64.復活した初代魔王
そして今、魔王城に乗り込むかつてのゴーレムと同じ魔力を持った人間が私の目の前に現れる。何で人族だった母まで殺されないといけないのか分からなかったけど今わかったよ。
君達は魔族と一緒に住んでいたなら善悪関係なく人族関係なく殺そうとするってことにね。だから人族の母を殺したんだね。
魔王は全て吐き出すと攻撃を止めた。身体を覆っていた鎧は取れ出して女の子が出てきた。そう、彼女が2代目魔王…初代魔王の娘であり人族。名をレベッカ・フライレ。
歳は数百年と経っているが容姿はその当時のまま、魔王の鎧が影響していて歳をとることがなかった。レベッカは倒れ込みユウキ達に枯れ果てた声で
「助けて…」
と言うと先程まで地面に転がっていた鎧が宙に浮き誰かに操られているかのように合体し始めた。我は肉体が滅ぼされようとも魂が残っていればこうして動くこのができるのだよと…鎧がしゃべりだす。
この鎧から発せられる魔力は魔王そのものだ。それに比べて2代目の魔力は一般的な人族と変わらない位だった。
初代勇者によって倒されたが魂だけ現世に残ることができた。娘の唯一の味方であった妻の亡骸を見せることによって娘の精神を狂わせた。それによって魂となった我は娘の中に入ることにより裏から操作することに成功する。
と言うことはレベッカ・フライレは人族を憎んではいなかったのか。
憎んではいたさ、でも殺そうとまでは思わなかったらしいな。魔王の娘でありながらそうも人族の様な心を持つとは洗脳したりなかったのか…まぁそれはどうでもいい。この数百年で魔力が溜まり動けるようになったからちょうど良かった。
自分の娘をこき使って自身の欲望のために動いていた初代魔王は娘であるレベッカを用無しと判断し殺そうと指先に魔力を込めて放ったらユウキが剣でその攻撃を防いだ。
ユウキ
グラン!早くその女の子を抱えて母さん達と共に城の外に出て、早く!
グランは体を一回り大きくし、シルフィとミヤ以外を背中に連れて城の外を出た。初代魔王の魔力の波力によって城は崩れていき、魔王座の間のみ残っていた。城内にいた騎士団もグランについて行き城の外に脱出して外から見守る。
グラン
始まるぞ、勇者と魔王の戦いが。
ミヤは魔王を解析した。全身を硬い鎧で覆っているが実体は無く、魔力でくっついている為物理は効きにくいと思われる。ただ魔王の魂(核)がどこかにあるはずなのだが一向に見つからない事をユウキとシルフィに伝える。
シルフィは風魔法を駆使して空を舞い大きな竜巻を作り出し魔王にぶつけた。風属性魔法【サイクロン】。相手を竜巻の中に吸い寄せて中心に行けば行くほど妖怪のカマイタチの様に風で皮膚などが切られる。弱点が分からない今、全身を攻撃するのが有効だとシルフィは考えた。
魔王は右手を思いっきり振ると竜巻は綺麗に消え去った。鎧にはキズ1つも付かなかったのを見るに魔王の風魔法耐性は高いと言える。魔王は崩れた城を魔法で持ち上げて右腕に集める。
城の残骸、瓦礫が魔王の右腕に合体していくとサンドワーム・マザーの時位の大きさの拳が出来上がり、そのまま拳がシルフィを襲うがミヤがシルフィを跳ね除け攻撃を受けてしまう。
ミヤは勢いよくふっとばされて行き、遠くのリンガル山に激突した。僕は大丈夫だと2人に念話で伝えて王都まで走って向かった。魔王はその大きな拳を分解させて合わせて100程の拳に変化させた。その拳は1つづつ僕らを追尾するように襲ってくる。
グーだった拳はパーに変わり左右から僕を潰そうとしたので僕もシルフィの様に飛ぼうとした。以前ドラゴンと戦った際に勇者の剣の力で空中を舞う事ができたから可能だ。勇者の剣も光って答えていたので拳がぶつかる手前で僕は飛び上がった。
僕にぶつけようとしていた2つの拳はお互いがぶつかり砕けていった。その砕けていった拳は魔王の魔法の主導権が無くなるのを確認した。 魔王が拳を再生させないのを見るに創作する魔法の範囲外だということが分かった。
範囲外からの攻撃なら魔王に魔法操作されずに放てると思った僕は魔法を唱えた。
【水龍一閃】
水龍一閃とは両手で溜めた水を龍に具現化させて放つ技。溜める時間がながければ長いほど威力が増す。




