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空高く

シェストや魔導技術者達の解析により巨大魔導兵器のコアの位置の予想がなされた。それは三か所だった。一か所でも残っていると、動きは緩慢になるものの全体を動かせてしまうので、完全に止めるにはすべて破壊しなければならない。もし破壊できたなら、魔導力による効果が切れてその自重が支えられなくなり、自動的に崩壊すると予想された。


また、マルコーが到着し、カゲロウから優秀な忍者四名とともに念のため一緒に来てくれたこともありこれで、さらに、戦力が向上する。敵地に入れても、脱出できなくてはならない。忍者は忍術により高い空からの滑空による着陸が可能だった。


他、五人分のシェストが開発した小型浮遊エンジンがあり、これをもちいることでさらに追加の増援が可能となった。反帝国連盟の精鋭五人である。


ガルストンはパラシュートの訓練を受けており、サラマンダー号の操縦を任されていることから、脱出に関しては問題がない。


ニクスも、高いところからの飛び降りはよくやっていた、風をつかむ力もあるためこちらも問題がない。


ベンケイは、なぜかよくわからないが、なんとかすると言い張った。きっと何とかするのだろう。


ルゥは、氷の床を足場としてうまく出現させていければ最悪問題がなさそうなのと、忍術で一人程度であれば、一緒に降りれるということで問題なさそうだ。


マルコーもマリーネも忍者である。問題ない。


リアナはテレポートを使えば脱出できる。


そうしたことで、戦力は四、五、七、と合計して十六人が参加する手はずとなった。


ただ、問題もないわけではない。そう、元にした設計図は試作段階のもの。最後は、現場での臨機応変な対応が求められるのだった。


#


バルバルド魔導巨人兵器は、小国の王都や首都を次々に狙い蹂躙していった。地上からの砲撃は全く届かず、地上近くの足回りを狙う敵は帝国兵の魔導兵器体が壊滅させていった。地上から、這い登ろうにも、その足は大きく、歩幅が大きいため、足に取り付いて登ることさえ困難であった。


巨大魔導兵器は街道に沿って、次なる地へと向かっていた。


そんなおり、サラマンダー号が飛来する。それに乗るのは、操縦はガルストン、ニクスとリアナた複座に無理やりのっての三人乗りである。


それを発見した帝国側は、サラマンダー一号機と旧型飛行兵器三機を向かわせる。こちらのサラマンダー号から弾頭が二発はなたれ、キャノピー越しでも魔法は放てるので、ニクスとリアナでなんとか風の斬撃を無作為に放って支援すると、敵の旧型飛行兵器は三機とも墜落した。あとは、サラマンダー号同士の機銃での打ち合い、ドッグファイトとなった。


だが、こちらは無理やり三人乗っていることもありそう難しい飛行もできない。それを、ニクスとリアナの風の斬撃魔術で援護するも、なかなか決まり切らない。さすがに、最新兵器に乗っているパイロットだけはあって、向こうのほうが操縦は上手なのだ。ガルストンは一般兵であってテストパイロットをやっていたわけでもない。腕の差が出てしまう。


そこで、リアナは召喚術を使うことに切り替える。荒ぶるコクピットの中、なんとか精神を集中させるも、どうしてもなぜかあの自信満々で不思議なベンケイが頭によぎってしまい、つい敵のサラマンダーのそばにベンケイを召喚しようとしてしまった。するとどうだ、何と召喚できてしまったのだ。


ベンケイは状況を理解していたのか、悠然と曲刀を振りぬき敵のサラマンダーを一刀両断して、そして消え去った。そう、かれは霊獣だったのである。


「おい、なんでベンケイが?」


驚くニクス。


「とにかく今だ、着陸するぞ」


とガルストンは言うと、巨大魔導兵器に着陸した。そう、この魔導兵器、本格的に運用すると、ここから飛行兵器もサラマンダー号のように浮遊エンジンを積んでいれば可能なように設計されているのである。ただし、その辺は完全ではなく、着艦場所はがらんどうとしている。


今のうちにニクスとリアナは、キャノピーを開けて飛び降り、その後直ちに、リアナはニクスをここの起点にし、反帝国連盟の起点をシェストとしてテレポートで兵隊を乗り込ませはじめる。その間に、制空権を確保しておくため、ガルストンは再び、出撃させ、上空にやってくる飛行兵器を迎え撃つ。機銃も弾頭も限りがあるため、軽はずみには使えない。なにせ、機銃の弾丸は特別製でまだ、こちらで複製できていないのだ。


こうして、乗り込んだ人員十五名は、それぞれ、三つのチームに分かれてコアのあるであろう爆破ポイントへ向かっていく。


一つ目のチームは、ニクス、反帝国連盟兵二人、忍者二人である。

二つ目のチームは、リアナ、マルコー、反帝国連盟兵二人、忍者一人である。

三つ目のチームは、マリーネ、ルゥ、ベンケイ、反帝国連盟兵一人、忍者一人である。


いずれも、近距離、中距離、遠距離、援護、治療などのバランスを考えての構成である。


一つ目のチームが向かうのは頭部付近のコアだ。

二つ目のチームが向かうのは右肩付近のコアだ。

三つ目のチームが向かうのは左肩付近のコアだ。


それぞれが俊敏に行動し、順調に進んでいく。どうやら中に入ってしまえばもろいのかもしれない。そう、未完成であることと、乗り込まれることを根本的に想定していないつくりと、人員不足によって、中はスッカスカなのであった。


通路を進み階段を上り、順々に頭に入れた経路をもとに進み、少し異なるところは、一つ目のチームは忍者二人が的確にサポートし、二つ目のチームはマルコーの的確な判断で、三つ目のチームはマリーネの勘を頼りに、スムーズに目的地へと進んでいく。


それぞれ、目的地に到着すると、一分後に起爆するようにしていた門のときにガルストンが持たされていた爆弾と同じタイプの消滅爆弾を設置する。設置は反帝国連盟の人達が的確に覚えて対処していた。そうして、離脱し、それぞれ爆弾から離れた外側で待機すると、順々に爆弾が起動し、エンジンを停止させていく。それを見届けて、一つ目と三つ目のチームはその場から離脱した。しかし、二つ目のチームの爆弾が爆発した時、エンジンを中途半端に壊した結果なのかさらに誘爆を起こし大きな爆発が起こった。それに煽られて、二つ目のチームは各々が空中へ放り出される。


マルコーはとっさにリアナを探したが見当たらない。そう、このなかで彼女だけが、滑空手段を持っていないのだ。空中で落下しながらテレポートできるか、それで無事で済むのか、マルコーは疑問だった。冷静にテレポートできたとして落下の速度が消えないのだとしたらそのまま地面に激突してつぶれてしまうのだ。


リアナは空中に投げらされ落下していた、落下しているが不思議と恐怖は感じずふらっといつも見ていた彼のように体を大の字にして地面に顔を向ける。落ちている。そう、空を落ちていた。なんだか不思議と楽しかった。自分は頭がおかしくなってしまったのかもしれない。このまま落ちれば、地面にぶつかって死んでしまうというのに、なんだろう、そう、彼の感じていた感覚に少しでも近づけたと思うと、ほんの少し嬉しかったのだ。


そう、リアナがニクスのことを考えたからだろうか、ニクスは的確に彼女の状況を感じ取った。ざっと、風を魔術で操り彼女の元へと滑空して向かう。彼は当然のように目でもリアナをとらえ、まっすぐ彼女を抱きかかえたと思ったら、彼は全身いや、それ以上の浮力でもってふわりと浮いたのである。そう、気が付けば彼の背には炎の翼が生えていて、彼は羽ばたいて飛んでいた。


「はは、ねー、ニクス、飛んでるよー」


「わかんねーけど、そうみたいだな」


自由に空中を飛び回る彼をマルコーは見つけ安心する。


「ちょっと、あぶないわよ」


そうして、三つのコアが破壊されたことで巨大魔導兵器は動力を失い崩れていった。それを背に、ニクスはリアナを抱えて優雅に飛んでいた。


「ハハハハハ」


そう、ニクスにとって、空を飛ぶこと、それは昔から夢見ていたことの一つだった。嬉しくないはずがない。


「ねぇ、サラマンダー号は窮屈だし、空ってたいへんだなっておもったけど、こういうのはなんか、気持ちいいね」


「だろ、わかる?やっぱ、生身で飛べるっていうのが最高だよなー」


こうして、無事、バルバルド魔導巨人兵器の破壊に成功したのだった。

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