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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 三章 ミライ編
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83.チームカエデの作戦術

 ついに決勝戦が始まろうとしていた。チームカエデは準備万端で配置についていたのだがこちらのチームバッファローは一人だけまだ会場に来ていなかった。その人はミヤおじいちゃんでサラおばあちゃんに酷く説教を受けていて足が震えていた。


 ミヤおじいちゃんは今日は寒いからね…と嘘を言っていたがバレバレである。そんな中ミヤおじいちゃんが嫌々そうに持ち場に着くと試合が始まる。


 お父様は普段通りに果敢に攻め込みカエデさんとヴァイオレットさんに一回づつ雪玉を当てて行く。それに続いて私やテッタクさんメイシアさんがチームカエデを追い詰めるが、ミヤおじいちゃんだけはその場で立っていた。


 私達はチームカエデを全滅させて勝ちをもぎ取ったが審判である司会者は終わりの合図を鳴らさなかった。


 お父様やテッタクさんが司会者に向って抗議をしようとすると、お父様の防寒着が黒から急に黄色に変わっていた。いつ攻撃したの?というか全滅しているはずなのになんで当てれるの?ずっと同じ場所に止まっていたミヤおじいちゃんが話す。


ミヤ「君たちはなんで誰もいない所に向かって雪玉を投げてるのかね?」


 いや…おじいちゃん老眼にでもなったの?カエデさん達はコッチの方でダウン、あれ…さっきまでダウンしていたカエデさん達の姿が見えない。というか姿が見えなくなったと同時に突然吹雪が出始めて視界を狭くした。


 その時、吹雪の中から大量の雪玉が私達を襲った。テッタクさんは慌ててシールドを展開するけど吹雪のせいでどこから雪玉が飛んでくるのかも分からなかった。けど視界が悪いなかでおじいちゃんだけが何故かはっきり見えた。


ミヤ「ユウキ…そろそろ気づこうぜ、仮にも勇者だったんだからこんな【幻影】すぐ見破れよ。」


 おじいちゃんが幻影という言葉を口にして私達の脳内にインプットされた瞬間吹雪は止み、本来の姿がはっきりと映し出される。チームカエデは試合が始まった時から一切動いておらず私達だけがチームカエデに近づいていた。


 お父様達がダウンさせたはずのカエデさん達の防寒着は皆黒色で一回も雪玉に当たっていなかった。


ミヤ「優勝する為にここまでするかねカエデ…後で説教が必要だ。」


カエデ「ミヤ、その言葉そのままお返ししてやるわよ!」


 私達はチームカエデに向けて反撃をしようとしたけど審判がそれを阻止した。気づけば私達の防寒着は白色になっており既にダウンしている状態だった。さっきまでは大丈夫だったのにどうして…


ミヤ「魔物のセイレーンの出す魔法のせいだよ。」


 セイレーン:種族魚人

 上半身が人間で人魚のような姿をしていて湖で素敵な歌を歌って人々を魅了させる。だがその歌は洗脳の効果があり魅了した人を湖の底に連れていき捕食してしまう。


ミヤ「簡単に言えばチームカエデがこの会場全体を洗脳させてあたかもユウキ達が勝っている様に見せていたってところか。」


シアメル「この魔法覚えるの大変だったんすよ…カエデに急いで覚えろって怒鳴られて一夜漬けで覚えてきたんすから。」


 私達は意味もわからずダウンして退場した。フィールドに残っているチームバッファローはミヤおじいちゃんただ1人。それに対してチームカエデは全員残っている。数的にも不利だが洗脳以外にも何か隠していそうでこの先の戦いが読めなくなっていた。


 

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