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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 一章 学園編
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38.勇者の参拝①

 歴代の勇者の話を深掘りしています

 宴会中にミヤがボソッととんでもない事を言った。実は僕はまだ冒険途中なんだよね、ここにいる僕は所謂人工魔力ゴーレムで本当の僕はまだ水中にでもいるんじゃないかな?


一同

「え…」


 歴代の勇者の参拝に行ってる途中で3代目の勇者が人魚なんだけど色々と揉めてしまって予定より遅くなってるんだ。だから当分帰ってこれないからあの…その…よろしく行っといてって本人から言われた。


 勿論土産話もあるからそれを聞いてからさ…サラさんちょっと右手の拳を抑えていただけませんかね、本当…話を聞くだけですから、僕自身本体じゃないんで殴っても意味ないというか…でも痛覚はあるので止めてほしいというか。

 

 手紙だけ置いて出ていったのは謝りますし今まで秘密にしていた事も全て言うつもりです。まだ会うことはできませんがこんな本体を許してやって下さい。僕がその場所に行って無属性魔法の【記憶足跡】を使い当時の勇者の記録を今から伝えます。



 1代目は僕がもう何百年前に創ったゴーレムなんだけどどうせならカッコよく作りたいな…なんて思ってたら当時の僕の顔で作ってたんだよね。


アンジーナ「カッコいいねえ(笑)」

タクト「いいと思いますよ。」


 勇者だけってのもつまらないから他に賢者・戦士・盗賊の4人パーティにしたんだけど如何せん造形ができないからみんな同じ顔だったんだ。魔族の大半は僕に恨みを持った新人類が進化して魔王もその1人なんだけど、新人類に僕が注ぎ込んだ魔力量は1,000前後で魔王は鍛えたのか分からないけど5,000位に成長してた。


 流石にその時代の人類が魔王に勝てるわけもないからその作ったゴーレムを向かわせて勝った。僕が丹精込めて作ったからいくら魔王が鍛えてもゴーレムの魔力量を10倍以上にすれば赤子同然なんだ。無事に魔王を倒せたからゴーレム達は僕の操作【傀儡】を取り消して好きに生きていいようにお願いした。


 案の定ちょっとしてから魔王が2代目として復活してしまったんだけど僕の命令なしに、この勇者は立ち向かおうとしたんだけど魔力を使って今まで動いていたもんだから魔力切れで動かなくなった所に2代目が来てくれた。


 一応初代が倒れた所に銅像が建ててあるけど当時の人類は勇者の事なんて知らなかったからその銅像を見て不思議そうにしていた。


 

 2代目は今でいう獣人族にあたる人物で猫の様な姿をしていたと言われている。初代の剣を触ったことにより微かに僕の魔力量が残っていたのか、人間の知能を会得する。この猫は賢いから森に住んでいた他の動物に人語を教えてあげていた。人語を覚えた獣人族は人族の出会いでどんどん規模が大きくなり、獣王国がのちに出来上がる。


 そんな中魔王を倒すと言う目標を叶えるために仲間達と人族達と魔物に立ち向かい強く成長していった。やがてその猫は魔王のいる大陸に向かう為海へと出航した。


 途中強い荒波に襲われてしまい船が沈没して溺死したと言われているけど真実はそうではない。海の怪物とも恐れられているリヴァイアサンに遭遇してしまい、戦うことになった。

 

 海上でただでさえ戦うことが困難の中猫の勇者はリヴァイアサンに飛び掛り、そのままリヴァイアサンと一緒に海の底まで行ってしまった。猫の勇者は最後の力を振り絞ってリヴァイアサンの首に深い傷を負わせたけど息が持たず溺死してしまった。


 猫の勇者の仲間達は勇者が死んだんだと察して引き返して街にいる人達には溺死したとだけ伝え、勇者の仲間達はほそぼそと暮らしたのだ。


 

 そんな時に現れたのが3代目の人魚。海の底なのに太陽のように輝いていた剣を発見すると興味本位で触ってしまった。初代と2代目の記憶を読み取るけど、そんな事よりも珍しいものを手に入れたので家族達に自慢しに回っていた。


 人魚達の生活も長くは続かず、ある災害が人魚の国に来てしまう。それは2代目を襲ったリヴァイアサンだった。2代目が深く切った傷は残っていたが2代目との戦いの後も生き残っていて、その腹いせに人魚の国を滅ぼそうとしていた。


 勇者の剣は2代目の魂の姿を模様してリヴァイアサンと再戦した。3代目の人魚も自分たちの国が滅ぼされる事から本能的に身体が動き出し、リヴァイアサンを討とうとした。


 人魚の国の兵士がリヴァイアサンの足止めをして勇者の剣の2代目と今の3代目の人魚が共闘してリヴァイアサンを倒した。3代目が倒したとされているのは勇者の剣ではなく、海の神であるポセイドンの名が使われたトライデントであるが民を救ったことに変わりないため勇者の素質があった。


 その経験を経て勇者の剣と共に魔王のいる大陸まで泳いで行った。海は大陸よりも広い空間で色んな生き物が暮らしている。人魚の勇者の跡に続く様に魚たちは泳ぎ始め群れとかしていた。一匹また一匹と増えるにつれそれは1つの大きな魚のように見えていて、船で旅をしていた冒険者はその海面の大きな陰を見てリヴァイアサンよりも恐ろしい怪物がいるのではと腰を抜かしていたとか。


 目的の地に人魚の勇者一行は着いたのだがここで問題が起きた。人魚は人間と相反する生物なため、陸に上がろうとすると生命の機能を失い身体が灰となってしまうのだ。どうにか手立てはないかと考えていた時に一人の少女が浜辺を歩いていた。


 人魚の勇者はこれしかないと思い、自らを犠牲に勇者の剣を渡そうと陸に出る。人魚の勇者は肺呼吸ができないので苦しみ、だんだん身体が灰になり動こうとしても動けず少女の眼の前で…


「小さき者よ…世界の運命を…頼んだ…」


 という言葉を言い残して灰になり、風と共に空高く舞い散っていった。というのが3代目までの話で次が4代目?からの話になるんだけどここが複雑なんだよね。


 因みに3代目が散っていった浜辺は人魚と人間が一緒に住む街があって、今も3代目勇者の末裔がそこで暮らしているらしいよ。

 

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