⑲閑話
どうしても今、書きたくなった本日二話目投稿です。
リュークとレオナルドの会話
「…なぁ、レオ、カイルって、もしかして初恋か?」
「でしょうね。彼の今までの環境を考えれば」
「あれだけ感情をむき出しにしてるのに、わからないものかな?」
「…殿下は、応援しているのですか?」
「そうだな。正直二人がくっつくのが一番の平和な解決だと感じている。レティシアも安心できるだろう」
「何故そこでレティシア様が?」
「レティは、彼女が聖女となることで私を取られるのでは、と心配しているんだよ。可愛いよねぇ」
「突然惚気をぶっこんでこないで下さいよ」
「レオは、アリアをどう見る?」
「小動物ですね」
「ハルバートやバルティスと同じか」
「まあ、似たような感情じゃないですかね?少なくとも恋愛対象ではありませんよ」
「なるほどな」
「それに、カイルはあの初日からゾッコンじゃないですか。背後に真っ黒な猛獣がいるのに手を出すやつなんかいませんよ」
「…一人いるじゃないか。恐いもの知らずが」
「あー…猛獣に気付いてないだけでしょ」
「気付いていないふりをしているだけかもしれない」
「確かに。でも僕は面白いのでただ見ているだけにします」
「そうか。私は自分の護衛が可愛いからな。後押しとして、これからもどんどん彼女を学年代表に巻き込むつもりだ」
「可愛い護衛って、僕のことも入ってます?」
「もちろんだ」
「じゃあ僕の時にも恋のキューピッドお願いします」
「レオも誰かいるのか?」
「絶賛募集中ですね」
「…だろうな」
「仕方ないので、僕も可愛い同僚の手伝いを少しはしますよ」
「ははっ。頼むよ。…まずは本人に自覚して欲しいけどな」
「めちゃくちゃ初歩ですよね…」
「先が思いやられるな」
二人がそんな会話をしているなどとは全く気づかず、今日も今日とて巡回中だと言ってアリアに声をかけるカイル。
お互いが、お互いを想う表情が特別なことに気付いていないのは、当人達とレティシアだけである。