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第一章④ 初めまして。家に帰してください。






家の中に足を踏み入れた瞬間

真っ暗だった部屋が嘘だったかのように

急にパッと明るくなった。



家の中は、あの外観からは想像できないほど

綺麗で立派なものだった。


ヨーロッパの洋館を思わせるような作りに

思わずホゥと溜息が出てしまう。


壁にはぎっしりと分厚い本が敷き詰めてあり

置いてあるものすべてが高価なものに見えた。


「・・・すごい」


と思わず感心してしまっている私は

さっきまで、泣きながら人を求めていたことや

ここが見ず知らずの他人の家であるということを

少し忘れてしまっていたのである。




「はて、お嬢さんは何処から来たのかな?」



「ヒギャッッッッッ!!!!!」



この家の主であろう人は突然現れた。

ヌッとかニョキとかそういう表現が正しいのだろう。

本当にそういう風に現れたのだ。



白い髭に白い髪。魔法使いのような帽子を被っている。

見た目年齢は、80代といったとこだろうか。



「お嬢さん。そんなに驚かなくても、取って食ったりなn」


「ここは何処ですか!?急にここに来てしまって、家があったから誰かいないかなと思って入ってしまったのは謝ります!でも、本当、ただ家に帰りたいだけなんです!帰る方法を教えてください!お願いします!」


「お嬢さん。そのことなんd」


「知ってるんですね!お願いします!」


「いや、えっt」


「もったいぶらないで教えてください!!!!!」


「少しは話を聞いとくれえええええ!!!!!」


「ヒィッ」


「・・・とりあえず紅茶でもどうかのぉ?」


「・・・はい。ありがとうございます。」




とりあえず自分の身に起きたことを

お爺さんに包み欠かさず話した。


お爺さんは温かい眼差しで

私を安心させるかのようにうんうんと頷いて聞いてくれた。


お爺さんの淹れてくれた紅茶はとても美味しかった。

不法侵入者である私にこんなに優しくしてくれるなんて

とお爺さんの優しさにまた涙が出そうになる。



「少し落ち着いたかの?」


「はい。さっきは少し取り乱してしまいすみませんでした。」


「仕方ないわい。急に異世界に飛ばされれば誰だって驚いてしまうわ。」


「はい・・・はい???」


「そして、残念なことに、すぐには帰れんのじゃ。」




いやいや待て待て。異世界に飛ばされた?



いやそうなのかな?その可能性もあるのかな?

とは思っていたもののはっきりと

『ここは異世界です』

と言われればさすがに驚いてしまう。



第一、そんな非現実的なことが起こるはずがない。



でも何処か納得してしまう自分は

やっぱり少しおかしくなってしまったのだろうか。



「・・・ここは私のいた世界とは違うということですか?」


「そうなるのぉ。まぁ、安心せい。お主が帰れるまでこの家にいればいいさ。」


「お爺さん・・・」



なんて優しい人なのだろう。

きっとこの人は人望の厚い人なのだろうなと思った。



「本当にありがとうございます。本当に感謝しかありません。」


「フォッフォッフォッ。わしが間違えてここに連れてきてしまったから、そのくらい当然のことじゃ!」




・・・ワシガマチガエテ?????




「は!?」


「いやでもまさか、お手伝い妖精を呼び出したつもりじゃったのに、異世界から小娘を呼び出してしまうとは・・・テヘッ☆」






前言撤回。

こいつはくそじじいだ。






お爺さんの口調が難しい!!!!!

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