俺はコイツの弱みを握っている、だからお前の彼女を俺にくれよ。
“俺はコイツの弱みを握っている、だからお前の付き合ってるその女の子
俺にくれよ。”
俺と一番仲がいい親友の男に俺はそう言った。
コイツは俺に絶対服従をするしかない。
何故なら? 俺はコイツの弱みを完全に握っているからだ。
・・・コイツの弱みとは、まだ言うには早いな。
俺に抵抗もできないコイツは強く握った拳と体を震わせて俺にこう言った。
【・・・わ、わかったよ、】
ほら見てみろ!
コイツは俺に抵抗もできなんだ。
だから早速、俺はコイツの彼女に会いに行った。
コイツに彼女を呼び出してもらって俺が会いに行く。
待ち合わせの時間ピッタリにコイツの彼女が現れた。
『えぇ!? 新之助君? どうしてココに?』
『俺がアイツに君を呼んでもらったんだよ。』
『・・・ど、どういう事?』
そこにアイツが入って来る。
『おい! お前から彼女に話してないのか?』
『・・・・・・』
『“今から由比は俺の彼女になったんだよ!”』
『えぇ!?』
『アキト、どういう事?』
『そういう事だ! お前はもう帰っていいぞ!』
『アキト! アキト行かないで!』
『じゃあな!』
『・・・・・・』
*
・・・そして次の日からアイツの彼女は俺の完全な女になった。
それに、二度とアイツの名前を口にしなくなった。
アイツと彼女が会っていても俺は気にもならない。
それは? 俺はアイツもアイツの彼女も支配したからだ。
【俺が正義だ!】
弱みを見せる方が【悪なんだ!】
野生動物の世界でも弱い生き物は強い生き物に喰われる。
弱い方が悪いんだ!
俺がこの世の中を支配する。
『おい、こっちにこい!』
『えぇ!?』
『いいから来い!』
『・・・・・・』
彼女は涙眼で俺の顔を見るが、俺はそれすら気にしない。
俺のモノになったなら、俺のいう事を聞くのが礼儀だろう!
俺の女に俺が何をしようが勝手だ!
例え、彼女が嫌がっててもな。
その方が俺は興奮する。
*
・・・因みに、“親友のアイツの弱みの話なんだが、”
アイツと俺が中3の時に、アイツに手を貸してやったんだ。
アイツは子供の頃から母親に虐待されていたらしい。
母親からの暴力で病院に入院していた。
その後は、アイツが退院してから家に戻るとまた母親からの虐待。
はじめはアイツも耐えていたが、もう限界に達していた。
そんな時、アイツから俺に相談があると言われアイツの母親を殺した。
今でもアイツの母親はアイツの家の庭に埋まっている。
きっと何もしなかったら? 大きな事件になっていたのだろうが母親が
アイツを置いて何処か一人でフラッと家を出て行ったと警察にアイツが言うと?
事件にはならなかった。
ちょくちょくアイツの母親はしょうもない事件を起こしていたからだ。
お酒の飲み過ぎで見知らぬ人に絡んだり警察の世話になっていた。
それに、母親がアイツに暴力をふるっていた事は警察も知っていた。
この町内の“問題児”といったところだろう。
皆、迷惑をかけられ困っていたところだった。
そんな時、俺とアイツでアイツの母親を殺す。
いくら俺達が子供だといっても中3男子でしかも二人いれば大人の女性ぐらい
殺す事は難しくない話だった。
一人が母親を抑えて一人が包丁で母親を刺すだけ。
しかも? ベロンベロンに酔っぱらったアイツの母親が相手だ!
容易いな事だと思った。
俺がアイツの母親を後ろから羽交い絞めして、アイツが包丁で母親を刺す。
一瞬の事で俺はあまり憶えていない。
しかも俺はアイツの母親を後ろから抑えているから前は見えていない。
アイツがどんな顔でどんな気持ちでアイツの母親を殺したのか?
俺に分かる訳もない。
ただ、物凄く血が畳一面真っ赤に染まったのを見てアイツが殺した事だけは
分かったし今も鮮明に憶えている。
真っ赤な血に染まった包丁を強く握りしめて離さなかったアイツ。
下を向いてアイツは俺に結局、一言も言わなかった。
俺もアイツも黙ってアイツの母親の遺体を二人がかりで庭に必死に穴を掘っ
て埋めたところまでが俺の記憶だ。
それからは俺とアイツの中で完全な“上下関係”ができた。
アイツは何があっても俺に服従する。
それがルールになった。
高校生3年生になった今でもそれは変わらない。
だからアイツの彼女を俺の女にした。
アイツは俺に絶対に逆らえない!
『よう!』
『・・・・・・』
『今日は何をして俺を楽しませてくれるんだ?』
『・・・・・・』
『なあ、由比! 今から俺の家に来い!』
『えぇ!? 今日は用事が、』
『断れ!』
『・・・そ、そんな、』
『お前は俺の女なんだぞ! 黙って俺のいう事を聞けばいいんだ!』
『・・・ア、アキト』
『今、何か言ったか?』
『・・・・・・』
『・・・・・・』
なんて愉快なんだ! コイツらは俺に服従で抵抗もしない。
俺は誰よりも偉いんだ!
いつまでもこの関係は変わらない。
俺が正義でアイツらは悪だ!
強いモノが弱きモノを支配する。
それが“この世の中のルール”だ! 誰も俺に逆らえやしない!
最後までお読みいただきありがとうございます。




