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冷淡なる反逆者  作者: 流星切歌
第一章 Time of despair
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失われた記憶

同日 pm4:50 伊沢波ニュータウン


_うぅ、うぅん...もう朝...?

私はうっすらと目を開けた。そこに映ったのは崩壊したビル群。所々に転がる人間の死体。何故?何故私はこんな所に?何故私はこんな都会の道路で寝ていた?必死に頭を捻ろうとするが全く思い出せない。というか、自分が昨日まで何をしていたか、そもそも自分は何者なのかも分からない。思い出せるのは自分の名前のみ。記憶を捻り出そうとしていると_

「ヴヴヴ...」「ヴァァ...」

数人の人間が近づいて来た。良かった。あの人達に話を聞こう。そう思って駆け寄ろうとしたその時。

「そいつらに近付くな!」


不意に何処からか男性の声がした。それと同時に


バァン!

銃声の音が数発聞こえた。何が起こったのかさっぱりだった。でも私が気付いた時にはさっきの人達は頭から血を出して倒れていた。


「ふぅ。何とか間に合ったな」

声の主と思われる男性がそう言いながら駆け寄って来た。見た感じは私とそこまで年齢は変わらない様だ。隣には鋭い目付きの男性がいる。声の主の男性の手には拳銃が握られていた。まさか彼が?

「貴方が...あの人達を...?どうして...」

思わずそう聞いた。

「何でって...アンタ、あのままだとさっきの奴等に食い殺される所だったんだぜ?」

陽気そうな拳銃を握った男性がそう言った。

食い殺される?どういう事だ。

すると隣の目付きの鋭い男性が答えた。

「さっきの奴等はもう人間なんかじゃない。生きた屍...ゾンビだ」

生きた屍?ゾンビ?意味が全く分からない。どういう事か話を聞こうとしたその時_。


「ヴヴヴ...ガァァ...」

さっきの銃声を聞いたのか、他の人間達が呻き声の様なおぞましい声をあげながら集まって来た。

「やべっ!話は後だ!逃げるぞ!」

「え、ちょっと」

私が口を開く前に手を取られ、手を取られ、走らされた。まだ自分の状況が飲み込めない。だけど私はまだ知らなかった。この都市が...死そのものだという事を。

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