表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 三章 ミライ編
78/95

76.バレちゃった

 私はミライ・フェイト、4歳。転生したらフェイト王国の第1王女だった…病人のふりをしたおじいちゃんと一緒に冒険者登本登録の条件をクリアして晴れてFランクになれた。


 これが私のギルドカードか。ギルドカードは所謂マイナンバーみたいなカードで身分証明証と保険証の役割がある。これを持っていれば病院に行った時に全額から3割負担になったり、城門の検問でお金を払わないといけないけどそれが免除されたりとFランクになるだけでも特典が付いてくる。


マルティア「これで立派な冒険者の仲間入りですね。」

 

 私は早速依頼表を閲覧した。まだFランクだから受注できる依頼は少ないけど、どうせなら私がやってみたかった「コレ」にしてみようかな。


 私が選んだのはポーション作り体験で王都内にある病院「ムーフル病院」で下級ポーションを作って実際に販売するバイトみたいな依頼だった。


 ムーフル病院にはおじいちゃんの知り合いのカエデさんやヴァイオレットさんが在籍していて、今日のポーション作りはエミリッカさんという調合師の方が教えてくれるそう。


 エミリッカの簡単ポーション作り!


 1.薬草(下級)を半分に切って上半分をすり潰します。


 2.下半分は沸騰したお湯の中に入れて出汁を取ります。


 3.出汁を取り、茹でられた下半分は捨てて、氷魔法フリーズで出汁を冷やします。


 4.冷やした出汁と粉状にすり潰した上半分だった物を入れて混ぜます。


 5.細かい粉を取り除き液体だけにしたら完成です!


 これが今の下級ポーションの作りで従来の下級ポーションより2〜3倍も効果が違うらしい。昔は質より数が求められていた時代だったので作りも大雑把だったが大英雄ミヤが作るポーションだけは別格だったと言われているが大英雄の元で修行していたエミリッカさんが言うんだから間違いない。


 もっと簡単にしたいなら魔法陣をだしてポーション作りの工程を書き写せば自動でポーションを作ってくれるようになる。エミリッカさんは1〜5のすべての行動を魔法陣に刻み込み何も手を動かさなくても下級ポーションが作られていった。


 これって私必要なくない?そう思ってエミリッカさんに聞くと笑顔で私をとある一室に案内した。なんだろう…と思いながら部屋の扉を開けるとお母様であるレベッカ・フェイトが座っていた。


エミリッカ「無事来ましたので私は失礼します。」


レベッカ「ご苦労です…」


 えっと…これってもしかしてバレてる感じかな。私は一応15歳の姿になって入るけどお母様の魔眼は私の想像を超えていた。


レベッカ「いくら姿を変えても人の魔力まで変わるわけじゃないからバレバレよ、ミライ!」


 ミニャ「すまんニャ、ミライ。流石に出入りし過ぎでバレてしまったニャ。」


レベッカ「お義父様も生きてるなら言ってくださいよ!」


 私が受けた依頼は私を誘き出すために冒険者ギルドに出した依頼だったらしいがマルティアさん達ってグルだったのかな。


ミニャ「まぁ姿を変えても黄金の右目と魔眼の左目を持つ人間がミライしかいないから大体の人は気付いていたみたいだニャ。」


 

 あぁ!姿を変えることだけに意識しすぎていて単純な事を忘れていた。私の瞳は勇者の力を秘めた黄金の右目と魔族の中でもごく一部しか持っていない魔力の塊とも言える左目の魔眼は王国中いや大陸中を探しても私しかいないって親族の誰かが言ってたような。


レベッカ「ギルドから連絡来た時は驚いてティーカップを落としそうになりました。」


ユウキ「一応僕も来てるんだけど…」


 お母様ばかり気にしていたけど後ろにお父様もいたらしい。お父様は私みたいな女の子が冒険者ギルド登録しにきたと連絡を受けたらしい。お父様は驚きはしたが条件をいくつか提示してそれをクリアできたら冒険者になっても良いと承諾した。


 冒険者本登録というのは私だけに定められた条件だった。それでも魔物を倒したりと普通4歳では出来ないことをやってのけていると感じたお父様はもしかしてと思い寝ているおじいちゃんを起こして事情を洗いざらい聞いたんだって。


ミヤ「いやぁ…すまなかったユウキ、こういうのは早く言うものなんだが言うタイミングがなかったんだ。」


 お父様がおじいちゃんに向って怒っていると後ろからただならぬ魔力の反応がありおじいちゃんの後ろまで来ていた。


サラ「ミヤさん、ちょっといいかしら?」


ミヤ「サラさん!?これには事情があってですね。」


 おじいちゃんはサラおばあちゃんに頭を手で掴まれながらどこかへ連れて行かれた。おじいちゃんはお父様に助けを求めたが無視されて意気消沈していた。


 お父様やお母様がここにいるのはやっぱり城の外に出たからお説教があるんじゃ…


レベッカ「そんなに泣きそうな顔をしてるのミライ?」


ユウキ「城の外に出たからレベッカのお説教を受けるって思ったんじゃないかな?」


レベッカ「それもそうだけど、ここに来たのは違う理由よ。」


 違う理由?


レベッカ「もうすぐあなたの兄弟が産まれるのよ。」


ユウキ「医者のカエデさんからの聞いたけど双子だってさ。」


 (えっ…私に兄弟ができるの!?前世では一人っ子で友達に弟や妹がいるのが羨ましかったけど、遂についに私にも運が巡ってきたってことね。)


 じゃあいつ産まれるの?


レベッカ「来月頃ね。」


ユウキ「魔族の出産は人間と違って魔力を使うし、お腹が大きくならないから気づかないのも無理はないよ。」


 ミヤおじいちゃんとサラおばあちゃんが別室から戻ってくると何故か分からないけどおじいちゃんの顔が赤く膨れ上がっていた。


ミヤ「産まれる時期はちょうどミライが5歳になる頃だね。」


 私達はお城に帰り、その日の夜ベットで考え事をしていた。異世界?に来てまだ4年くらいなのに色々なことがありすぎる。前世の私見ているか、ミライの未来はとっても明るいぞ!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ