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星に願いを  作者: 青鯖
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「面白い冗談だな。世界の三分の一の兵力を持つ魔法学校を襲うだって………そんなバカがいたとはな」

「馬鹿かどうかはすぐに分かるわ。」

「ところであんたらのこと……"アース"って言ったか、それについて教えろ」

「あらそう言うわけにはいかないわ。でも、残念ね、あの魔法を解呪しなかったらその返答にも答えてあげるつもりだったのに……。」

「あぁ、笑わせる。あれ解かなかったら全員仲良く地獄へ行ってたってのによ。」

「……だって邪魔だったんだもん、それにそうした方がそっち側をコントロールしやすかったんだけどなぁ。あぁボスに怒られたらどうしよう、首にされちゃったら私もう生きてられないわ……。」

「そんな残忍な性格なのかあんたんとこのボスは?」

「あら、答えないわよそんな簡単な揺動。それに、そろそろ眠りから覚める時間になるもの。情報を聞き出そうとした上に、時間稼ぎなんて……いい加減かと思ったけど結構真面目なのね」

にこっと笑ったあと美女はふぅと一息吐くと笑みを消した。

「三年後に私たちは仕掛けるわ。まぁ、それまで何も起こらないわけじゃないけど……。私たちをがっかりさせないでね。じゃあね神官さん……生徒さん」

そして、彼女は塵になりこの場を去った。

「………リト、このことは内密にしろ。そんで寮に戻って被害者のふりをしろ、理由は聞くな」

そう言われて私は自室に戻り、周りの様子を見つつ、被害者に馴染んでいた。一時間もしないうちにみんなは目覚め自室での待機を命じられた。それから二時間経ち待機命令は解除されたと同時に驚く情報を耳にした。



コンコンコン……

「失礼します、校長」

「あぁ、来たかね……ドレアン君よ。今回の件とても感謝している。」

「身に余るお言葉です。」

感謝を口にしているが、彼の表情は曇っている様子だ。

「感謝など……………なにか望みはあるか?」

ドレアンは目を大きく瞬きさせてから、大きく笑う。

「はぁー、校長この状況が俺のそれなんですよ………」

「すまない、少しでも感謝をしたくての。私に力があればこの状況を………」

彼の視線の先からジャラリと音がする。

「いえ、俺の実力不足です。」

ガチャリ。ドアが開く。

「面会は終了だ、ドレアン・ホーリー。」

そのままドレアンは鎧を着た男二人に連れて行かれた。

(なぁ、この世界はこのままで良いのだろうか…師匠がここに居てくれれば………)

はぁ…とため息を吐き、空を眺める。

(こんな甘ったれた考え………私は弱いな)


後日、改めて試験が行われた。だが、私は集中できなかった。それは昨日のこと…。


自室での待機が終わり全生徒が講堂へ集められた。そこでは何があったのか、試験の日程の変更、これからのことについて語られた。死人、怪我人は一人もおらず安堵したのも束の間、信じ難い言葉を耳にした。「この件において王族を国民を危険に晒したことにより、ドレアン・ホーリーを大量殺害未遂として神格の剥奪及び最下層地域での終身生活を言い渡す」

私は固まった。

(おかしいおかしいおかしいおかしい………だって先生はあんなにすごい魔法を使ってあんたらを助けた。救ったのになんで)

周囲も困惑の声が上がっていた。一人の生徒が聞いた。

「なぜですか、先生は私たちを助けてくれたのですよね?」

教頭は固く口を紡んでからゆっくりと冷静にこう言った。

「……どれだけ素晴らしい功績を残そうとも王族を危険に晒し、事件の主犯を取り逃した。これが全てです。」

静まり返る講堂。そこに甲高い声が響く。

「当然ですわ。一歩間違えればローザたちは死んでいたのかもしれないのよ。ね、トラッシュ兄様」

「その通りだ我が妹よ。我々は聖女の正統なる血筋を受け継いでいる……この世界の創始者の血をあの能無しは途絶えさせようとしたんだ!なにより、僕たちの天使ラビーちゃんがあれから怖くて部屋から出てこないんだぞ!」

「あぁかわいそうなラビー……」

しくしくとわざとらしくなく様に怒りを抱く。しかし周囲からは「ラビー様が………」、「なんとお労しい」などと言った言葉が放たれた。私の中で怒りが募る、怒鳴りたかった。おかしいと、先生はお前たちを救ったのだと。だけど必死にその感情を抑えた。

("感情を表に出さないこと、感情に身を任せないこと")

そう心の中で繰り返し唱えながら、私は駆け足で講堂を去った。

激しい風雨と雷鳴が講堂を包む。

「あれ、今日の天気予報ってこんな悪かったっけ」

一人の生徒がぽつりと呟いた。

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