表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 一章 学園編
44/94

42.ダンジョン迷路

 泉から沢山の水を確保して上の階に着実に登る私達は今、迷路で彷徨っている。事の発端は9階に登ったら1つの魔法陣がありユウキがそれを躊躇なく踏んだら何処からともなく


「天空ダンジョン巨大迷路スタート!!」 


 という掛け声とともにみんなとバラバラになってしまった。一度はダンジョンの壁を壊してズルできないか試したものの生き物化のように壁は再生していき、きりがなかったので仲間の声を頼りに集まろうとした。


 迷路と言っても「左手の法則」を使ってしまえばたどり着くのだが、このダンジョンの迷路はそう甘くなかった。何故ならさっきまで一直線だった道は塞がれていて左側に曲がる道になっていたのだ。つまり、リアルタイムで迷路の道が変化しているから左手の法則は無意味に等しかった。


 私は目印を付けることにした。幸い壁を壊さない限りは壁に跡が残るのでこれを利用して土属性魔法で顔マークを作った。唯一手がかりがある無属性魔法の探知を使ってみんなの魔力の方向を確認しながら進んでいく。


 何やら知らない魔力が探知に引っかかりしかも大人数いる状況…これは、冒険者達が言っていた嫌らしい貴族だと分かりその方向だけは無視して進むことにした。


 一方クリスは…

 みんなとはぐれてからどれだけの時間が経ったのかな、いつもみんなと居るからこのダンジョンが怖く感じるよ。声はするけど足音がしないから不気味だし、辺りが少し暗いから火属性魔法の灯火で明るくしているけど魔力が尽きたらそれまでだし…


 ドルトンとアルキラの場合

 いやぁ、ドルトンが居て助かりました。私一人では攻略することができなかったけれどまさか、身体強化+ブーストで壁を壊しながら進むなんて誰も考えないでしょ。いつも大盾持っている力があるからできたことです。


 褒めてもらえるなんて光栄だね、だけど体力の消耗が激しいから休憩してから他のみんなを探すことにするよ。


 マテラの場合

 えっと…さっき通った気がするけど身体強化で走りながら回ってたから何処を通ったのか分からなくなってしまった。それにダンジョン自体同じ配色だから目印付けてないから尚更わかんねぇよ。早く助けてくれ!!


 ユウキの場合

 面倒だな、ここは勇者の剣に頼って見るか…と思ったけどダンジョンが崩れてしまったら元もこうもないな。さっき食べた樹の実の屑を地面に捨てて進もう、これなら要らないゴミも捨てれて一石二鳥だね。


「ダンジョンにゴミを捨てる輩はドレインボールが許さないよ。」


 ドレインボールが発射されユウキを追いかけた…


 待って待って、ただの出来心だってば。そうしないと通った道か分からないから仕方なかったんだよ。てかこのドレインボールって意思がないのになんで僕を追えるわけ?こうなったら走って出口を見つけてやるよ!



 おかしい、先程通った場所に着いてしまった。顔マークを壁に付けて歩いていたのだけれどここら辺をグルグル回っていただけのようだ。ということは嫌らしい貴族が居る方向が正しい道ってこと?はぁ、無視して行けたらいいな。


 私はそっと音を立てないように歩き、通り過ぎようとした時に男に肩を掴まれた。


「何故見捨てようとするのだ、俺は由緒正しき貴族様だぞ!この迷路の出口を教えろ!教えなければここで殺すまでだ。」


 うわぁ…これは典型的な貴族だと思った。金髪で冒険をしに来たとは思えない派手な格好に加え、口だけ達者の七光り貴族。何処をとってもダメ人間だし、一番関わりたくない人種だったので掴まれた手を跳ね除け先に進むことにした。


「おい、聞いているのか平民!俺様の力で今すぐにでもお前とその家族を処刑しても良いん…」


 私はクソ貴族の口を風魔法で軽く切った。クソ貴族は痛そうに自分の口を押さえていて兵士に助けを呼応としたので、兵士全員の口を割いた。言って良い事と悪い事の区別が出来ない人間は必要ないでしょう、このダンジョンで亡くなれば君の家族も正々するんじゃない?


ゴ「流石我が娘、いい拷問だぞ。どうせなら指一本ずつ風魔法で切り落として痛みを最大限まで味あわせながら天に送るのもいいぞ。」


 ごめんねお父さん、こんなクズにそんな魔力を使いたくないからすぐ終わらせるね。私がもう一度クズ貴族に向けて魔法を放とうとすると押さえていた口を開いてこう言った。


「ま…まて、何が望みなんだ?金か!金ならいっぱいやるからさ。それか…嫁にしてやってもいいんだぞ、そうすれば平民じゃなくて貴族に昇格できるぞ。悪い話じゃないだろ。」


 お父さん、この人たち殺るね。醜い命乞いを聞き飽きたので私はクソ貴族の首を風魔法で圧をかけ、捻じ曲げた。同族を殺したのに罪悪感が1ミリも湧かないのはこの貴族がゴブリンみたいな獣に見えたからなのかもしれない。


ゴ「貴族だからいいものを持っているな…こっちは宝石か?色んなのがあるぞ。」


 私はクソ貴族達の物の中からお金に変えれそうなものを見つけ出して鞄に入れた。宝石類が多数あったのでいい値段になりそう、お父さんがクソ貴族達の死骸の後始末をしてくれて血痕1つ残さないで処理してくれた。幸い風圧で潰した時散らばっだ血が服についてなかったので安心した。


ゴ「人殺しはよくないけど、あんなクソ貴族の様な奴には容赦しなくていいからな。」


 わかってるよ、お父さん。さてと一件落着した所で迷路の脱出再開としますか。


 この後私は道なりに進むとドルトンとアルキラに出会い迷路の出口に着く。ドルトンが迷路の壁を無理矢理壊しながらマテラを見つけて、ユウキは何故か分からないけどドレインボールに追いかけられながら出口までたどり着いた。


 お父さんによれば次の階にはボスがいて、剣を使う魔物がいるそうなので作戦を立てて挑むことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ