異世界転移したら和風っぽい世界観だった〜くぉんやぁく、はぁあきぃい〜〜
目の前が白くなった。
貧血かと疑った。
目の奥が潰されるような圧迫感。
……感覚が元に戻る。
洗練された調度品と座り心地の良さそうなソファ。
それだけじゃない。
宮殿のパーティーのように、色とりどりのドレスを着飾った若い女性たちとタキシード姿の若い青年。
うん、中世ヨーロッパな世界観……
な の に!
顔立ちは親近感を感じる。
あっ思い出した。
弥生人。いや、平安?
眉毛が楕円形の海苔をつけたような抜け感がある。
私は周りを観察するのに夢中になっていると、部屋の奥で声が上がった。裏声のようにひっくり返った声。
「さぁ〜くぅ〜らぁ〜の、き〜み〜」
頭が意味付けしようと必死で動いている。
(わかったぞ! 桜の君か……中世ヨーロッパで桜の君?)
私の足は考える間もなく声の主に吸い寄せられていく。
「くぉんやくぅ〜う〜」
サイレンのように“う”の音が下から上へ、また上から下へと戻ってくる。
「をはぁあきぃい〜……」
静寂が訪れた。
(まだ途中じゃなかったか? いつの間にか言い終わっていたのか?)
「すぅ〜」
「るぅ〜」
声が途絶えてから少し経つとようやく、その口上の男の周りのギャラリーが神妙な顔をして頷き始めた。
私は周りを見てこれが現実なのか受け入れがたい。
「ひぃ〜〜〜〜」
高い声。終わらない。
「どぉ〜〜いぃい〜」
また声が途切れた。
私は気まずさに指をいじる。
でも息は止めたまま。
「わぁ〜……ぁあぁ〜」
と、ここでなぜか周りの視線を浴び始める私。
なんだか嫌な予感。
全身の毛が逆立っている気がする。
桜の君の視線が怖すぎる。
呪い殺されそう。
「もぉ〜しぃ〜かぁ〜」
かなり巻きのスピード。
私は手を横に振りながら声が揺れる。
「もしかしない。違う、違う」
「しぃ〜」
心臓が大きく鳴ったまま。
(あっまだ息止めてた)
「てぇ〜」
『確実に誤解してるじゃん』
あっもう息が続かなくて声が出ない。
目の前が白くなった。
……あ。
気絶する前に、最後に聞こえた。
「でぇ〜はぁ〜……
つぅ〜ぎぃ〜はぁ〜……
そぉ〜なぁ〜たぁ〜のぉ〜……
じぃ〜こぉ〜しょぉ〜かぁ〜いぃ〜……」
作者はすごく楽しく書きました(笑)
みぃ〜なぁ〜さぁ〜まぁ〜……
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
良いお年を!




