表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

春の陽

 春になって桜がまんかいになったころ、春陽(はるひ)くんは小学生になりました。

 春陽くんは雪だるまのことが気になって仕方がなくて、入学してすぐの土曜日に再びおばあちゃんの家に行きました。

 かっこいい自慢のランドセルをだいじにかかえて春陽くんはワクワクしながら車に乗っていました。

 おばあちゃんの家についてまっさきに庭に走っていくと、そこに雪はなく土と新しく顔を出した草たちだけでした。

 雪だるまがいつもいた場所に行くと、顔を作っていた小石と手足にしていた木の枝が落ちていて、そのすぐ近くには一輪の小さな花が咲いていました。

 するとおばあちゃんが家から出てきて春陽くんが雪だるまにあげたマフラーとてぶくろを持ってきてくれました。

「これ、前に来たときおいていったでしょう。庭におちていたから、きれいに洗っておいたよ。マフラーもてぶくろもなくて寒かったでしょう」

 思えば春陽くんは東京の家に帰ってからもずっと雪だるまのことを考えていて、マフラーも手袋も雪だるまにつけてあげて自分が寒いことなんてすっかり忘れていました。

「ううん。寒くなかったよ」

「そうかいそうかい」

 おばあちゃんはニコッと笑って家に戻りました。

 マフラーとてぶくろをぎゅっと抱きしめると、雪だるまとあそんだ日々を思い出して、むねがポカポカしました。

「また来年もいっしょにあたたかいを探そうね」

 暖かくなった風が一輪の小さな花を揺らしました。


[完]

お読みいただきありがとうございました。

童話ということで、初挑戦でした。


普段と違った文の書き方をしてかなり苦戦しましたが、書ききれて良かったです。

皆様もお体に気をつけて、良い冬をお過ごしください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 温かいを探そう大実験の調査項目の中には危険なものもいくつかありましたね。 どの項目も間違いではない。 けれど、雪だるまくんの探していた温かいは、心の温かさ、目に見えないものだったので、認識す…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ