第三話:念願の刀を手に入れたぞ!
ギルドから出て1ブロック先の冒険者向け武器、防具、薬などの販売する場所へ案内されつつ黒田は思った。
(あれ?俺これこのエルフの下僕になりかけてない?大丈夫?まぁ、装備を買ってもらって逃げればいいか。)
そんなことを思っているうちに武器・防具総合店みたいな所に着いちゃいました。
「そういえば、お前は何の武器を使うことにしたんだ?」
「えっと一応ロングソードをメインに使うことにしたんですけど、オススメありますかね?」
「ロングソードか、俺は近接武器という物を使わないからな、よく分からないが、お前の体格だと合っているの
ではないか?」
「とりあえず、自分にあった武器を探してきますね。」
辺りを見渡すと、直剣・短剣・大剣・曲剣・刀・特大剣・盾・革鎧・鉄鎧・ローブなどが飾ってあり。
その中に一番気になる物があった。
その外見は刀なのだが、禍々しいオーラを纏っている物が1本無造作に置かれていた。
これが黒田と妖刀の出会いである。後にこの刀のせいで事件が起きることなど知る由も無かった。
「お、その武器に気づくなんてお目が高いね。」
「うわ!ど、どうも・・・」
「その武器訳ありでね、それを購入していった冒険者は殆ど生きて帰って来ないんだ。」
「へぇ・・・」
「だから、みんなこの武器を買おうとしないんだ、だからこの武器は殆ど投売り価格なんだよ。」
「そうなんですか?一応聞きますけど値段っていくらぐらいなんですか?」
「そうだな、銀貨5枚でどうだ?」
「訳ありなんですからもう少し安くならないんですか?買って行った人殆ど死んでるんでしょ?」
「む、銀貨3枚以下にはならん、それでいいなら売ってやる。」
(銀貨3枚かぁ・・・他に防具とか盾とか買わなきゃいけないしそれなら買いかなぁ・・・)
「買います、後動きやすい革鎧と鉄製のグリーブ、鉄製の篭手纏めて銀貨10枚ぐらいでお願いします」
「まいどあり!ここで装備していくかい?それとも刀だけ封印して持っていくかい?」
「ん?封印ってなんですか?」
「持ち主が死ぬまでその武器は持ち主にしか使えないようになるんだよ、この店でしかやってないけどな」
「へぇ・・・その封印をするメリット、デメリットってなんですか?」
「メリットは自分にしか使えないから盗まれないって事だな、デメリットはアイテムボックスとかに入らないって
事だな。後は、パーティーメンバーにさえ使えない事になるから、緊急時に持って帰ってもらうって事ができ
なくなる。」
(パーティーメンバーかぁ・・・俺ソロで活動するし別にいいか。)
「封印の値段っていくら掛かるんですか?」
「今回は無料でいいぞ、武器やら防具やらをいっぱい買ってもらったからな。」
「どうもです。」
黒田は会計を済ましレイバンに話しかけた。
「レイバンさん、この刀に決めたのでもう大丈夫ですよ、それでなんですけど
ここからは自分だけで行きたいんですけどいいですよね?」
「まぁ、エルフ族は元々一人で行動することが多いから俺は構わないが、
貴様一人でクエストクリアできるのか?」
「まぁ、昔いろいろやっていたので大丈夫だと思いますよ?」
「それなら、これで解散だな、また会った時に武勇伝でも聞こう。そうだ、エルフ族の森に今後来るのであれば
これを渡そうと思うのだが」
そういい紋章の書かれた短剣を見せてくる。
(エルフ族か・・・暇になったら行ってみるのもいいか、魔法みたいな物も覚えれるだろうし)
「ぜひ、預からせてもらいます、場所とかは特に分からないんですけど地図とかに載ってますかね?」
「まぁ、載ってるとは思うが、この街の南門から約1ヶ月ぐらいの遠さだな、地図があれば道は分かるだろうよ」
「では、また会った時にでも酒と飯ぐらいは奢りますよ。」
「ああ、今日みたいな出来事で会うのは嫌だがな。」
「それでは、自分はここらへんでギルドに寄って初クエストに行ってきますね」
「ああ、またな」