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信じたモノの結果

作者: ダン

「なぁ?お前は神の存在を信じるか?」


大学の教室の中で長年つるんでいるオレの友達、武田たけだ友則とものりは携帯を見ながら聞いてきた。


「神?そんなもの信じるわけないだろ。オレは無神論者だ。」

「そう言うと思ったわ。じゃあお前は信じれるものはあるのか?」

「信じれるもの…か、そりゃある。」

「まじかよ!?」


武田はオレの言葉が意外だったのか携帯から目を話してオレを見る。オレにだって信じれるものくらいあるわ!だが答えるのがめんどくさいので話題を変える。


「それより武田、アレからもう二年か。」

「そうだな。遅いようで早かったなぁ…オレらもう三年生だぜ?」

「思えばアレがすべての始まりやなぁ。」


----------------------------------------------------------------------------------


「おはよう。」

「よぉ。」


入学式が終わって半年が過ぎ、大学にも慣れてオレは普段通り友達とあいさつを交わして空いている席へと座る。


「あ~今日佐々原の授業だよ。めんどくさ~い!」


そう言ってオレに一番に話しかけてきたのは先ほどあいさつを交わした久瀬くぜはるみだ。


「まぁあの先生聞くだけで良いんだから。」

「だって眠くなるじゃん。どうせなら黒板に書いてほしいよ。」

「だよなぁ…オレも眠気に負けそうや。」

「お前はいつも眠気に負けて寝てるだろうが。」


ダルそうな声をだしながら武田も話の輪に加わる。しばらくしてから続々と大学生で席が埋まる。そろそろ授業も始まる頃だろう。今先生も資料を持って教室に入ってきた。


「ほら静かに、出席とるよ。」


そして先生が喋りだして授業が始まる。そのはずだった。突然十数人の黒い服を着た人達が教室に乱入してきたのだ。黒い帽子に白いマスクの姿でドカドカと先生に近付く。


「な、何なんですかあなた達は!失礼にもホドが…っ!?」


当然先生もそんな怪しい集団に注意をしようとするがその言葉が途中で止まる。先頭の男が胸ポケットから何かを取り出して佐々原先生に向けたからだ。そしてその正体は黒光りする銃だった。


「おとなしくしろ。そうすれば危害は加えない。」

「そんなオモチャ…」


パンっ!と小さな破裂音がした。すると先生の横にある机に何かが当たったような丸い穴ができた。


「「「「・・・・・・・」」」」


一瞬の静寂、だが次の瞬間にはそれが悲鳴に変わった。


「うわぁーーー!?」

「ほ、本物!?」

「きゃーーーー!?」

「騒ぐな!デカイ声を出すと撃つぞ!おい。」


先頭の男が仲間と思われる後ろの二人に何かを促すとその二人は頷いて教室の入り口と出口に立った。その手には男と同じように銃が握られている。それを確認した後で男は真ん中で声を出した。


「ここはオレ達夜明けの光が占拠した。さっきも言ったように大人しくしてくれれば悪いようにはしない。事を成されたら解放する。だが暴れたり逃げようとしたりする者は…悪いが死んでもらう。」


男の声に教室にいる全員が静かになった。それを確認すると男は電話を取り出す。


「もしもし、予告通り大学は占拠した。これから用件を言う。今から二十四時間以内に藤重首相並びにその官僚は全員辞任しろ。さらには現在服役している東條とうじょうまさるの解放。そして食糧と後は逃走用の車だ。そうすれば人質は無事に解放する。以上だ。」


男は電話を切る。切った後に近くの椅子にドカッと座った。最悪だ…よりにもよってオレの座っている二つ前の席に座りやがった。


「ッチッ!どうやらポリ公が来たみたいだぜ?この様子だと特殊部隊もくるかもな。」


窓の外からサイレンの音が聞こえる。どうやら誰かが通報したらしい。男の仲間が舌打ちする。


「どの道くることに変わりはないんだ。食糧と車が届いたらすぐに人質を解放してズラかるぞ。」

「ねぇ…本当にこれで良いの?」


マスクと帽子で良く分からないが声からして女性だろう、もう一人の男の仲間が戸惑いながらもリーダーと思われる男の会話に口をはさむ。


「上野、すでに実行したんだ。今更計画は変えられない。それに…これからの日本のためだ。」

「えぇ…そうよね。」

「あ、あなた達はどうしてこんな事を…」


オレはつい口に出してしまった。横の武田と久瀬も何をしているといった様子の顔でオレを見る。


「おい!勝手に喋るな!!」

「武田、良い。お前中々の度胸があるな…良いだろ。教えてやる。」

「真田っ!?」


友則と同じ武田と呼ばれた男は渋々ながらも銃を降ろす。なるほどリーダーは真田というのか。オレはなぜかこんな事態にも冷静な自分がいる事に驚きを覚えた。


「お前は今の日本をどう思う?」

「はっ?」


オレは真田の質問に一瞬時が止まってしまった。今の日本?そりゃあ…


「腐ってると思います。」

「ほぉ…そりゃどうして?」

「政治家の汚職、精神異常者の殺人の増加、そして自殺の増加と貧富の差。全てにおいて日本は傾いてきてる。」

「なるほど。お前おもしろいな。」

「そりゃどうも。」

「でだ、ぶっちゃけ言っちまえば今の日本は腐っちまってんだ。知ってるか?軍や警察の上層部も他国に賄賂やら売春やら色々法に触れることをしてんだぜ?さらに言えば国の邪魔と判断された奴を平気で消してる。もちろん非公式でな。表向きは事故死といった所か。」


オレはそれを聞いて驚いた。まさかそこまで腐っていたとは…


「別に売春もそれをしなきゃ生きれない奴もいるから否定はしない。だが人を殺してのうのうと生きてやがるのは許せない。だからオレは立ち上がったんだ。」


こいつらもな…と後ろにいる人達を指さす。


「それにオレ達は政府の機密事項を握ってる。もし政府が平和的に話し合いで解決するつもりならまだ日本にも未来はあると思ってる。」


真田は熱く語る。だがオレは一つ疑問に思った事があった。


「あなたは…政府を信じているのにその政府に犯行したんですか?」


沈黙が空間を支配する。オレは聞いてはいけない事を聞いてしまい殺されると思った。だが予想外に真田は大声で笑い出した。


「ハハハハハッ!!やっぱりお前気に入ったわ!」


一定時間真田は笑った後、オレに向き直った。その後の言葉は…


「あぁ、オレは政府を信じてる。だからこそ今行動を起こしたんだ。」

「…オレには分かりません。」

「今に分かるさ。」


オレと真田は見つめ合う。その瞬間パリンッと窓が割れて何かが転がってきた。それは・・・


催涙弾さんるいだん!?全員目をつむ・・・」


爆発音とともに周りが白い煙で包まれた後、突入!の掛け声と共にドタドタっと大人数の足音が部屋に聞こえてきた。


「くそがぁっ!?」


武田が持っていた銃を乱射する。白い煙で周りが見えず。さらに目が死ぬぐらいの激痛がするためおそらくみんなが右往左往に逃げ回っている。


「アグァッ!?」

「ギャアッ!?」

「キャーッ!?」


まわりは阿鼻叫喚。オレはやっとの思いで外へと出た。そして涙の出る目で信じられないものを見た。


「なんでっ…」


警察が民間人である大学の生徒まで撃っていた。外に避難した生徒が警察の人の銃によって血を出しながら倒れていく。


「オレ達は生徒なんだぞ!?」

「やっぱり政府はオレを裏切ったか…」


オレが後ろを見ると集団のリーダー、真田が立っていた。腹からは血が流れて腸やらなんやらが見えてしまっている。


「おいそこの青年。…オレの信じていたモノはこの有り様だよ。やっぱり・・・」


どこから放たれたかも分からない銃弾が真田を貫く。


「おいっ逃げるぞ!警察の奴らオレ達まで殺す気だ!?」


後ろで武田がオレの腕を引っ張って走り出す。後に徳山大学立て篭もり事件と呼ばれるこの場からオレと武田はからがらと逃げ出した。


-------------------------------------------------------------------------------


「懐かしいなぁ。」

「思えばあの時からオレ達ずっといるよな。」

「あぁ…本当にやるのか?」


武田が聞く。その声からは明らかな恐れが混じっていた。


「お前は抜けても良いんだぞ?」

「オレだけ仲間はずれって勘弁してくれ。」


オレが武田に聞くと武田はそう言って笑った。こいつは会った時から少しも変わらないな。


「んじゃ授業始まるしそろそろ動きますか。」

「了解。」


そしてオレと武田は同時に鞄から黒い物体を出す。そして口を上に向けて引き金を引いた。


「みなさん、ここはオレ達が占拠しました。」


そしてオレ…オレ達はテロリストになった。

さて…一応「結果」をテーマにしたものですが・・・ぶっちゃけ意味がわからないですねスイマセン。

さて久しぶりの投稿ですがやっぱり短編は書くのが楽しいですねぇ~さてさてまたどこかで会うことを、そしてあなたの信じたモノの結果がハッピーエンドでありますように・・・

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