昔とはいえない昔話し
むかしむかしとても仲の良い恋人がいました。その恋人は人の少ない町で毎日楽しく暮らしていました。しかし、ある日突然町が炎に包まれました。少年は炎に呑み込まれそうな少女を守るために、少女を庇ったことでふかいふかい傷をおってしまいました。その少年はとても辛そうにしていました。それを見て少女は願いました。
「お願いです。彼の傷を癒してください。」
その純粋な願いから彼の傷はふさがり、二人はずっと幸せに暮らしました。
「わぁ〜すごいすごい!これが最初の魔法なの?」
「えぇ、これが一番最初の魔法だと言われてるわ。そして最も尊い魔法とされてるの。そしてその魔法を使うのが…」
「「聖女様」」
「わたしも聖女様になりたいなぁ」
「そのためにももう寝なさい」
「うん、おやすみせんせい。」
「おやすみなさいシロ。」
聖女様。この世界に魔法をもたらした最も尊い
存在。むかしは魔法はなくエネルギーによる技術が発展していて、全ての機械を電気やガスといったエネルギーで動かしていた時代だった。しかし、それらによる環境破壊によって太陽を始めとする複数の異常気象による複数の同時発火は空気に充満したガスにより一気に世界中に広がった。地獄の業火のなか人々は火だるまになり、死んでゆく。その中である時光る一本の柱がたった。人々がなにかと思った瞬間世界はその光に包まれて、火は沈んだ。
そして新しい文明が築かれた。生き残った数万人の人たちで村を作り、未知なる存在の研究を始め、わずか一世紀で魔法という新たな資源の原理を解明し、魔法という文化が五世紀ほどで根付き、基盤となっていた。