表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 三章 ミライ編
75/95

73.冒険者登録試験

 冒険者は基本成人(15歳)にならないと登録ができない。私はまだ4歳(中身は20代後半)だったので成人の姿になって受付まで行く。


 受付案内で名前と職業を記入しなければいけないのだけど王族の名前を書くとバレるし職業って何?私まだ4歳の無職なんだけど。


ミニャ「この子はアズサ、リンガル方面の村の出身で魔法が得意だニャ。」


受付嬢「ミニャさんいらっしゃい、また新人教育ですか?冒険者を増やしてくれるのはありがたいですが私達の仕事が増えるんですよ、今度手伝って下さいね。」


ミニャ「毎度の事すまないニャ」


 (おじいちゃん来たことあるの?でも昨日まで眠っていた筈じゃ…)


ミニャ(本体は車椅子にいて、今まで冒険者ギルドに来ていたのは分身体の方だニャ。あと名前は適当に考えたんだけどよかったニャね。)


 冒険者ギルドでの名前はアズサ、職業は農民という設定になり冒険者登録するのでした。受付のお姉さんから貰ったギルドカードには(仮)というマークが付いていたので何なのかを聞いた。


受付嬢「アズサ様は仮登録になります。本登録するには幾つか条件があります。」


 本登録する条件

 ・スライム討伐(一匹で可)

 ・薬草採取(下位ポーション用)

 ・城内の清掃

 ・魔法研修


 この4つを仮登録してから1ヶ月以内にクリアすると本登録してFランクに昇格できる。なんでこんなに条件が多いのかというと、本登録するまででその人がどんな人なのか冒険者ギルドに必要な人材かを確かめるらしい。


 スライム討伐はスライムすら倒せない人は要らないし、薬草採取は採取する時荒い人がいたから。清掃は城内にゴミを不法投棄する嫌な冒険者がいたから、魔法研修は3日間に分けて魔法の使い方や初級魔法を教えてもらったり危険性についての勉強会になっている。


ミニャ「どうするニャ、今からスライム倒しに行くニャ?」


受付嬢「その場合は確認を取るためギルド職員を1人付けていきます。」

 

 私は早く外に出てみたかったのでスライム退治と薬草採取をする為初めて城外を出た。今まで城の中にいたけど外ってこんなに広くてこんなに気持ちがいいんだね。


 風がゆっくり吹いて草木が揺らいで、心地よさを際出せている。私達が平原を歩いていると数匹のスライムが寄ってきた。スライムは人間の魔力に反応して来るのだが敵だと思って来ているわけではなく魔力の多い仲間だと思って来ることが多い。


 異世界漫画だと水色だけどこの世界のスライムは少し汚れたくらいの透明度のスライムでゼラチンでできてそうな見た目だった。ジャンプする時も反動でプルプルッ…と震えていて少し美味しそうだと思ってしまう。


ミニャ「このくらいの時期が一番食べごろニャよね。」


受付嬢「氷魔法で瞬間冷凍させて倒してから、自然解凍して食べるのが美味しいですよね。」


 (えっ…本当にスライム食べるの?)


ミニャ「さて余韻に浸ってないでスライムを倒すニャ。」


 私は外に出る際鉄の剣を貰ったのでその剣でスライムを斬ろうとすると避けられちゃった。スライムは敏感なので敵対していると分かれば逃げてしまう。戦うことを好まないスライムが多いのであまり乱獲しないよう言われている。


 私は逃げるスライムを追いかけながら剣を振るけど姿だけが15歳で中身が4歳だから筋力も無ければ体力もないのですぐにバテてしまった。


ミニャ(そんな時は身体強化を使うといいニャ)


 確か身体強化はステータスの数値を倍に上げるけどその分魔力の消費量が激しいんだっけ?なら私は全体に唱えるんじゃなくて体力と腕や足だけの部位に強化を入れて消費を少しでも軽減した。


 ちょこまかと動くスライムだったけど身体強化でなんとか追いつくことができてスライムを斬ることができた。


 ゲームは最初に出てくる敵で1ターンか2ターンくらいで倒せるからなんとも思ってなかったけど、実際やってみるとスライムだけでこんなに疲れるんだね。


ミニャ「これがスライムだったからよかったけどニャ、ゴブリンだったら反撃してくるから注意して行動するニャ。」


 本登録

 ・スライム討伐 成功!!


 スライムを倒したあと近くの森に寄った。この森では薬草採取をする為に来たのだが、他の冒険者達も居た。この森は薬草採取にはとびっきりのスポットで低ランク帯の冒険者がこぞってここの森の薬草を取りにくる。


 因みに冒険者の依頼じゃなくて自分で使いたい場合は冒険者とは違った資格が必要なんだって。ただし資格を持っている人と同行だった場合のみ取ることを許されている。ミニャは大抵の資格を持っているので安心だ。


ミニャ「薬草が生えてる場所は予め木々にマークが付いているから冒険者が来る。逆にマークが付いていない場所には沢山薬草があるってことニャ。」


受付嬢「その分奥に進むにつれて強い魔物と遭遇するかもしれないのであまりお勧めしませんがミニャさんがいるなら問題ないですね。」


 ミニャのランクはSランクで上から3番目にあたり、冒険者ランキングトップ20に入る実力者だった。その中でも個人でSランク以上の冒険者は5人もいないらしい。


 冒険者のランクは上からSSSでFランクまで存在して大抵の冒険者はCで止まり、B以上は成功者と言われるそうです。勿論B以上からは特典があり…


 Bランク 

 大体の依頼を受注できるようになる

 

 Aランク 

 飛行船や船の料金が半額になる


 Sランク

 飛行船や船の料金がタダになり、冒険者ギルドから融資を受ける事ができる。


 SSランク

 複数のパーティをまとめるクランを設立できる。


 SSSランク

 大抵の願いなら聞き受けることができ、Mランクの挑戦資格を得る。


 Mランクってなに?冒険者のランクはFからSSSまでじゃないの。


ミニャ「Mランクは特別用意されたランクで大英雄ミヤの頭文字から取られていて、実質世界一の称号と富や権力を得るニャ。」


受付嬢「SSSランクの大賢者クリスさんでさえMランクに挑むのが困難だと言われるくらい難しいようです。」


 あの大陸1の魔法使いと言われるクリスおばさんが根をあげるほどの難易度って誰がクリアできるの?そんな会話をしながら森の奥に進みミニャの言っていたスポットまで着いて薬草採取をすることにした。


 薬草はそこら辺の雑草と似ているので根まで抜いて土を掃いて根っこの色が葉の色よりも濃い色だったら薬草。抜く時に乱暴に抜くと根っこまで抜けず薬草として機能しないのでゆっくり丁寧に抜いてあげると綺麗に取れる。


 私はある程度取れたと思ったので帰ることにした。途中帰る時魔力の揺れを感じたけど感じた時にはミニャが魔物を討伐していたので私に被害は訪れなかった。


 (こういう森でヤバい魔物にあって倒せたら飛び級できるっていう異世界漫画の流れが良くも悪くも無くなった…)


ミニャ「僕がいる限りは2人とも安全だニャ」


 何事もなく冒険者ギルドに戻り本登録のうち2つを終わった事を報告して城に帰ることになるがここで問題が出た。どうやって帰ろうかって事に。行きは城壁を気球みたく飛んでいったけどこんな人が沢山いる場所でやったら認識阻害でもバレてしまう。


ミニャ「僕が転移を使うニャ」


 転移魔法は行ったことのある場所にワープすることができるが注意点があり、ワープ先に人がいない場所・魔物がいない場所に転移できるかは分からない。あくまで同じ所らへんにワープできるので近くの街に転移する際は街の中じゃなくて外に転移してから街に入るんだって。


 で…問題は他にもあって城に置いてきた分身体と本体が城のユウキやメイド・執事等にバレないように入れ替わって転移しなければいけない。


 だからミニャが1回転移で城に帰って安全確認をしてから私を連れて帰った。私は自分の分身体がベットでお休みしていたので分身を解除して姿を元に戻して入れ替わった。


 ミニャはどうせバレないということで私の部屋で猫の姿のままベットに入ってきた。ミニャだから許されるけど元の姿で入ったら社会的に抹殺される危険性があるとミニャから言われた。


 その後の夕食では謎の視線があったもののバレてなかったのが幸いだった。 


 


 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ