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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 二章 王都奪還編
68/96

66.新たな国建国 

 魔王が最後に呼び押せた宇宙からの最悪の贈り物。ミヤは自身の魔力を最大限出して隕石に挑むが落下する力が増していて、止めることができない。


 ミヤは土魔法でゴーレムを作り出して地面と一体化させて巨大ゴーレムを何体も作り上げる。そのゴーレム達はミヤが支えている隕石を一緒に食い止めていた。


 隕石が星に近づくにつれ暴風や周りの温度が上がりゴーレム達にヒビが出始めていた。ミヤは速攻でヒビを復元させながら強化していき自身の手が溶けてもまだ耐え続けていた。


 シルフィ達は遠くからその光景を見ていた。結局ミヤに任せきりになってしまったが今は見ていることしかできないが、遠くからミヤに向けて応援をした。


 遠くからの声援がミヤに聞こえていて、まだ頑張らないといけないと思いありったけの力を全魔力を注ぎ隕石を押し止める方向から砕く方向に転換し始める。


 巨大ゴーレムは修復を繰り返しながら隕石を受け止めミヤは手を離す。


 これを使う事になるとは思わなかったな。かつてこの世界を終わらせた武器が現段階でも最強なんて笑えるぜ。とりあえず被害が最小になるように王都全体を強固な結界で覆う、勿論隕石も含めて。


 そして火・水・風・雷・氷・土・闇の7つの属性魔力を組み合わせる。互いの魔力は反発し合うので無理やり結界の中に閉じ込める。その閉じ込めた結界弾を隕石に向けて強く投げる。


 結界弾は隕石に触れた瞬間爆発して隕石を粉砕するとともに王都結界内強く輝き出して一瞬にして城の残骸や隕石はなくなった。


 僕らが生み出した悪魔の傑作「核爆弾」…これを今の文明で作り出すには属性同士の反発を威力に変換せざるおえなかった。あんなに憎んでいたのに結局使ってしまったな。


 僕は隕石から王都(何も残ってない)を救ったが代償に7つの魔力を体内から放出したことにより失うことになった。幸い使わなかった無・聖は残っていたので早速何もなくなったこの地形を緑に染めるため聖魔法【癒しの種】を大地に注いだ。


 この癒しの種は浄化の何百倍もの力を持つ種で人間以外の生き物(動物や植物など)が再生して復活する魔法で、僕があの頃にやった初めての魔法でもある。


 想いれ深い魔法と共に大地は活性化していき本来の姿に戻っていった。それからは時間が早く進んだように思えた。


 王都がなくなった今新しい国を建国しようと動いている。リンガルからドワーフの業者を手配してもらい着々と進んでいる。まだ完全には出来ていないがある程度の道や建物は造られていた。


 昔噴水があった所に奇妙な像が建てられていて何処なく僕そっくりだった。僕が立って天を持ち上げている様に見える像らしく皆がこの国の平和の象徴として隠れて作ってたらしい。


 像を作られるのはなんというか恥ずかしい気持ちだ。発案者はシルフィで作ったのは温泉街の皆だ。確かに完璧な像ではなく何処となくぎこちなくなっているがコレにも意味がある。


 どんなに天才でもどんなに強くてもどこか弱い部分があって、その弱い部分を見せないように頑張っているって意味がある。


 ところでリンガルにある温泉はどうしているかっていうと僕ら主力メンバーを抜いた従業員で事足りるらしく今後は支店をいくつも出していくらしい。年に1回5%の利益が僕のではなくサラさんの通帳に入るんだって。


 そういうわけで仕事がまた無くなってしまった僕が次することは城の建設作業です。これからどんな城になるのか、それからどんな時代が来るのか先の事なんて分からないけど今を精一杯生きようと思う。

 

 

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