表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破滅の旅路〜世界を正すものがたり〜  作者: まんまる雄山
一章:ドーラでの生活編
18/22

とある文書

ーーー勇者召喚に対する今後の備えについてーーー


 神暦2000年。遂に神はこの世界ドーラに対し、神の眷属たる勇者をこの地に降ろす事を許可なさった。

 最後に勇者召喚がなされてから既に100年。勇者の活躍により前魔王を討伐する事に成功し、世界に平和が訪れたと誰もが信じていた。しかし、魔王と同時に倒されたと思っていた魔王幹部の一人が奇しくも生き残っており、その幹部が魔王の亡骸を喰らう事で覚醒。新たな魔王となって再び世界を恐怖に陥れた。前魔王を倒した勇者が善戦するも、一人、また一人と敗れていき、世界はいずれ遠くないうちに魔王に支配されてしまうのではないか。そんな不安が人々の心を蝕んでいっていたのは紛れもない事実であったのは皆様も感じ取っていたであろう。

 やがて人々は、新たな勇者の召喚を願うようになった。「あぁフレイヤ様、どうか貴方様の眷属である勇者様をこの地に降臨させる許可をください」と。


 そしてその願いは神へと届き、ついに9人の勇者が女神フレイヤ様の使徒としてこの世界ドーラへと降臨なさることが女神フレイヤ様のお告げにより確実となった。

 この地へやってきた勇者様は最初こそ一般人と強さは変わらないものの、やがて魔王と戦うに相応しい強さを身につけ魔王を討ち滅ぼさんと果敢に挑んでゆく存在へと昇華なさる存在である。今までの勇者と同じようにきっと今回降臨なさった勇者も最初は弱いであろう。しかし、勇者こそ魔王を討ち滅ぼす最後の希望の光なのである。

 今回も前回同様、勇者召喚を命じられた国は最大限勇者のサポートをするように。必要な支援金は、我がエルグメット神聖国が全額負担するので心配する必要はない。

 ただ、前回の勇者様の中に一人謀叛を起こした者が現れた事は皆も知っている事であろう。この地に降臨なさった勇者は、周囲の環境によっては成長の過程で著しい思考の変化が生じてしまう可能性が否定できない。よって、召喚国同士でこれからの事についての議会を開催したいと思っている。勇者召喚の儀までの時間の猶予はあまりないため、出来るだけ早期に開催出来るよう現在日程の調整をしている最中である。決まり次第追って連絡する。


 以下、神のお告げによって大まかではあるが勇者の持つ力が分かっているので記載しておく。


 1、強大な火の力を有す。それはあらゆるものを燃やし尽くすとともに、己の不浄をも焼き尽くす。

 2、未来を見通す力を有す。それはあらゆる攻撃を瞬時に見切り、如何なる攻撃も捌ききる。

 3、圧倒的な力を有す。それは全てを粉砕する破壊の暴力となって、立ちはだかる敵を討ち滅ぼす。

 4、全てを癒す力を有す。それは如何なる傷も癒す奇跡の光となって、皆を護る母となる。

 5、強大な光の力を有す。それはあらゆる不浄を嫌う絶対の矛となって、全ての魔族を浄化する。

 6、絶対の守護の力を有す。それはあらゆる攻撃を受け止める絶対の盾となって、如何なる攻撃も防ぎ切る。

 7、自然を身に宿す力を有す。それは精霊の力を呼び起こし、強大な敵をも蹴散らさん。

 8、召喚の力を有す。それは自由自在に己の仲間を呼び出して、如何なる困難をも乗り越える。

 9、時を操る力を有す。それは過去と現在、未来を結ぶ唯一の存在として、希望の未来を掴み取る。


 以上がお告げによって現在分かっている事である。勇者召喚後はこれを元に勇者の資質を見極めていくように。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ