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幕間6.3 閨教育~その後 side.フェリクス

「はぁ……。酷い目に合った」


 結局、一通り見終わるまで部屋から出して貰えなかった。

 ようやく開けられた扉からへろへろとしながら出てきた俺は、娼館の支配人に「またのお越しを~」と見送られて館を後にした。


 二度と来るつもりは無い。


 ちなみに後から知ったことだが、あの場で覗いていたのは俺たちだけではなかったらしい。


「閨教育は必要だが娼婦には触れたくないという、潔癖性の令息もいるからな。そういう息子のいる家に声を掛けておいたんだ」


 支配人は良い稼ぎになったと喜んでいたそうだ。あの男、やたらとニッコニコしていたのはそういう理由(わけ)だったのか。

 


「フェリクス様、どうかされましたか」


 向かいに座る婚約者(アニエス)が、心配そうに俺の顔をのぞき込んだ。


「あ、ああ。ごめん。少しぼーっとしてた」

「お疲れですか?回復術をお掛けしましょうか」

「いや、大丈夫だ」


 こんなこと、アニエスに話せるわけがない。

 墓場まで持って行く秘密だ。


 ふと、彼女の首筋が目に入った。


 白くてきめ細やかな肌だ。

 首筋がなだらかな曲線を描き、胸元へと繋がっている。

 それが、手の届きそうなくらい近いところにあるのだ。


 あのブラウスの中も、同じくらい白いのだろうか。

 そこへ舌を這わせたら、君はどんな可愛らしい声を上げるのだろう。


 はっ。


 お、俺という奴は。

 婚約式も済んでいない女性に対して、なんて不埒な妄想を……!


「だぁぁぁーっ!」

「きゃっ!?」


 妄想をかき消すべく、大声で叫んで立ち上がる。

 

「な、なんだか急に素振りをしたくなったな!俺は修練場に行くから、君はゆっくりしていってくれ!」

「えっ、フェリクス様?いったいどうし……」


 アニエスを置いて、その場から走り去った。


 そうだ。溜まった欲望は身体を動かして昇華するに限る。

 俺は修練場に駆け込み、驚いている騎士たちを尻目に剣を持って素振りを始めた。


「501、502、503……」


 体力の限界まで、剣を降り続ける。


 翌日筋肉痛で動けなくなった俺は、事情を知った兄上と叔父上に大笑いされる羽目になったのだった。


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