帰り道
という事で私は、生徒会長と紗綾さんと一緒に帰る事になったのだが、
「あっ❗️総長すいません。私、今日道場での練習があるんでした。一緒に帰ってくれるって約束してくれたのにすいません❗️」と言って早々に別れてしまい今は、私と生徒会長の2人だ。
ちなみに別れる際に紗綾さんから、「総長に変な事したら殺しますからね。」と念押しをされた。あの時凄い怖かったなーと私が考えていると、
「さてと。あんまり帰りが遅くなると、夜神さん家の人も心配するだろうから急がないとね。」と言いながら、生徒会長はバイクを持って来た。
「生徒会長これってバイクですか?」と質問した。
何故私がこんな質問をしたのか。それはこんなバイク見た事がないからだ。別に私はバイクに詳しい訳じゃない。ただ友人の1人がバイクが好きで良くカタログなどを一緒に見ているから少しは知ってるのだがこんなバイク見た事ないのだ。なんて言うかゴツい?鬼を連想させる装飾の施されたバイク、正直これで道路を走っていいのか?と疑問が出るようなバイクだ。とそんな事を思ってると、
「あーこれね。一応バイクだよ。世界に一台しかないバイク、百鬼夜行モデルIII。」
へぇ世界に一台しか無いって凄いな。名前はかなり変だが世界に一台というのは凄いなと素直に感心していると、
「名前ダサいでしょ?」
と生徒会長が言ってきたのだ。自分でも思ってたんだと思ったがダサいですと言うのは失礼な気がして私が苦笑いしていると、
「まぁ後ろに乗りなよ。家まで送って行くから。」と生徒会長は私にヘルメットを渡してきた。
私がヘルメットを被り、生徒会長の後ろに座ると、
「じゃあこれから夜神さんの家まで送って行くから、道案内宜しくね。」と言われたので、
「あっ、ハイ。」と答えた。
そして、15分ほど生徒会長のバイクに乗り、私は自分の家から最寄りのコンビニに着いた。
何故家じゃなくてコンビニに止まってもらったかというと、私が料理を作れないからだ。
私の家は、仕事で滅多に家にいない、大好きな姉と女の家を転々として働かない、大嫌いなお父さんとの3人暮らしだ。母は昔事故に遭って亡くなったと父から聞かされており、いない。そんな家だから、家に帰ったらご飯があるはずもなく、自分で用意しないといけない訳なのだが、いかんせん私が料理が下手で、毎日スーパーで惣菜などを買って、済ましているのだが、今日は不良に襲われ、夜が遅くなり、スーパーが空いていないので、コンビニ弁当で済まそうと思ったのに、
「な、何も無いよ〜。」そう何も残っていなかったのだ。何故かコンビニには弁当どころかおにぎりやパン何一つ置いていなかったのだ。
その様子を見ていた、生徒会長は、「えーと夜神さん大丈夫?」と聞いてきた。
大丈夫では無いがこれ以上生徒会長に迷惑を掛ける訳には行かないと思い、
「全然大丈夫です❗️」と言ったのだが、お腹がグゥゥウとなってしまったのだ。恥ずかしい❗️と思っていたら、
「えーと良かったら何だけどこれ貰ってくれない?」と生徒会長が何か私に渡してきた。
私が、「これは?と疑問になりながら生徒会長から受け取ると、
「それはお弁当。いや俺って結構食べる方でさ、夕方になるといつも使用人が弁当学校に持ってくるんだけど、今日は、ちょっと忙しくて食べれなかったんだよね。だからもし夜神さんが何も食べる物が無いなら貰って欲しくてさ。」と言ってきたのだ。
うん?使用人?なんか聞きなれない言葉があったが流石に申し訳ないので断ろうと思ったのだが、空腹がキツかったので、
「えとじゃあ頂いても宜しいですかね?」と私が言うと、
「貰ってくれてありがとね夜神さん。」と私は貰う側なのに生徒会長がお礼を言ってきたのだ。私は、
「そ、そんなお礼なんて言わないで下さい。むしろ私がお礼を言わないといけないです。ありがとうございます❗️」と言うと、
「うーんそこまで言われるならどういたしまして。じゃあもうそろそろ家に帰ろうか。明日も学校だし。」私は残り5分も掛からない自宅まで送って貰った。そして、
じゃあ夜神さんもう時間が遅いから明日は遅刻にしないようにしてね。」と言い、私は自宅に送り、すぐ帰ろうとしたので、
「あ、あの生徒会長❗️今日は本当にありがとうございました❗️不良からは助けて貰い、わざわざ家にまで送ってもらって、そして夕食まで貰ってそ、その今度何かお礼をさせて下さい❗️」と言うと、
「あはは。お礼なんて気にしなくていいよ。俺は生徒会長なんだし困ってる生徒がいたら助けるよ。」と言ってきた。
でもこんなにお世話になったのに何もお返ししないのはと思い、「あの私何でもします❗️」と意味の分からない事を言ってしまった。すると、
「夜神さんは女の子なんだから何でもするとか言っちゃ良くないと思うよ?まぁでも夜神さんがそんなに言うなら、一つお願いしてもいいかな?」と言ってきた。
お願いいったいなんだろ?と思ったが「私に出来る事ならします。」と返した。そして生徒会長はこう言うのだった。
「お互いもうちょいフランクに接しない?」