第10話 vsリザードマン2
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「エンシェントリザードマン:レベル60」
「エンシェントリザードマン:レベル66」
先程のリザードマンよりかは弱いらしい。しかし今度は二体か…倒せるかなぁ。
とか思ってると弓が飛んで来る。気を引き締めないと!
風魔法を纏った矢を無効化し、ついでに飛んでくる土魔法によって生成された石礫もドレインで無効化する。
先程からこれの繰り返しだ、そろそろ戦況を変える一手を打ちたい。
と言ってもちょこまかと移動しながら攻撃を放ってくる為、更に移動に風魔法を使っているのか、かなりのスピードで移動するので追いつけない。
どうにかリザードマンの動きを封じて接近戦に持ち込みたいところだ。
破壊魔法が今のところ唯一の遠距離でも放てる魔法だが…出来ればあれは使いたくないスキルなので最後の手段に取っておく。
時空間魔法、もっと使いこなせればマップやらレーダーとかの魔法も使えたかもしれないが今の俺にはまだ出来ない。
相手の位置を把握できて尚且つ動きを阻害出来る手段……あ、もしかしたら上手くいくかもしれない方法がある。
考えを整理し終わった俺は攻撃の隙を見ながら魔法を構築していく。
いくら魔力操作をするのに慣れたとはいえ、今回は広範囲に発動しなければならない為どうしても魔力操作に意識を割かざるを得ない。
今までのように完全には攻撃を防ぎきれず、傷を負い始めてしまう。
集中して魔法を構築しているので他の事にまで手が回らないのだ。
それを見て相手は好機と捉えたのかより一層弓矢による攻撃が激しくなる。
何本かの矢が身体を掠めていく。
……よし、魔法の準備が整った!
「広がれ、惑わしの霧!」
周囲に深い霧が立ち込める。
惑わしの霧、これは幻想魔法で俺が開発した魔法のひとつである。
自分を中心として霧を発生させ、それを吸い込んだ相手の五感を鈍らせるという魔法だ。
この魔法によってリザードマンの五感を鈍らせて行動を阻害する。
更にこの霧は俺が魔法で生み出したもの、そしてこの霧は俺の魔力で作られたものなので霧の中の状況が何となくだが把握出来る。
今回はいつもより大量の魔力を消費してより広範囲に霧を散布することは勿論、霧自体にいつもより多量の魔力を付与しているため、より周囲の状況を把握しやすくなった。
ついでに今までよりも魔力を多く注ぎ込んでいるため、圧倒的に五感が機能しなくなっているはずだ。
よしよし、リザードマンの動きもかなり鈍ってるな、手に取るように居場所もわかるぞ!
この惑わしの霧による擬似的なレーダーにより二匹のリザードマンの位置を把握、足止めに成功した。
「 さて、今度はこちらから行かせてもらうぞ! 」
まずは近くのリザードマンから倒していく。
擬似レーダーを頼りに進んでいくと周囲に溶け込むようにひっそりと息を潜めている、リザードマンを発見した。
おそらく、俺の魔法による五感の麻痺が治るまで隠れていようという魂胆なのだろう。しかし今回はそれが仇となったな。
五感の鈍ったリザードマンでは俺が接近していることに気がつくことができず……そのまま魔力を込めた木刀で首を一閃した。
よし、まずは一匹だ。にしても俺の予想よりも惑わしの霧の効果が強かったな、今のリザードマン俺に全く気が付いていなかったし。
俺を先ほどまで苦しめていたのは遠距離からの連携攻撃と素早い移動。
しかし今は片方は既に死に、もう一方も惑わしの霧の影響で機動力が大幅に減少している。
まぁだからといって気をぬく事はしないけどな、窮鼠猫を噛むって言うし。
そしてもう一匹のリザードマンとの距離を詰めていく。
今度の奴はそれに気がついたのか俺の方めがけて滅茶苦茶に魔法を、土魔法による弾幕攻撃を放ってきた。
やはり個体差だろうか、さっきの奴は俺に気が付かなかったのにな。
そして弓の腕だけじゃなく魔力もかなりあるらしい、こんなにも魔法を放ってるのに魔力切れを起こす気配もなさそうだ。
んまぁ今の俺に魔法攻撃は効かないけどね。全部ドレインで吸収してしまうのでむしろ魔力回復させてくれてありがとう、と言いたいくらいだ。
攻撃を次々に吸収しながら距離を詰めていく。
遂に剣が届く距離になり、リザードマンの背後から首を再び一閃しよう…と斬りかかった思その時、リザードマンが急に首を180度回転させてこちらを向いてきて俺に飛びかかってきた。
リザードマンの予想外の行動で動揺してしまったせいか、俺の振るった木刀はリザードマンに刺さったものの斬り落とすまでには至らなかった。
みちみち…と、筋肉が張り裂けるのではないかと思うくらいもの凄い腕力で俺を締め上げる。
まずい、何とか抜け出さなければ絞め殺される!
だがこの距離なら時空間魔法による攻撃もいける。新しく開発した新魔法、時空間魔法で空間を歪めリザードマンを捻り殺す。
そう思い魔法に意識を割き始めたところで…急にリザードマンの身体が膨れ上がった。
腕が、身体が、足がボコッ、ボコッと膨れ上がっていく。
そしてすぐに風船が破裂する寸前のようなパンパンな状態になり…これ、あからさまに刺激を加えちゃダメなやつだよな。
俺はもの凄く嫌な予感がした、嫌な予感はしたがもうすでに時空間魔法は発動してしまっている。
そう言えば何かこんな感じのマンガあった気がする。
何のマンガだったっけな?勝ちを確信したところで油断し、敵にしがみつかれて…そうそう、こんな感じの眩しい光に包まれてって…不味いじゃないか!!!
そしてそのままリザードマンの身体が時空間魔法によって捻れていき、引き千切れたその時である。
_____ドゴォォオオオ!!!_____
大爆発とでも表すべきリザードマンによる捨て身の自爆は、周囲の木々を消し炭に変え、地面を抉り飛ばしクレーターを形成するほどの威力である。
……が、何とか生き残る事はできた。
何とかドレインの発動が間に合った。あと魔力にもの言わせて瞬間的ではあるが服を強化し耐久力を上げた。
ドレインによる魔力の吸収によって爆発自体の威力を抑え、更に魔力にもの言わせた強化で服を一瞬だけガチガチの鉄板の如くにする事で俺への被害を最小限に抑えられたわけだ。
ただ爆風は魔法ではない為、そのまま周囲の木に思いっきり衝突したが。
危ない危ない、まさか故意に体内で魔力を暴走させて魔力爆発を起こすとか普通やらんだろ。
あんなのまともに喰らってたら100%死んでた…咄嗟の判断で色々やったけどほんとナイスだな俺。
周囲を見渡してその爆発の規模を改めて確認する。
周囲の木々が根こそぎ吹き飛ばされており、綺麗なクレーターが出来ている。その威力の凄さに俺は鳥肌が立った。
「にしても相当な威力の爆発だったんだなぁ、よくこれを受けて生きていたよな!ドレインで威力を抑えてこれとか、本当だったらどれくらいの爆発だったのか。考えただけでも恐ろしい…とりあえずアイテムボックスから予備の剣と…後は服だ」
爆発によって木刀と、俺の服が消しとんだ。服に至っては俺の無茶な強化による代償もあって灰になって消え去っている。
アイテムボックスから服…服は何処だったかな。あったあった。木刀は手前に置いておいたからすぐに取り出せた。
あと水で身体も一度洗っておくか。
アイテムボックス…ほんとに物を入れるだけの空間であって、整頓機能とかそんな便利機能は無かった。
これが欲しいと思っても勝手には出てきてくれない。あくまでボックス、箱、倉庫みたいな感じだ。
適当に放り込めばすぐにゴミ屋敷と化して欲しいもの見つからなくなる。
…そこはファンタジーじゃないのな、しっかりと現実的だ。
しかし実質無限にアイテムを保管出来る便利な魔法で、内部は時間が停止しているため食べ物も腐らない。
まぁ入っている物のほとんどが俺が無断で狩った魔物の死骸っていうね…そう、狩った後の死体の処理もこれに入れれば取り敢えずOK。もちろん血抜き出来てない奴をぶち込めば、次取り出した瞬間が悲惨な事になるので血抜きは絶対だ。
準備も整い一応周囲を警戒して観察する。
「これでもう敵さんはいないかな?いないならあの洞窟の中に進んじゃうけど… よし、もういなそうだな。じゃあ早速洞窟の中へレッツゴー!」
こうして俺は意気揚々と洞窟の中へと入っていった。




