縮まった距離
「フランクにですか?」と私が聞き返すと、
「そう、出来ればフランクに接して欲しいんだよね。そっちの親しみやすいしさ。今日短い時間だけど一緒にいたんだ。もう他人って訳じゃないじゃん?」と言ってきた。
……なるほど?と少し疑問に思ったのだが生徒会長は人との距離が近いのだろう。さっき一緒にいた紗綾さんとの距離もかなり近かった気がする。だったら、
「わ、分かりましたフランクに接しましょう❗️」と私が言うと、
「うんじゃあ宜しくね。欄ちゃん。」といきなりめっちゃ距離を詰めてきた。しかし別に悪い気はしないので、
「ハイ❗️宜しくお願いします。えーと」元気よく返事をしたのはいいが私、会長の名前知らない。どうしよう❗️と思っていると、
「司。俺の名前は神羅 司。」と生徒会長が答えてくれたので、
「えーともう知ってると思いますが、私は、夜神 欄です❗️改めて…」とそこで私は少し考えた。会長の事をなんて呼ぶのか。生徒会長は3年生で年上だ。だから普通なら敬語を使うべきなのだが会長はフランクに接して欲しいと言ったのだ、だったら
「宜しくね司くん❗️」と言うのだった。
すると、「うんうん。やっぱそんぐらいが気軽でちょうどいいや。アイツもいい奴らだけど、俺の事を慕い過ぎてるからこんな感じには接してくれないから助かったよ欄ちゃん」と司くんは言った。
アイツら?と言うのはいったい誰だろう?と思っていると、ぐぅぅぅとまた私のお腹が鳴ってしまった。
「さてとじゃあ俺はそろそろ帰るから。またね。欄ちゃん」と司くんは帰って行った。
……恥ずかしい❗️またお腹の音を聞かれた❗️これで2回目だ❗️とかなり恥ずかしい思いをしてしまった。
……お腹減ったし司くんがくれたお弁当食べるか。私は誰もいない家に入っていった。
そして、
「は?何これ?」私は司くんから貰ったお弁当を見て驚愕していた。
え?何この高そうなお弁当?え?え?このお肉とか何?何でお弁当に伊勢海老とか入ってんの?私がこんな高そうなお弁当本当に食べていいの?と思ったが空腹に勝てなかった私は、食べてしまった。
そして、
「え、何これ?」こんなに美味しいものがこの世に存在していいのか?私は余りの美味しさにリアクションを取ることすら出来なかった。
そして、一瞬で食べ終わってしまった。本当に一瞬だった。余りの美味しさで手が止まらず気づいたら無くなっていた。本当に美味しかったな。と思い、
司くんにお礼言わないとな。と改めて感じた。
なので、「明日司くんにお礼を言いに行こう❗️」そう決めた私は、司くんから貰った食べ終わった弁当箱を綺麗に洗って、明日も学校だしお風呂に入って寝るか❗️
と言う事で私はお風呂に入り寝る事にするのだった。
あーなんかイライラする。あの夜神欄とかいう総長に色目使ってないだろうな。私の総長になんかしたら絶対に殺してやる。てか何で総長もあんな女に優しいんだよ。あんな女なんかより絶対私の方が総長の事を理解してる。
総長と別れた後、私は週一で通ってる道場で稽古をしていた。しかしあまり総長の事を考えるとどうもやる気が出ない。……まぁやる気が出ない理由はもう一つあるんだが、
バゴーン‼️私は組み手相手を蹴り倒した。これでもう20人目だ。「もっと強いのはいないんですか?この程度じゃ練習にもならないんですけど?」と言うと、
「もっと強いのって伊吹十段からしたら、俺達なんて全員雑魚だろ。そもそも何で練習なんかにきてんだよ。」とぼそっと言う声が聞こえた。
「あ?練習しないと技が錆びついちゃうから練習するんですよ。まぁでも貴方達みたいなゴミ相手に私が技を使う事なんてないから結局私の技が錆びついちゃうなー。」と言うと、
「オイ❗️調子に乗るなよ‼️クソガキが❗️」と私に襲い掛かって来たが、私はその男を蹴り倒した。そして、「その程度の実力で私に向かってこないで下さいよ。マジでイラつくんで。」とトドメの踵落としをしようと構えたら、
「そこら辺しとけよ紗綾。」と総長が止めてきたのだ。
「総長❗️分かりました。こんなゴミ共に構うのは辞めます❗️」と私が総長の方に近づき、
「ところで総長?どうしてここに?」と聞くと、
「なんでって、欄ちゃんはもう家まで送って、時間があったからこっちに来たんだよ。これで最初の約束どうり2人で帰れるぞ。」と言ってくれた。
嬉しい❗️総長が私との約束を守る為にわざわざ道場にまで迎えに来てくれた。……うん?欄ちゃん?……は?
私が総長に欄ちゃんって何ですか?と聞こうしたその時、
「いい加減にしろよクソ女❗️師範の友人の娘かなんかしらないが調子に乗りすぎだぞ❗️そもそもお前みたいな女が十段って言うのが納得出来ねぇ❗️どんなイカサマしやがった❗️金かそれとも体でも売りやがったのか❗️」と誰かが吠えた瞬間、
「今なんて言った?」と総長が吠えたであろう人物の首を絞めていた。
そして、
「紗綾は俺の大切な右腕だ。その紗綾を貶すとか死にてぇのか?」と更に力を込めた。ソイツは既に気を失っているが、
「後テメェ紗綾の十段が納得出来ないとか言ってが、馬鹿か?今、格闘家は実力に応じて評価されるようになっている。一昔前なら十段になるにも色々と条件があったが、今は完全に実力で決められる。だから紗綾の十段は妥当なんだよ。分かったかゴミが?」そう言って総長は男を投げ飛ばして、
「紗綾ここの道場は駄目だ。今度から練習するなら俺の家の道場を使え」と言ってくれたので、
「分かりました❗️」と元気よく返事をするのだった。