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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 一章 学園編
35/97

33.ケカゴン島 灰の駆除

 灰の駆除をすることになったけど、元々土と混ぜて肥料にする方法をケカゴン島の住民はしている。それだけではこの魔力灰を使い切ることができず、次の魔力灰が降ってくる始末だ。


 僕達がとった行動として土魔法と灰を混合させて「灰セメント」を作ることにした。この村はお世辞にも住みやすいとは言えないので町作りの為にセメントが大量に必要なのでこれが一番効率がいい。村の人達の中から土属性が使える人達を呼んでやり方を教えた後に、早速灰セメントを作ることにした。


 僕とドルトン君とクリスはとりあえず村の周辺を調査してこの村全体の状況を把握しておく必要がある。シルフィとマテラ君とアルキラは亀の魔物がいる山に行っている。父さんは近くの川に行って帰ってこない。



 私は大きな山の調査に行っているのだけど、この山全体が魔物の一部だなんて驚きね。学園の図書館でもこんな生物は載ってなかったし、お父さんがずっと目を鋭くしてこの山を見ていたけど何か知ってるのかしら。


 ともかくこの山を早く調査しないと行けないけど、誰かが登った形跡もないし未開拓で攻略するのに2人とペット1匹だけって不安になる。


 

 誰が猿だって言いたいんだよ!まぁ、シルフィの言ってる事は正しい。だいたい俺たちで調査するったってここから頂上まで1年の時の雪山よりか低いけどなんか暑くて体力を持っていかれるんだよな。いくら活火山でも山肌でさえ熱くなるのは不思議だぜ。火山の中というか、マグマを裏で操ってる奴でもいるんじゃ…



 そんなわけ無いでしょ、私の氷魔法で頭でも冷やすと良いわ。確かに山肌でも分かるくらい熱いけど、これが亀の甲羅の上ってことも関係してると思うのよね。甲羅って所謂骨でできていているけど、今回の例で言うならこの山がこの亀の甲羅なのでしょうね。


 つまりこの山肌の熱さはこの亀の魔物の体温ってわけ。でも不思議よね、猿が言った通り私達だけでこの問題を解決できるわけでもないし先生も着いてきてくれないこの状況で何ができるのかしら。



 私達が数十分上を目指して歩いていると地面が強く揺れた。揺れる勢いで砂利や岩が雪崩のように落ちてきたので魔法を使って岩を砕いていった。噴火したわけじゃないのにどうして揺れたのか分からない。


 異変は早かった。上に登るにつれて温度は下がるはずなのに更に熱くなっていく。私達は火山口に着き、少し下を覗いてみると何やら鎖で繋がれた塊?みたいな物を発見した。


 その塊はドクドクと内臓のように動き、その動きに合わせてマグマや魔力が揺らいでいた。間違いない、これが噴火する原因だ。そう思ったのもつかの間、また強い揺れが来て私が火山口に落ちそうになった時、お父さんが転移で助けに来てくれていた。


 私達はこの事を村の住民とエドガーさんに伝えると一冊の本を持ってきてくれた。その本はこの亀の事と1人の人間の事が書かれた本だった。私達はこの本を見せてもらうと同時にお父さんは村を離れていた。



 本のタイトル「亀と1人の人間」


 約800年前に魔力が発現した。魔力は1人の男が持っていたが、ある事件を元に新人類に魔力というなの呪いを受け継いでしまった。生物も同じであの男に魔力なる物を注がれた我らは「人工魔力生物」と名乗ることにした。魔力の使い方はその男に教えてもらいながら新人類と共に進化していった。


 だがこの魔力を使って良からぬ事を考える者もいた。それらは研究の末に人間をやめ「魔物」という姿へと変貌していった。現在のゴブリン等は新人類が魔物へと姿を変えて繁殖していき進化した姿になっている。


 種族が多いのはその取り込んだ魔力量と属性によって変わる。魔力量が少なければゴブリンやスライムになり、多ければオークやオーガ等になる。たまに知能を持ったゴブリンなどがいるのは人間のDNAを少なからず引き継いでいるからだろう。


 だが男はその姿に変貌した人類を止めることはしなかった。男はこれも呪いだと言い、残った人類と生物に知恵を与えてくれた。


 時は訪れ魔物は魔族に進化するものが現れ、そこからは早かった。魔王という魔族と魔物の王が君臨した。魔王は次々と人類の築き上げた国を滅ぼして我らが住む森も焼き払っていった。流石に腹が立った男は自身を模った4人のゴーレムを出すと、勇者・賢者・戦士・盗賊の名を付けた。


 この4人の存在は今を生きる者たちの支えになり、魔王を倒す唯一の希望となった。その後魔王は4人に倒されると各地に散らばり、魔王を討ち滅ぼした伝説を未来の人類の為に本にして残した。


 その頃には私も大きくなり歳をとった。今では近くの村の守り神になって、甲羅の山には小さな動物や精霊たちが住んで心地よい生活が送れていた。


 ある時村に1人の魔族がやって来た。この魔族は最初こそ村の民に嫌われていたけどだんだん心を許すようになっていき、人類と魔族が共存する夢の様な景色がそこにはあった。

 

 だがその景色は長くは続かなかった。ある日の夜にいつもの様に村で私に向けてのお祭りをやっていた時、奴が来たのだ。現魔王の奴が村に来て人類と共存している魔族を見て腹立たしくなったのか、その魔族の魔力を魔王が膨れ上がらせ醜い姿にさせてしまった。


 魔族の者は魔王に支配されながらも必死に抵抗していたが抗えず村の民に攻撃してしまったのだ。魔王が魔力をもっと注入すると姿を変えて「ドラゴン」の姿に変えてしまい心までもが洗脳されてしまった。その後魔王は去ったが魔族の者は二度と元の姿に戻ることもなかった為、急遽私の火山口付近に鎖で縛り封印することにした。


 封印することに成功したが魔族の者はあの状態のままだ。魔力で抑えられなくなった体は封印されていても蝕んでいく。彼を誰か安らかに倒してはくれないだろうか、あの男にだったらできたのかもしれぬな。


 結局あれ以降、あの男に会うことも出来ず今何をしているのかも分からない。今を生きる者に伝えるとすればあの男を探して私のとこに連れてきてほしい。私もいつ寿命が尽きるか分からないし、魔王に支配されるかもしれない。そうなった時止めることができそうなのはあの男だけだ。未来の勇者よ切実な願いではあるが頼んだぞ。




 


 


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