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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 二章 王都奪還編
58/112

56.魔王参連星が一人 血月姫

 ヴァンパイア達は僕目掛けて襲い掛かったがその標的が僕だったから助かった。ヴァンパイアは僕の腕を噛みつきチュウチュウ吸っていこうとすると灰になっていく。


 それもそのはず、ポーションは魔族が嫌う物であり僕は薬屋として毎日のようにポーションをがぶ飲みしていたので血液にまで回復ポーションになりかけていたのだ。


 聖属性を嫌う魔族にとっては体に取り込むなど死を意味してしまう。何も考えずに噛んだヴァンパイアは灰となったのを見た他のヴァンパイアは噛むことをやめ【種族固有魔法】を使うことにした。


 【種族固有魔法】というのはその種族に元々備わっている魔法で、スライムだったら最初から水魔法が使える…みたいな感じだ。


 それで言うとヴァンパイアは闇属性と属性には入らないが血魔法が使える。血魔法は自身の体内の血ではなく周りの動物や人間の血を放出し、形にして戦う厄介な魔法なのだ。


 だがしかしサラさんは十字団と共に結界の中にいるし、教会にはゾンビになった人間と聖属性まみれの人間がいるだけ。たとえゾンビの血を使っても聖属性の僕には効果がない、当たった瞬間浄化されていく。


 僕は聖魔法【神聖拳(しんせいけん)】を使った。神聖拳とは拳に魔物が嫌う聖属性を付与する魔法。


 ヴァンパイアをワンパンして灰にしていった。他のヴァンパイア達は恐れて逃げようとしたが僕は自身の脚力を活かして教会の柱を伝って空中にいるヴァンパイア達を潰していった。


「弱い妾の眷属を倒してくれて感謝するわ。」


 教会の上付近で僕の探知に大きく反応したが、ヴァンパイアのボス個体だろう。ボス個体は全て「Named」が付いており、ヴァンパイアで女性の姿であれば「血月姫」と呼ばれる。


 「魔王様の下に就く者として弱い眷属は恥でしかないの、それに貴方のような人間に倒されるなんてゴブリンに倒される方がマシよ。」


 すごく挑発してくるヴァンパイア(女)だが他のヴァンパイアとは髪の色や肌の質感も違う事からコイツはボス個体「血月姫」だろう。


 指先に聖属性の球を作り銃の弾丸のように血月姫に向けて放つが弱点の聖属性の攻撃を生身で受けても効果がなかった。攻撃は体に命中して貫かれたのにまるで痛みを感じていないように見えた。


 「私に何度攻撃しても無駄よ、魔王様の力を分け与えられた事で不死身になったのよ。」


 血月姫が手で何かを動かす動作をすると左右から血色のドラゴンの顔を模した物を飛ばしてきた。間一髪で避けることができたが何処から攻撃したのだろうか。ここには聖属性まみれの人間とゾンビと化した人間の死体の血だけのはず…


「不思議そうにしてるわね、私が何のために沢山眷属を連れているのか分かる?」


 そういった血月姫はどうやって攻撃したのかを実戦で見せた。眷属のヴァンパイアは彼女の指示で爆散して血まみれの死体になる。その死体の血を使って鋭い槍を作り出し僕に向けて攻撃する。


 眷属とはいえ仲間の死体を使って攻撃するなんて魔族はどこまで腐っているんだ。ヴァンパイアが無駄に多いのも彼女が攻撃する為のストックだというのか。


 僕は血月姫の攻撃を避けながら彼女に向けて攻撃をしたのだがやはり、効いている気がしない。試しに指示している手を切り落としてみたのだが…


「あら残念、私がいつ手で指示しているって言ったのかしら。」


 逆に攻撃が激しくなっていき僕は崩れた残骸に隠れるしかなかった。何故僕がこうも逃げているのかというと血魔法は僕にとって唯一の弱点である。聖属性=血魔法の関係があり、ヴァンパイアは聖属性を嫌うが聖属性の僕も血魔法を嫌う構図になっている。


 一度や二度は攻撃を受けても問題はないがボス個体になると話は別だ。奴等の血は他の生物とは別格で毒(感染)させることができる。


 体の内部から侵食していき攻撃するので当たっても受けてないと勘違いする人も沢山いる。僕だって人間だ、神でも何でもないのだが問題はない。


 薬屋ムーフルから持ってきた物がここで役立つ。僕はポケットの中から携帯式リジェネフィールド(半径2m)を取り出し教会のど真ん中に投げた。この携帯式リジェネフィールド(半径2m)君、略してリジェフィーは元々薬屋ムーフルで出そうと思っていた品物で結局出すことができず在庫だけが地下室に残っていたのだ。


 この携帯式リジェネフィールド(半径2m)君はポケットに入るサイズで地面に投げつけると魔法陣が展開してリジェネのフィールドを30分間作り出す。この中に入れば攻撃を受けても段々回復することができる。


 つまり眷属のヴァンパイアが尽きるまでリジェネフィールドに入り攻撃を受けながら回復する持久戦なのだ。血月姫は何のことだか分からなそうにコチラを見て攻撃をし始めたが携帯式リジェネフィールド(半径2m)君がある僕には意味のない攻撃。全て体で受けて全て回復していく。


 血月姫は小さい攻撃を止めて数十体の眷属の血を固めて大きなハンマーを作り出した。感染が駄目なら力でねじ伏せようと上から思いっきり振りかざすが固まった血はどんな鉱石よりも柔らかいので僕の頭に当たった瞬間砕けてしまった。


 でもそれが血月姫の狙いで技と外側の表面だけ固めて中はドロッドロのままだった。僕は中の血を全て浴びてしまった。リジェネは段々回復していくもので一撃の攻撃なんかには弱い。その事を知っていたからこのような事をしてきたのだ。


 体中が毒で侵食されて横に倒れてしまった。そしてそのまま血月姫の血魔法によって身体を貫かれてしまい真っ二つにされた。


「人間にしては強かったけどこれで私の勝ちね。バイバイ人間側の英雄さん♪」

 




 


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