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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 一章 学園編
46/95

44.六本腕の侍

ゴ「このダンジョンはそんなに甘くないよ。」


 マテラは渾身の雷光双刃をラスサムに叩き出そうとした時、ラスサムの後ろから腕が1本出てきて雷光双刃を防ぎ返した。マテラが剣を何本も操れるのと同様にラスサムも剣を持った腕を4本出すことができるのだ。

 

 しかもタチ悪いのがその腕の剣1本1本が自動反射持ち。今の状況を表すなら冒険者のクエストで最弱のスライムを倒しに行こうとしたらドラゴンが待ち伏せていたかのよう。


 マテラは4本の腕とラスサム自体の5体と戦うことになるがこの状況どうやって切り抜けるのか。


 マテラは魔力で作った剣を人間の形にした。自身の上半身を作り出し剣を持たせた。これでラスサム5体とマテラ5人の図が作れたということだ。だが上半身を魔力で補い模った事により、先ほどよりも魔力と体力の消耗が激しいので戦いは早く決着がつくだろう。


 2人の攻防の最中僕らは昼食をとることにした。とりあえず前に倒した大蛇の肉が残っていたので手っ取り早くステーキにして食べ始める。マテラを助けないでいいのかと娘のシルフィに聞かれたが、本人が楽しそうに戦っているので手を貸す必要はないと返事した。


 ラスサムの自動反射は戦っている間はずっと続く。それじゃ勝てないと思うかもしれないが勝つ条件があるのだ。1つ目は自動反射でも追いつけないほどの攻撃を与える。2つ目は時間制限、ラスサム自体は魔力ゴーレムなため魔力が尽きれば動かなくなる。今のマテラがやりそうなのは前者だろう。


クリス「自動反射は物理のみ有効だと聞きましたが魔法だとどうなるんですか?」


 火球とかアイスニードルみたいな単発の魔法は自動反射で斬ることはできるけど黒炎の波動や青炎烈王みたいな一定時間放出する系の魔法は自動反射出来ないんだ。


 その理由として自動反射は相手の一撃に対してその攻撃を一撃で反射させる。火球を飛ばしたら一撃で斬る。火球を連発したとしても同じこと。だけどずっと出し続ける魔法になると話は別で、魔法に当たる時に1回は真っ二つに斬るけどあくまで剣で斬る範囲のみ。火球は球を斬れば魔法としての効果を失うけど、放出は斬られたとしても出し続けている。


 簡単に言えば自動反射は1回の攻撃で2回以上の攻撃を受けると無効化されてしまう。だからマテラがやる事は今のラスサムの2倍以上早く攻撃して自動反射を攻略しないといけない。※無限に再生する魔物をずっと攻撃しているようなもの。


 マテラは方向性を変えることにした。今幾ら攻撃しても全て防がれてしまうこの状況で雷甲を使うことにした。


 【黒赤雷甲(こっせきらいこう)


 雷甲は決めた範囲に雷を降らせる魔法。黒業赤雷によって強化された雷甲は黒赤雷甲に進化した。主に進化したポイントは魔法が唱えられてから地面に放たれるスピード、雷甲の時はタイミングを見計らってという手間があったがそれが全て消えて、範囲を決めた瞬間に降ってくるようになった。


 雷甲は言ってしまえば細い雷が降ってくる仕様だったが、決めた範囲が直径3mだったら直径3mの雷が降ってくるようになり、術者の力加減によって単発にもなったり放出系にもなったりする。


 マテラは黒赤雷甲をラスサムを中心とした5m範囲に放った。ラスサムは各腕で自動反射を使用し防ごうとしたが斬っても斬っても無意味だったので4本の腕は黒赤雷甲によって壊されてしまった。


 が…ラスサムは黒赤雷甲を受ける前にある魔法を唱えた。それは無属性魔法【魔力固体化(マジックソリッド)】魔力・魔法を液体・気体から固体に変えるバフ魔法でラスサムは自身の剣にこの魔法をかけて黒赤雷甲を固体化させた。


 固体化させれば剣で受け止める事はできるがマテラの魔力が続く限りは耐えなければいけない。根気強い方がこの戦いの勝者になるだろうな。


 

  

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