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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 序章 ミヤ編
14/94

14.新時代の若者の巣立ち

 明後日の朝、親子で学園の見学にいけるらしいので僕とサラさんはユウキとシルフィと共に行くことにした。1日だけ見学だったので温泉の女将代理としてアンジーナに任せた。あの子には本当に感謝してるよ、後で褒賞をたんまりと渡さないとね。


 リンガルの学園はここ薬師温泉通りから西に真っ直ぐ行って大きな橋を渡る。山の方からでも行けるのだけど遠回りになるのでやめたほうがいい。橋を渡った後少し急な坂を登るのだがこの坂、馬車を漕ごうとすると馬の力では耐えきれず逆走してしまうのだ。


 これはこの学園の教えで、常日頃から運動をして基礎体力を高めよう…というのがあるらしい。頭のいい君達ならわかるけど氷魔法や風魔法、無属性の魔法を使えばすぐに坂を登りきれるのだ。学園はそれも見越しているらしく、魔法の練習にもなるからと許可している。


 急な坂を登ると大きな門が見えた。ここのリンガルの学園は青・紫・黒の制服があり、1年は青色になっていて紫は2年生になっており、黒は3年生です。その色の理由が魔法って知るに連れて深淵に誘われると言われているのを体現しているらしい。魔法というのは人々の闘いや魔物との戦いで成長してきた物であるので、その意味を理解してほしいというのもあるらしいけど、深読みし過ぎだと思う。


 学園の生徒の人数は多い。その理由として12歳になったか子供には無条件で招待状を送るからだ。これはどんなに劣悪な状況でも裕福な生まれであろうともその「才能」を持つ生徒が欲しいとのこと。その才能が小さくても学園で鍛え上げれば将来の役に少なからず影響するだろうということから、授業料を無料にしている。昔の日本とは全然お金の使い方が違うね、いい意味で。


 学園の中は清潔に保たれていて教師や業務員の方が風魔法などでホコリを集めて火魔法で燃やしているらしい。浄化魔法及び聖属性は希少性が高いので聖属性魔法を使える教師は数名だけいるらしい。流石魔法学園というだけあって教師のレベルも高い。


 生徒の風紀もちゃんとしており、ここ魔法学園は貴族主義を嫌っているので貴族であれ平民であれ平等となっている。


 これならうちの子達も安心できるだろう。貴族問題で1年目で辞める人も少なからずいるから、いい生活を送れるに違いない。


 ユウキとシルフィは早速学園に通いたいと言ってくれたので受験に向けてあと1ヶ月時を待った。


 

 受験当日は門まで一緒に行って試験が終わるまで待っているつもりだ。受験内容は筆記と的に魔法を当てるのと、教師との剣の対決がある。この3つの評価に基づき合格者を決めるのだがその心配はなかったようだ。


 2年前から僕と魔法の練習もしてたし、ラッタクさんの剣の指導やサラさんの勉強会があったのもあり、2人とも首席で合格することができた。


 明日からとうとう学園生活、僕らは温泉街から見守る事しか出来ないけどあの子達に幸あれ。


次回はあらすじと簡単な人物紹介になります

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