表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
44/62

嘘をつきました。

「この画像って……」


「そう。昨日現れたゴーレムの群れと軍のアンダーギア部隊が戦っている映像だ。ニュースで報道された映像を記録したんだ」


 リヴァーレの携帯端末の画像に映っていた映像は、昨日ハジメ達が参加した戦いの様子だった。


「それでこの画像がどうかしたの?」


「ハジメって、ずっと前から軍に協力しているサイコヘルムなんだろ? だったらハジメは昨日のこの戦闘に参加したのか?」


 リヴァーレの言葉にそれまで「何故か」遠巻きにハジメとファムを見ていた他のクラスメート達も視線をハジメに集中させる。聞かれたハジメは横目でファムを見て、彼女が苦笑を浮かべながら小さく頷いたのを確認すると質問に答えた。


「………うん。僕は昨日、この戦闘空域からずっと離れた戦艦に乗っていたんだ」


 昨日の戦闘でハジメはリンドブルムを後方で待機させていたため嘘は言っていない。まあ、もっともハジメはすぐにサイクロプスに乗って戦闘に参加したわけだが。


「マジで!? じゃ、じゃあさ、この機体を見たりしなかったか?」


 そう言うとリヴァーレは携帯端末を操作すると、画面に別の画像が映し出される。それは最初はただの空の風景を映したものかと思ったが、よく見ると一点に銃を構えたハジメがよく知る緑色の機体が小さく映っていた。


(……サイクロプス)


「これは噂なんだけどな。どうやら昨日のゴーレムの群れを撃退したのは軍のアンダーギア部隊じゃなくてこの機体らしいんだよ。でも詳しい情報が全然入んなくてさ、この画像も昨日のニュースでちらっと出たっきりで、それからまったく見当たらないんだ」


 十中八九軍の情報統制だとリヴァーレの話を聞いたハジメは思う。どうやらベット・オレイユのマスコミはかなり優秀のようで、軍も焦ったことだろう。何しろ昨日ファムから聞いた話では「イレブン・ブレット少将」の姿を世間の目にさらすのはまだ先の話らしいのだから。


「それでハジメ? この機体のこと何か知らないか?」


 リヴァーレに聞かれてハジメがふと横を見るとファムが目線だけで「分かっていますよね?」と言っていた。


 分かっている。もしここでサイクロプスの名前をだしたら、それだけでもハジメ達には大きなペナルティをかせられて、リヴァーレを初めとするこの場で話を聞いていた全員に情報漏洩を防ぐための監視などがつくことだろう。


「………………ごめん。僕は戦艦の中でずっと作業をしていたから、詳しいことは何も知らないんだ」


「そっかぁ……」


 わずかにためらった後にハジメが嘘をつくと、リヴァーレはあからさまに肩を落とし、周りで聞いていたクラスメート達もがっかりした表情となる。その様子を見てハジメは心の中でリヴァーレ達に謝るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ