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星に願いを  作者: 青鯖
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謎の女

あれから、魔物の活動が激しくなった。先輩も西の方へ応援に行った。他にも教師や生徒会以外の生徒も外へ出ている。これにはプラムに浮かれていた生徒達も参ってしまっている様だ。

だが、そんな人ばかりではなく、向こうから明るい声が聞こえてくる。

「おはようございます!」

「おはようございます、メルシー先生!」

メルシー・グレース教諭。あまり関わりはないが明るくて優しい雰囲気で生徒から信頼を集めている人だ。そんな彼女は私に気づいて元気に挨拶してくる。

「おはようございます!」

「おはようございます」

(………………え?)

私は何を見たのか。今、すれ違った人は誰なのか。声も態度もいつもの先生と全く同じだが、いつもの先生と明らかに違う。表情を殺して、いつも通り教室に入る。するとそこにも違和感があった。

(…………誰?)

知っている顔なのに知らない顔気持ち悪い何かが胸の中を動く。その時リリィもどきが声をかけてきた。

「おはようリト!」

ズシャっ!

「え………リト、なにするの?」

気持ち悪さに耐えられず、私は目の前の化け物を鎌で斬りつけていた。リリィの見た目をした化け物はどろっと溶け出し、顔が泥粘土のように歪んでいく。その様子を見ていた化け物達も私に襲ってくる。

「あいつ……敵………襲う」

「光よ集え、石よ我が願う」

私は咄嗟に一点に光を集めた。相手は化け物だが今の姿が人間である以上この光で多少時間稼ぎができる。その隙に私はいつもの人気のない教室に逃げ込んだ。

(……ふぅ、なにどうなっているの?)

廊下に出てからも化け物だと考えられるやつらが彷徨っていたがなんとかここまで逃げ切ることができた。

(取り敢えず、状況の整理をしよう。)

まず、あいつらは魔物、もしくは魔物によって生み出された創造物か何かなのは、斬りつけたリリィの様子から推測できる。次に範囲だ。私の勘が正しければ教師にも化けていると考えられる。最悪学校全体に被害が及んでいると考えていいだろう。最後に本物の彼らはどこにいるのか。

(どちらにせよこのままでは埒が開かない。)

そう思った私は渋々透視魔法を使って、状況を把握した。生徒達は寮で眠っている様だ。教師も自分の部屋で寝ている。私の予想通り、ほとんどが化け物になっていた。だが、無事な人はいないかと私は隅々まで探した。すると、ある人物と目が合った。

(ドレアン先生っ?!)

驚いた衝撃で魔法が途切れた。慌てて再発動しようとすると後ろから頭を叩かれた。

「いったぁ……」

私はすぐに後ろを振り向くとそこにはさっき目が合った人物が立っていた。

「せ、先生〜!」

「リト、お前……あんな分かりやすい透視魔法使って……自分から場所教えてるようなもんじゃねぇか。」

一瞬でも喜びに浸った自分が許せない。

「……だがよく無事でいた。」

そう言われて今度は優しく頭を撫でられて、とても不思議な気持ちになった。

「それじゃあ状況整理と行こうか」


私は自分の現状と推測を先生に説明した。先生はと言うと………

「そうか、俺の場合は研究で一晩中起きてたら午前四時頃に変な魔物に襲われた。俺は一瞬で防御したおかげで無事だったが、変な空気を吸ってそのまま倒れた。ここで、大切なのは優秀な俺ですら気づかないくらいあいつらは気配を押し殺されていたという感じだ…………なにより、敵の目的がわかんねぇから無闇やたらに行動できないのが面倒だ。」

「誰かと連絡は取れないんですか?」

「無理だった。学校の敷地内にいるやつらは誰も出れない。学校を離れている奴らとは距離が離れすぎている。」

(どうしよう、このままここにうずくまっていても何も解決しない)

「だが俺がいる…ホーリーの頂きである神官だ。見とけリト・ホーリーこれからお前が目指すべき姿をな」

そう言い、ドレアン先生はネックレスを握った。

「神格よ、魔気を払い光の導となれ……ウィッシュ」

そう唱えると外の景色が金色に輝き始めた。光の粒が空を舞い、大きな川の様になっていた。なにより、それをとても長い時間見ていたくなってしまうほどに、美しかった。

「………こんなもんか、これで大丈夫だろう」

「な、何が起きたの…」

「ただの治療だ……ほら外に出るぞ状況確認…と行きたいところだが、まだ部外者がいるようだ」

ドレアン先生の視線の先から甲高い不気味な声がした。

「あら、見つかっちゃったみたいね…ご機嫌よう。神官さんと……生徒さん」

そう言い、現れたのは長身の美しい女性だった。

「でも計算外だったわ。魔物の侵攻と時期を合わして、睡眠魔法に薬色々盛ったのに眠らない化け物がいるなんて私も腕が鈍ったかしら?」

「すまんな俺はそこらへん一通り効かないんだ……まぁ気を悪くするなよ」

「私ったら殺気が漏れちゃってたかしら」

「それはもうはっきりと」

(ふ、二人の会話が怖すぎてどこかに逃げたい隠れたい)

「おしゃべりは終わりにして、お前を捕らえるとするか………治療しろ」

「くっ……頭が、割れるっ………わけないでしょ。」

「なっ、創造か…」

「ねぇ、お話しましょう。私あなたを殺す気ないのよ………」

ニコニコと笑う美女に観念したのか先生は両手を上げ、その場に座った。

「あら、案外聞き分けがいいのね、もう少し遊んでも良かったのだけど…残念だわ」

「…………リトお前こっち来て座れ」

「……はい」

「今日は警告をしに来たの。まあ、余興とも言うわね。」

「どう言うことだ」

「近いうち私たち"アース"は魔法学校を中心にこの腐った世界を壊すわ」

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