6話
※5話とは話が変わります。
「今誰かアタシの話したか?気のせいか。」「ほら、速く行くぞ。」2人は魔界の賛成派のアジトの前まで来て、見張りに事情を話す。
「なるほど、とても頼もしい…案内します。」2人はアジト内に案内され、賛成派のトップである魔族のいる部屋に入る。「よく来てくださいました…ラーク様アカイ様。トップを務めさせて頂いています。ダーマと言います。」
そこにいたのスーツを姿の落ち着いた様子の魔族だった。魔族の中でも特に上位に君臨する存在であり、その力も強大なもの。「……(こいつ単体で潰せそうだが…一体なぜ?)」ラークは疑問に思いながらも話を聞くことにする。「私も一応力を持っています。ですが、反対派の勢力はとにかく数と質があり、私一人ごときでは良くて勢力を少し減らすことができるくらいなんです。」
「はぁー…そんな強い奴がいるのか?」アカイは気になって訪ねてると、ダーマは頷き答えた。「はい。賛成派は私のような魔族が数名ほどしかいません。ただ、反対派には……数十名います。」2人は少し驚いたが、即座に冷静さを取り戻し神獣達にその情報を共有した。
「なるほどね、だから賛成派が圧倒されているわけだよ。」神獣の1人ブラッフがそこで立ち上がるように浮き上がった。真剣な様子で「封印が解けたな…」と小さな声で呟いた。
次の瞬間、魔界、天界、人間界に大きな揺れが生じた。まるでなにかが目覚めたように…中心部では守護者では無い神々しい人物が立っていた。「どこだ争いをしているのは…また魔界か…」その人物は浮き上がりものすごいスピードで反対派の基地に向かっていった。
その速さは恐らく光速を超えていると思われる。魔族と悪魔達は未だ彼の存在に気づいておらず次はどう賛成派を無力化するかの作戦会議をしていた最中だった。反対派のアジトは強固な素材や耐震性が強い素材で構成されているため、揺れを感じなかったのだ。「強固なもので作られてるが、この程度、簡単に破壊できるな。」その人物はアジトの1部を破壊した。
この破壊による衝撃で、アジト内にいる魔族と悪魔、見張りをしている魔族と悪魔全員が気づき即座に戦闘態勢に入る。しかし相手は平和の神とはいえ強力な存在であるため、反対派は全く手も足も出ずに敗北の運命を辿るしか無かった。平和の神により反対派更に行動が制限されるため侵攻を諦めトラブルや争い事を起こさないということを約束した。
その様子をnullという邪神が見ていた。唯一滅ばなかった神であるが、その力は神々の中でも最弱に等しく魔族や悪魔、天使などには勝利することができるが五大神獣の中でも1番下のファントムに苦戦するなどあまり強くは無い。以前まではアカイやラーク相手に余力を持って勝利できていたものの、2人が遥かに強くなってしまったため最弱の邪神という名称をつけられてしまった。
しかし、最弱の邪神の名称に反して耐久力や生命力は神々の中でもトップであり今まで神々がnullの消滅を何度も試みても、神々が謎に消滅した時も耐え抜いて生き延び今も存在している。尚、最弱の邪神と言われているが別名で不死身の邪神や不滅の神とも言われている。
「おい、平和の神。こいつらが何をした?お前が動くんだ、それほどのことをしたんだろうな」「自分の欲で天界、人間界に侵攻をしようとし、条約が結ばれたにも関わらず認めずに争いを続けた。」nullは呆れた。魔界は強欲な者が多いとは知っていたが、ここまでとは思ってもいなかったのだ。「呆れる、やはりあの時魔界ごと破壊しておくべきだった。」
「最弱の邪神と言えど、それほどの力はあるだろうからな。しかし行えば賛成派などという善良な者達までも被害を受けていた。破壊していなかったのは間違ってはいないだろう。」nullはもうとことん魔界に対しての思いが悪くなり、自身の創造したDarkVerseという領域へと帰還する。また、平和の神も天界へと帰還する。