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幽霊屋敷の公爵様

何年も温めていた心霊ものなのでシリーズ化したいと思い綴り始めました


霊には成仏出来ない理由がある…


真実を追い求める心霊研究家のシニカルでクールな田峯弘樹と霊感の強いブラコンのアナウンサー大沢鳩代が霊たちと出会い彼らの過去の真相を暴いていく




ここか…


心霊研究科の鳩代は神奈川県のF市で有名な幽霊屋敷に足を踏み入れようとしていた



「入る前から真っ青だな…君は外で待ってたら? 腰でも抜かされたら足手まといだから」



真実を追い求める心霊研究家の田峯弘樹(みねひろき)は覚めた眼差しで鳩代を見下ろす


「バカにしないでよ、私を誰だと思っているの? 霊能者の大沢祐樹の妹よ。物心ついた時から幽霊なんて見慣れているわ」


「はいはい、きみのブラコン自慢は耳凧だよ」



2人は心霊番組「田峯弘樹スペシャル」で最高視聴率を誇るメインパーソナリティである


鳩代は平凡なアナウンサーだったが兄と同様に霊感が強い為に自然と心霊系の仕事が多く昨年から田峯と組んで企画した心霊番組が心霊マニアに大好評で今ではシリーズ化され週1で心霊スポットに突入し、視聴者の心霊体験動画や心霊写真、ゲストの実話怪談などの他、番組あてに贈られたメールを採用された


視聴者には豪華なグルメセットをプレゼントするという太っ腹な番組を受け持っている


まったく! こいつ本当に感じ悪いったら…


「では…行きますか…」


屋敷の門をくぐると侵入者を拒むように重苦しい雰囲気が漂っている


「なるほどな…夜な夜な聞こえるうめき声に近隣が怯えてありとあらゆる霊能者や心霊番組が障りを恐れてギブしただけのことはあるな」


「面白がってない? 霊が聞いたら怒るわよ…」


「失礼します、場を荒らすつもりはありません。番組での取材に立ち入るのでお許しください」


田峯は霊に敬意を表して断りを入れる



出ていけ……



地獄の底からうめくような声が語り掛けてくる



我に何の用だ…



「霊気は二階からだな…」



「とにかく上がってみましょう」



何者かの声を聞いた途端に鳩代は不思議と恐怖感よりも好奇心が勝っていた


2人は階段を上がると踊り場で足を止めた


大きな肖像画に身分の高そうな貴族らしき美丈夫と貴婦人が描かれている


綺麗なひとご夫婦…かしら



その女は…私を裏切った…



貞淑な仮面の下で若い男と逢瀬を重ね舌を出していたのだ



おおおぉぉぉぉぉぉぉ…



なんて悲しそうなうめき声なんだろう


鳩代は足早に階段を上がると霊気の強い部屋のドアを開ける


ギイィィィ…


古びたソファに中世かと思われる衣装に身を包んだ長髪の美丈夫が真紅の瞳に怒りをあらわにして座っていた


「こんにちわ。断りもなく足を踏み入れるご無礼、お許しください…あなたは肖像画の方ですね?」



如何にも…貴様…私が怖くないのか…


「ぜんぜん」


躊躇なく答える鳩代を田峯は呆然と見ている



変わった女よ…



「よろしければ…詳しくお聞かせ願えませんか? あなたを裏切ったというご婦人のことを…」



鳩代の質問に



聞いてどうする…



「力になれるかもしれません」



田峯ったら、そんな安請け合いして何、考えてるのよ…



田峯の言葉にピクリと眉を動かし美丈夫は鋭い眼光を向ける




我が名はフィリップ公爵…妻のモーリを愛していた…



「教えて下さってありがとうございます。僕は田峯弘樹と申します」


「私は大沢鳩代です。フィリップ公爵」



よかろう、田峯とやら…力になれなければその時は…2人とも無事にここから帰れないと思うがいい



えええぇぇぇぇぇ(鳩代の心の声)



フィリップ公爵は瞳を閉じて語り始めた



あれは可愛い女だった




純真で素直で…人を疑うことを知らない天使だった…いや、天使のフリをした小悪魔だ!


公爵の手にポトリ、ポトリと血が落ちる


え…血の涙……




何故かわからないけど…胸が痛む…この公爵様、可哀想…


妻を思い出し血の涙を流しながら語る公爵から鳩代は目を離せない



「奥様が裏切られた…とおっしゃいましたが…その、浮気の現場を実際にご覧になられたのですか?」



田峯、Good job そこは大事よね



現場だと?


は! そんな汚らわしいモノは見ておらん


え? ちょっと待って…確かな証拠もないのに奥様を疑ってしまったわけ?


「私の忠実な家臣がモーリが若い男と隠れて逢っていると…その男の手を握り潤んだ瞳で見つめていたと言ったんだ」


「あれは私が誕生日に贈ったイヤリングを失くして探していた…それを見つけて届けにきたのは誰だと思う? その若造だぞ」


「失礼ですが…公爵、あなたの忠実な部下とやらに騙されたのではありませんか?」


「そんなことはあり得ん! あいつは私の為なら命をも預けると誓いの盃まで交わしたのだぞ!」


「確かに…彼はあなたを愛していた…恋の相手としてのようですが…」


な…!! それはどういう意味だ!


田峯は常に持ち歩いている水晶玉を取り出すと公爵の過去を映し出す



「では侯爵…真実をご覧ください」




to be continued


この作品を読んでくださりありがとうございます


鳩代と田峯は長年に渡り妄想にいた存在なのでキャラクター設定もぶれず一人歩きしています


エピソードが多々ございます故…最終回への道のりは果てしなく遠いいものになりそうですが呆れずにお付き合い頂ければ光栄でございます




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