夏のホラー2020、初回掲載8/16②
●作品268
トラベラー・イズ・ダイ 奇妙な駅と赤い影 挿絵あり
作者:あしかが
短編
8,714文字
内容
ひとつの生を終えて、次の生へと乗り換える駅につく
感想
スプラッタタグあり。カニバリズム注意。前書きに残酷挿絵に関する注意書きあり。後書きにもありますが、乗っ取り系SFホラーです。このジャンルはホラーとSFの境界が曖昧ですが、作者はホラージャンルと判断したようです。
クラシック風味で少し哲学的な、意識の流れ系小説でした。
余談
たいへん寡作ながら、現在も活動がある作者のようです。
●作品269
戻らない日常
作者:水無 枯山水
短編
1,722文字
内容
コロナ禍のラッシュ時、駅でマスクをしていない女がいる
感想
ゾッとしました。気づいてしまうと日常が変わる。ホラーはこのテーマにぴったりなジャンルですね。
余談
この方もゆっくりペースで活動を続けておられる様子。
●作品270
最期電車
作者:不立雷葉
短編
6,358文字
内容
疲れ切って、ホームで居眠りをしてしまう。目が覚めた後で旧友と思いがけずに再会した。
感想
悲しいホラーなのですが、じんわりと心温まる作品でした。
●作品271
廃駅
作者:レエ
短編
3,096文字
内容
鉄道旅行の途中駅で怪奇現象に遭遇する
感想
怖い!ハラハラしました。はっきりとした怪奇と、不審な同乗者と、不可思議な舞台。秀作鉄道ホラーだと思います。
●作品272
イ国シ寸の化け物
作者:夏生ナツノ@ホラー短編連作書いてます
短編
2,336文字
内容
道に迷って読めない字の駅に辿り着く
感想
文字化け風異界ホラー。理性ある存在同士の場合、いつかは分かり合えるのかもしれません。
今回はここまで
今回分は、ものの見方に関するホラーばかりでした。少し考えさせられる作品も。
昨日に続き、コロナとマスクの作品が。これを読んで思い出した恐怖体験があります。
一年位前、電車に乗ってきたノーマスクカップルが大声で「マスクするやつは頭がオカシイ」と叫び続けるという事態を体験しました。幸いラッシュの鮨詰め車両ではなかったので、みんなそそくさと車両を移動しました。考えてみるとコロナ禍では、この他にも駅周辺でリアルサイコホラーみたいな体験を結構しております。
お読みくださりありがとうございます
続きます




