ。浄化せよ」

そう言うとフィルの周囲半径一メートルくらいの植物が緑色になっていき、溢れていた不快な魔力は消えていた。筈だったのに、一秒もすると植物は元に戻っていた。

「どういうことですか?」

フィル様とパグロが落ち着いているのを見るに、これは予想されたことだったのだと分からせられる。直後、頭の中で一つの言葉が浮かび上がる。

「生命が失われた島」

俺はそう呟いていた。

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