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副作用

作者: さもん

 「先輩、私実は・・・」。

 唐突に屋上に呼び出されたかと思えば、いきなり右手を強く握られる。顔が近くて彼女の荒い息遣いまでもが聞こえる。年齢=彼女なしの僕にも高校3年生にもなってようやく春が訪れたようだ。僕は握られた手に応えるようにして手を強く握り返す。白くて細い華奢な手を傷つけてしまわないか少し不安だ。

 「じ、実は・・・」。

 彼女の伝えたいことを大体察しながらも僕は息をのむ。言いづらいのだろう、唇が震えている。彼女の気持ちを確かめたいけど、見守るのは彼女に告白を強要することになるのではないのだろうか。俯いている彼女の頭を優しく撫でながら

 「○○、僕も○○のことずっと好きだった(イケボ)。頼りないかもだけど良かったら僕とお付き合いして下さい!」。

 そう言って頭を下げる。決まったな、僕は妖しく笑みを浮かべる。男とは女をリードする生き物。南極にいる皇帝ペンギンのオスもリードするオスが種を繫栄するという。(諸説あります。)表情を整えて彼女の反応の確認のため頭を上げる。おそらく感激のあまり声を殺して泣いているだろ・・・u?。そこには泣くどころか僕を軽く引いている彼女がそこにいた。


 「せ、先輩、勘違い、ですか?きも」。 

 えええええええええええええええええええええええええええええええええ??????????さっきの青春な雰囲気はどこにいったのやら、空気が凍てつき冷や汗が止まらない。お、落ち着け。まず状況を整理しよう。まず僕は放課後の屋上に呼び出され、情熱的なアプローチに僕から告白。うまくいったと思いきや軽く引かれる。

・・・えっと、つまりどゆこと?意味わかんないんですけど。僕のこと好きじゃないの?彼女に疑問の眼差しを向けると白い目で見られた。

 「先輩、私実はワクチン打つとき副作用が怖くて、先に打った先輩に副作用のこと聞こうと思ったんですけど・・・」。

 ワ、ワクチンッ??

 「じゃ、じゃあつまり僕は勘違いして告白したの?」。

 「そ、そうなりますね」。

・・・完全にミスリードなんですけど。な、なにが種の繁栄だよ!おまふざけんなよ!なにか、僕には飛べない鳥らしく失墜しとけってこと?や、やかましいわ!黒歴史確定演出なんですが、

 「でも、先・・・・ちは少し・・・ったです」。

 少し間があったがなにか言ったみたい。声が小さくてあまり聞こえなかった。 

 「ん?なにか言った?ごめん聞こえなかったよ」。

 彼女は顔を赤くして

 「せ、先輩の気持ちは少し嬉しかったですって言ったんです!!!!」。

 「これで聞こえましたか?もう次は言いませんよ!!」。

 耳のすぐそばで叫ばれた。すごくきーんってするんですけど。でもちゃんと聞こえた。彼女は満更でもなかったらしい。今ならい行ける気がする。Finish her !ここで決める!

 「○○!ぼ、ぼk」。

 僕が言い切る前に彼女は屋上から逃げ出した。大きく音を立てて屋上の扉が閉まる。開いていた口をぎゅっと紡ぎ、少し微笑んだ。帰るか。屋上の扉のドアノブに手をかけ、振り返ってみると今日は一段と世界が美しく見えた。

こんにちは!さもんです。読み切りタイプを初めて書いてみました。初めてなので少し短めに書いてみましたがどうでしょうか?まあ初心者なのでミスってても大目に見てください。あとこの話、後輩ちゃんの名前が思いつかなかったので適当に〇〇ってしてみました。良ければ読者さんの好きな子の名前でも入れちゃって下さいw。最後にこの話を読んでいただきありがとうございます!他にも現在連載中の「絶対に異世界転生させたい女神のお話」などいろいろ書いてます。良ければそっちもよろしくお願いします!ちなみにワクチンのことは触れないでおきますw。以上!

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― 新着の感想 ―
[一言] 男の子の早とちりようが可愛らしかったです。 その後、彼女と上手くいけば良いなぁと密かに思ってます。
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