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第三話


あれから暫く時が経って、今日はもう卒業式だ。今日この日、また繰り返しとなるのか、終わることが出来るのかが決まることになる。

今までで分かってきたのは、この卒業式から少しずつ時間をかけて前の年に戻っているということだった。だから、この日を逃すとまた一年をやり直すことになる。




卒業式。それは、その学校で過ごしてきたという証なのだと思う。勉強、コミュニケーションあるいは、人としての常識など。

何であれ、子どもが大人になるためにいろいろなことを学ぶ場なのだろう。


校長先生などからありがたい話をもらって、校歌を歌い、卒業証書を貰う。

どこの学校でもほとんどやることは変わらない。

神明学園でもそれは変わらず、時間は過ぎてゆく。






結局、今回も何も変わらなかった。せいぜい、咲さんと仲良くなったくらいだろうか。だが、それも今だけなのだ。

今日が終われば、また一年繰り返すことになるだろう。何もできていない、変えられない以上繰り返すことに変わりはないのだ。

そして、次も咲さんと仲良くなれるかは分からない。だから、今日だけで最後かも知れないのだ。


そんな暗いことばかりが頭の中に浮かんでくる。そして、心の中で焦りや不安といったような感情になってしまうのだ。


ただただ、時間だけは無情にも過ぎてゆく。




「大丈夫、龍二君?顔色がすごく悪いみたいだけど」

気が付くと卒業式は終わり、いつの間にか教室に戻っていたようだ。

「ああ、大丈夫だ」

「そう……」

タイムリミットが迫っているせいか、龍二は少し焦っているようだった。

「……あのねっ、もしよかったらなんだけど、これから一緒に帰らない?」

(!?)

「やっぱり、だめかな……」

何だか、とても残念そうに咲は言った。

「いや、何も予定とかはないから別にいいぞ」

「本当!?ありがとう」

(何でそんなに嬉しそう何だ?)


「次はもう、三年生だね。何だか、今までが短く感じるよ」

「ああ……そうだな」


咲の言葉に龍二は本当に三年生になれるのか考えていた。

最悪なのは、このままずっと繰り返す事だ。終わりの見えないこの状況ほど恐ろしい物はない。

もしも、ずっとこのままだったのなら。そんな不安が絶えないのだ。


「私達がはじめて会った時の事覚えてる?あの時は__」

その時だった。

「きゃー」

どこからか、悲鳴が聞こえて来た。

反射的に声の方を見ると、車が明らかな違反のスピードでこっちに向かってきていた。


龍二は、避けるのは間に合わないと思い、近くにいた咲を突き飛ばした。

すべてが条件反射による行動だった。考えている時間など無かったのだ。






そして、車はそのまま減速する事なく龍二の方へ突っ込んで行った。


それにより、龍二は呆気なく亡くなった。不幸中の幸いか、痛みを感じる暇さえなく、即死だった。


次回で終わりになります。次回は今日か明日までには登校します。

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