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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 一章 学園編
18/94

17.雪崩に襲われて

 早朝4:00頃にドルトン君に起こされた。朝早いと思ったけどこの位の時間に行かないと次の7合に着くまでに夜を迎えてしまうらしい。夜は気温がガクッと下がるのでリタイアする人が多いし、夜中登っていても体力の尽きが早くなってしまうから。


 身支度を進めて小屋を出た。リンガル山の合格ラインが5合付近になっていて一応先生方が待っている。勿論そこで終わってもいいけど目指すなら頂上だろうね。評価は5段階になっていてAからEで分かれている。今回の登山の5合はDの評価になる。まぁ最低ラインがそこだからしょうがない。7合でC、9合でBで頂上がAになるんだけど、9合と10合で評価が違うのには理由があって9合付近から急斜じゃなくなり崖を登るからである。


 約573mの崖を登ったら頂上になる為困難なのである。9合まで行けたら最高で10合に行けたら将来の進路が華やかになると言われている。ここは大の大人でさえも諦めてしまうので挑戦という形になっている。


 僕らは急斜をゆっくりと進んでいると先頭のドルトン君が足を止めた。


「前から音がする…何かこっちに来るような…」


 音を感じたドルトン君は皆にも共有した。その音は段々大きくなり、こちらに迫ってきた。


「これは…雪崩だ!みんな岩の後に隠れるんだ早く!」


 僕らは急いで大きな岩の後に隠れた。すると一瞬にして雪崩が来た。ドルトン君の早い判断がなければみんな巻き込まれていただろうが、岩の後に身を潜めるのも時間の問題だった。


 

 良かった、万が一こうならと思って持ってきてたのが「空間ハウス」。何もない空間に扉を作る魔法みたいな魔法具で、扉を開ければ小さい家に繋がっている。私達はこの空間ハウスの中に入ったがこの魔法具も万能じゃない。1日経てば効果がなくなり強制的に外に出されるのだ。いつまでこの雪崩が続くかも分からないのでここで1日を終えた。


 私達が空間ハウスで休んでいた所は大体6合付近でそれより下にいた生徒は5合にいた先生方がによってせき止め守られていた。先生方は危険だと命じ、このイベントを中止したけど、私達はそれよりも先にいた為、その知らせを聞くことはできなかった。


 雪崩のせいで本来進む道が消えていてどこが安全かも分からない。これではドルトン君も困惑しており、一同は悩んでいた。とりあえず上を目指し足を運んでいたが今分かるのは登っていることだけで辺り一面同じ景色になっている事に私は絶望していた。


 いつの間にか猛吹雪になっていて今日はこれ以上先に進めそうもなかった。空間ハウスは消費したので山に穴を掘って火を灯した。

 これで3日が過ぎていた。おそらくここが9合になるのかな、10合に行くには目の前にある断崖絶壁を登らないといけない。ユウキはここで止めようと言っていたけど他のみんなはここまで来たんだからと登ることにした。


 

 僕らはこの壁を命綱無しで登っている。僕は父さんと同じで高所恐怖症だから今の状態で下を見たくない。ただでさえこの山登り自体が嫌だったのに…


 学園からの支給品の中に少し大きな釘とロープがあったので使うことにした。数に限りがあったので、途中まで自力で行ってマテラ君が先頭で登っていく。釘を思いっきり壁に差し込みロープをかけ、安全に登っていると


「まずい釘が取れ…」


 ドルトン君!このままじゃまずい。下が雪だとしてもこの高さからだと…あぁもう、こんな事考えてる余裕なんてないよ。僕は咄嗟に無属性の【身体強化】を唱えていた。自分の右手を壁にめり込ませて左手でドルトン君を掴んだ。身体強化は自分のステータスを大幅に上げることができるがその分体力の消耗が激しいので長い時間の使用はできない。


 僕も後もう少しで…倒れ…



 ユウキ!ドルトン君!嘘でしょ…2人は下まで落ちていった。私はマテラ君と共に下まで降りていくと白い雪は真っ赤に染まっていて私も意識が…とおのい…て…いく…


 




 


 

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