1話
新学期。
それは新たな出会いのある胸も高鳴る時期。
俺たちも2年生となり、少しばかり受験のことが気になる学年となった。
クラス分けが発表され、掲示板の前は人であふれかえっている。
1組から順に確認していくと、どうやら俺は2組のようだった。
「雄二ー、何組だった?」
ふと、横から声を掛けられる。
金色に染めた髪。本来なら方近くまである長さを高めの位置でポニーテールにして結んでいる。右耳にのみつけている2つのピアス。身長は176センチぐらいと高め。
こいつは木村 良俺の中学からの友達だ。
見た目は不良だが害はない。むしろ誰かがいじめられていたら助けるタイプだろう。
「俺2組。良は?」
「おお、俺も2組だ!」
「また一緒か……ということは修斗もかな」
2組の表から名前を探してみると、案の定というべきか、そいつの名前があった。ていうか俺の名前のすぐ近くに二人の名前があった。
黒崎 修斗。良と同じく中学からの友達。
茶髪で黒目。身長186センチ。サッカー部のキャプテンかつエースでフォワード。イケメン。無駄にイケメン。だけどなぜかみんなからいじられる残念なイケメンだ。
「なんか今ひどいこと思ってなかったか?」
「お、修斗」
修斗、いつからお前は読心術を身に付けた。
「いやはや、しかしこれで中学から5年間同じクラスか! よろしくなお二人さん!」
「もはや呪いの域に達してるよなこれ」
「まあいいじゃないか。知ってる人がいると心強いだろ?」
「ん、まあそうだな」
「うっし! それじゃあ教室に行くか!」
良についていき、俺たちは2年2組の教室に向かった。
「いやー、この新しいクラスに入る時のドキドキは何年たってもかわらないなー!」
「いいから早く入れよ! 入口塞ぐな!」
「へいへーい」
良が気の抜けた返事で中に入る。
俺と修斗もそれに続き、教室の中へ。
教室の中は、机が横に六列。縦は両端が六、そこいがいは七つ並べられている。
一クラス総計40人。全部で5クラスあるから、学年全員で約200人。
俺たちの席は廊下側から3列目。
先頭が俺、神埼雄二。次に良。そして3番目が修斗だ。
見事に3人が並んでいる。
「なあ、やっぱり俺たち呪われてんの?」
「名字がカ行だし、自然とこうなるんだろ」
文句を言いつつ席に着く。
あたりはまだ人は少ない。
どうやら少しくるのが早かったみたいだ。