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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 序章 ミヤ編
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2.薬屋面接

 僕は明日説明会を控えている薬師である。僕はコミュ障なので緊張で胸がいっぱいである。職場にアットホームな…と入れようか迷ったが、今思えば全くアットホームではない。


 キツい作業はないのだけれど、人によっては合う合わないがあるだろう。あぁ…どういう顔で説明会をすればいいだろうか。ここはゆっくり寝て気持ちを落ち着かせよう。


 

 とうとう当日になった。気分が悪い、と言いたいがこれも自分が少しでも楽になる為だからしょうがない。それと後継者も必要だからいい人材がいるといいんだけどね。


 冒険者ギルドに入ると、いつも以上に人がいた。凄く混み合っていて僕は吐きそうだった。朝10時〜昼2時まで説明会がある。色んな職業の説明があるが気になるものを僕なりにアップした。


 冒険者ギルド受付・王都の兵士


 大手鍛冶屋の職人・魔法等の学園の先生


 などなどあった。ここら辺が暮らしには困らないと思うけど、先生ってブラックなんだろうな。兵士とかも魔物や敵国と戦うので命を落とすかもしれない危険な仕事だ。こんな偉大な職業の説明がなされた後に僕みたいな薬屋の説明をすると思うと頭が上がらない。


 ついに僕の番が来た。どうもこんにちは僕は王都東の図書館近くにある薬屋ムーフルを営んでいますミヤと申します。


 仕事としてはいくつかありまして、【薬の調合】・【素材収集】・【掃除】が主な仕事です。


 【薬の調合】はお店に置いてある下位ポーションの調合をしてもらいます。作った事ない方でも僕が1から教えますので安心してください。


 【素材収集】は王都外の森などに出向いて薬草などを採取します。当然森の中は魔物もいますのである程度戦いができる人がいいです。


 【掃除】 はお店の外周りや店内の清掃です。ここに関してはさほど言うことはないですが、調合室の薬品等は触らないようにして下さい。


 年齢は冒険者になれる15歳を最低としています。それ以下の方は申し訳ありませんが仕事には就けません。朝9時から17時までで休憩は1時間とさせてもらっています。調合室はキッチンと合体してますので好きに休憩時に使って下さい。


「月給など聞いてもよろしいですか?」


 月給は銀貨40枚+αです。この発言で説明会を聞いていた人は騒いでいた。そうだろうな、大体の王都の職場の月給は銀貨30枚なのだから騒ぐのも納得がいく。


 それについては調合師+魔物を倒せる位の人材が欲しいからです。低級の魔物でも命を落とす方模少なくないですから、この金額が妥当だと思いました。


 「+αというのはどういった物ですか?」


 そこは職場に就いた人達に話しますので控えさせてもらいます。


 皆さんが毎日を楽しめる職場にできたらいいなと思っていますのでぜひ応募してみて下さい。これにて薬屋ムーフルの説明会を終了します。



 うまくいったのだろうか。話はなしで噛む事はなかったけど、不安と安心が入り乱れている。


 「ミヤ!大変だ、今すぐ来てくれ!」


 ギルマスにそう言われ控室に行くと応募者でいっぱいいっぱいだった。ほとんど説明会に来てくださった方ばかり。1人も来ないと思っていたので面接は明日以降かと思っていたが、今日やる事になった。面接官は僕とギルマスとお世話になっている銀の騎士クランマスターのラッタクさんを迎え入れた3人で面接をしていく。


 可哀想だか15歳以下の方々には帰ってもらった。泣きながら来る者もいたが規則なので仕方ない。


 面接は悪く言うとドングリの背比べのようだった。これといった人材はいなく、半数の面接が終わった。けど、それを凌駕する人材が現れた。


 名をカエデ・スカーレット。王都でも有名なスカーレット家の御令嬢である。


 私はカエデ・スカーレットですわ。私は主に調合と計算ができますの。王都の学園に通っていたので知識等は並の民よりも優れていますのよ。勿論調合の知識や経験もありまして、下位ポーションであれば10分あれば1本作れますの。


 10分で1本は一般的に見れば凄く早い。一般の調合師が1本30分掛かる。下位ポーションでも上位ポーションでも言える事だが、熟練度というのが存在する。

 

 熟練度は3級・2級・1級に分かれており、効果や作る速度が違う。このカエデさんは下位ポーション1級相当の実力者だと思う。待ち望んでいた人材が目の前に現れた。


 カエデ・スカーレットさん、合格です。一緒に薬屋ムーフルを支えていきましょう。後ろにいる方はカエデ嬢のメイドさんでしょうか?


 そうですの、私の生活を支えるうえで必要ですわ。ですので私を合格にするのであれば従者のヴァイオレットも一緒ですがよろしくて?


 そちらのメイドさんは何ができますか?


 主に会計や掃除、料理…


 料理!料理ができるんですね。合格です。従業員のモチベーションを支えるには料理できる人が必須ですからね。それだけでも価値があります。是非一緒に来てください。


 こうして面接が終わった。カエデ嬢以外にも1人雇った方がいる。昔王都で調合師として働いていてヒールが使える方だ。その人には調合と診察室で患者の手当をしてもらおうと思う。

カエデ・スカーレット

スカーレット家長女 


ヴァイオレット

カエデ・スカーレットの従者兼幼馴染

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