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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 一章 学園編
43/96

41.大蛇飯

 ダンジョン攻略は冒険者にとって名誉なことである。ボスを倒した後の報酬の金銀財宝やら遺物は数百年前の物であるので高く売れるのでこぞって冒険者はダンジョンに挑むのだが、ここの天空ダンジョンは50階まであると言われているが今までの攻略者は36階が限界だったらしい。


ゴ「達成すれば快挙だよ、将来は安泰だね。」


 だから無理だって言ってるでしょ、7階はボスがいなかったから行けたわけで8階は分からないよ。父ゴーレムの解説があってもこの先進むのは怖いよ。


ゴ「確か8階はセーフティエリアがあるから一旦休んでもいいかもね。」


 私達は7階から8階に行く階段を上がると右の方で人の声がした。悲鳴を上げている声だったので走って向かうことにした。少し広い部屋に出ると大蛇が冒険者と戦っていて大蛇の毒で倒れている者もいた。


ゴ「毒毒大蛇という魔物で、鋭い牙から猛毒を出すことができる。長い尻尾の先が鉄よりも硬く鋭くできているので要注意だ。」


 私は精霊の息吹で毒で倒れた冒険者達を囲い、持っていたポーションを使う。毒は治るが体力は治らないので立つことができなかった。風魔法で何とか浮かせて冒険者達を引かせた。


 マテラ「とりあえず援護するぜ!身体強化・静激からの雷光双刃!!」


 マテラが大蛇の側面から全体を斬り刻みクリスが正面から火球を連発して応戦。ドルトンが大盾で皆を毒から守りながらアルキラが【アイスニードル】を唱えて大蛇の喉を貫いて倒した。


 大蛇を倒した部屋の先にセーフティエリアがあったので負傷者をそこで休ませると父ゴーレムが全体ヒールで体力を回復させた。セーフティエリアにはどこから湧いているのか分からない泉があったけど身体には問題なかったので飲水として使うことにした。


 父ゴーレムが自身の魔法で調理器具を作り出し料理場を作った。水は泉から使うとして食材はどうしよう?お父さん、食材も無いのに何を作るの?


ゴ「さっきの大蛇を使うけどなにか?心配しなくてもヒールで毒抜きはしているし問題ないよ。」


 と言うと先程の大蛇を鰻のように捌き始めた父は大きい蒲焼にしてしまった。調味料もダンジョンで採れた樹の実を砕いて調合して混ぜ合わせていく。そしてできた物が…


 毒毒大蛇の蒲焼

 栄養満点よくわからん樹の実汁のスープ


 どちらもダンジョン産の物で食べる気が失せて来た。お父さんは害は一切ないから食べても平気だよ、何かあったらヒールで治すから安心して…なんて言ってたから余計に食べたくない。


ドルトン「みんな食べないの?僕は小さい頃から父さんとダンジョンに潜っては狩りをして食べてたから平気だし、案外美味いんだこれが。」


 ドルトンはバクバク食べていたので私達も嫌々ながら一口食べると、皮はパリッと身はふんわりとした食感に少し甘い味わいで口の中が満たされていく。スープは具材?と言えるのか分からない樹の実だけれど全体的に塩っけがあり蒲焼との相性も抜群だった。


 私は他の冒険者の方にもお裾分けして事情を聞いた。元々数十人でダンジョンに潜っていたのだが、雇い主であり今回のダンジョン攻略のリーダーでもある貴族の者が平民なんて犠牲になればいいと冒険者達を置いて上の階に走っていったのだ。


ゴ「マテラやアルキラみたいな良い貴族もいるけど、平民を下に見ている貴族もいるのが事実。上の階で会っても無視するのが無難だね。」


 冒険者達は下の階に降りていき、私達は上の階に登るのであった。


 


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