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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 三章 ミライ編
117/117

115.芸術コンテスト後編

 さぁ、バトルも大詰めに差し掛かりましたが準決勝戦第1試合開始いたします。


 初手はカエデ選手から…かませ!


 カエデ

 私は思考が武器 脳内は兵器

 言葉は凶器 論理で切り刻む定義

 一瞬で把握 因果を展開

 噛む前に負けるぜ その浅い見解


 韻は設計図 フロウは数式

 直感と理性が同時に共振

 感情論?却下 ここは戦場

 開口一番で詰む これが開戦の合図


 サラ

 前提崩壊 その理論は未完成

 速さだけ誇るなら精度は半減

 知識の山も使えなきゃ砂

 私は一本で折る 因果の柱


 点で語るな 線で見ろ世界

 結論急ぐ癖が敗因の正体

 思考の格が違う もう明白

 ここで決着だ 頭脳は私が制圧


 カエデ

 前提ミスれば結論は∅

 お前の論理は未定義の変数

 仮説×検証=私の基本式

 お前は感覚論で誤差が蓄積


 思考の精度はlimで証明

 n→∞でもブレない視点

 整合性ならΣ私が上

 この式は既に解いてある、勝敗=私


 サラ

 前提欠落 仮説破綻 定義不在で即解散

 因果無視の結論先走り 思考は常に短絡

 論点逸脱 誤魔化し連発 でも構造は単純

 私は俯瞰で全把握 お前は局所で迷走中


 反論風の雑音混線 意味は全部キャンセル

 整合性Σで圧殺 limかけても無限差

 一拍遅れで理解不能 追いつく前に終了

 チェックメイト 宣言不要 これが完全論破の速度

 

 カエデ

 その論破、診断結果は誤診

 症状だけ見て原因は未検診

 データ摘出せず結論投与

 副作用で理論が機能不全症状


 私は問診・検査・鑑別まで網羅

 お前は一枚の数値で断定処方

 完全論破?それは言葉の麻酔

 覚めたら分かる、真実はまだ未治癒


 サラ

 始まる前から結末は視えていた

 言葉の選択 沈黙の時間まで予兆

 抗うほど筋書きは鮮明

 否定も反論も既に既定


 問いを発した瞬間に答えは過去

 選択肢は幻 分岐は存在しない構造

 私は知る者 記す者 終わりを告げる声

 この対話はここで完結──予言どおりに終了


カエデ「やはり一筋縄ではいかない相手だったわね。」


サラ「予言は覆せないものよカエデちゃん。」


 カエデ選手

 歓声率【89%】男7割・女3割


 サラ選手

 歓声率【90%】男6割・女4割


 1%の差でサラ選手の勝利となります。数式で挑むカエデ選手でしたが預言者であるサラ選手には挑む前から負けが見えていたとは言えない程の接戦だったと思います。


 では間髪入れず次のバトルを開始します。両者は前へ…


 ユウキvsレベッカ…かませ!


 ユウキ

 ただいま小声 鍵回すのも慎重

 物音ひとつで寿命が減少

 「おかえり?」その間が怖い

 笑顔の裏に雷雲みたい

 

 ため息=警報 視線=裁定

 ソファの端で姿勢は最低

 愛してるけど声が震える

 家庭内ヒエラルキー最下層で生きてる


 レベッカ

 被害者ぶる前に鏡を見な

 優しさを当然みたいに使うな

 弱いフリして責任回避

 黙ってれば愛が減らないと勘違い


 我慢してたのは私の方

 空気読んでたのも私の日常

 守ってほしい?まず変われ

 家庭は舞台じゃない、ここは現実だよ


 ユウキ

 言い訳探して目を伏せてた

 甘えを優しさと履き違えた

 弱さを盾にして逃げてた

 向き合う覚悟が足りてなかった


 当たり前を守る努力不足

 任せきりにしてた日々を反省中

 ごめん、ちゃんと聞く ちゃんとやる

 今度は言葉じゃなく行動で示す


 レベッカ

 べ、別に怒ってないし?普通だし

 期待してないって顔で強がり

 謝罪?まぁ…聞いとくけど

 本音言えば少しだけ嬉しいけど


 察しろとか言わない、でも察して

 言葉一つで心は安定

 手を伸ばす勇気、まだ下手だけど

 愛してほしいのは……言わなくても


 ユウキ

 強がりも沈黙も全部含めて

 不器用な優しさだって今は分かって

 言葉足らずで何度も迷わせた

 それでも隣にいてくれた


 当たり前じゃない毎日に気づいた

 君の笑顔が俺の帰る場所だ

 照れなくていい、今日はちゃんと言う

 不器用だけど――君のこと、愛してる


 レベッカ

 ちょ、ちょっと待って今それ言う?

 心の準備とか聞いてないし

 急に真顔で反則でしょ

 視線逸らして動悸が暴走


 べ、別に嬉しくないわけじゃ…

 その顔で見るのやめてほしいだけ

 落ち着け私、深呼吸二回

 ……ばか、そういうのは不意打ち禁止だから


レベッカ「私の負けでいいです。」


 人前でお母様が女の顔になっているのは羞恥心を感じる。アレスとアテナには申し訳ないけど、この光景をどうか目に焼き付けないでほしい。何なら全て忘れていてほしい。


 レベッカ選手が脱落ということでユウキ選手の勝ち。


ユウキ「勝ったぞ!………、てことは母さんとやるんだっけ?」


サラ「息子との対談楽しみですね。」


ユウキ「バトルする前から殺る顔してるけど今日が命日ってことは無いよね?」


サラ「さぁ、どうでしょう。」


 ラストはユウキ選手vsサラ選手の親子対決になってしまった。観客の熱も沸騰してきた頃でしょうが、ユウキ選手の今の気持ちは誰よりも冷めています。最初から勝てないと分かっている様な瞳をコチラに向けていますが、一国の王が引き下がるなんて事ないですよね?


ユウキ「娘に言われたくないこと全部言われて悲しいですが、元勇者としての意地を見せてやります!」


 観客の熱が下がらない様にパパっとやっちゃいましょう!バトル…開始!!


 ユウキ

 闇を裂く一歩 ここが最前線

 背負った願いが剣に変換

 恐怖は越えてきた旅の残像

 仲間の声が鼓動を伴奏


 絶望の王よ 終焉を告げる

 希望は折れず 何度も蘇る

 運命が敵でも退かない理由

 今ここで示す

 

 サラ

 希望?幻想 剣も理想論

 その正義ごと粉砕する理の暴論

 積み上げた旅路は前座の章

 歴史は常に勝者が上書きする法


 勇気は数値化 恐怖で減衰

 仲間の声?今は届かない

 一歩踏み出した時点で詰み

 挑んだ勇者よ――跪け


 ユウキ

 勝てない?分かってる それでも立つ理由

 背後にあるのは逃げ場ない民の祈る手

 恐怖で膝が笑っても剣は離さねぇ

 俺が倒れても時間は稼げる、それでいい


 英雄譚じゃない これは盾になる話

 希望は勝利じゃなく「諦めない証」

 ここで折れたら全てが闇に沈む

 だから命を賭ける――俺が最後の踏み止まりになる


 サラ

 計算は済んだ 勝率は1%

 残り99は恐怖と後悔の選択肢

 奇跡に賭ける?それも想定内

 希望が折れる瞬間までシナリオ通り


 民の祈り?ここではノイズ

 感情は数値で既に排除

 踏み出す一歩が無謀と証明

 さぁ続けろ勇者、その1%が砕けるまで


 ユウキ

 1%でもいい 0になるまでは立つ

 倒れた名を胸に刻み込んで進む

 泣き声が背中を押す重さ

 俺が折れたら無駄になる命の数だ


 剣が震えるのは恐怖じゃない

 奪われた未来がここに集まってるサイン

 勝率じゃ測れない意志がある

 犠牲の上に立つ今、俺はもう退かない


 サラ

 あり得ん…予測式が崩壊?

 因果は固定のはずだ、何が介在

 確率は収束 1%は零

 なのに立っている?計算が嘘を吐く


 世界線にノイズ 想定外の変数

 犠牲の意志がコードを書き換えるルール

 予言が裂ける、この瞬間

 バグだと?いや…これは“意思”の反乱


 ユウキ

 もう力はない 剣も欠けてる

 それでも倒れた名が俺を立たせてる

 未来を燃料に最後の一撃

 命ごと叩き込む これが俺の責任


 予言も確率もここで終わり

 犠牲は無駄じゃないと今示すために

 光は俺ごと消えてもいい

 魔王よ倒れろ――これが人の勝利


 サラ

 ……終わりだと?その認識が甘い

 これは序章、まだ檻を外しただけ

 核が砕けた?それは殻

 真の私は今、恐怖そのものになる段階


 予言はここから書き換わる

 世界が軋む、位相が反転する

 燃え尽きた勇者よ、絶望を見ろ

 第2形態起動――さぁ、地獄の続編だ


 ユウキ

 ここまでだな…剣はもう握れない

 でも終わりじゃない それだけは違いない

 俺が倒れても消えないもの

 恐怖に抗った、その選択の炎


 名も無き誰かがきっと立つ

 この意志は血じゃなく行動に宿る

 勝利は今日じゃないかもしれない

 だが魔王よ覚えとけ――勇者は何度でも生まれる


 サラ

 倒れたな勇者、ここで幕引き

 だが急ぐ気はない、時間は私の味方

 意志が継がれる?構わない

 絶望が熟すまで待ってやるだけだ


 希望が芽吹けば刈り取るだけ

 歴史は何度も私を証明

 次の名を名乗る者が来るまで

 玉座で微笑む――完全勝利、待機中だ


ユウキ「勝ったと思ったんだけどなぁ…」


サラ「再戦待ってるわ、息子よ。」


 ここでバトル終了…一瞬勝ったと思われた元勇者ユウキ選手でしたが、形態変化を残していたサラ選手に分がありました。やはり子は親に勝てないと体現しているようです。


 ということで芸術コンテストラップバトル第一回勝者は…サラ選手になります。優勝者には私から特別なトロフィーを贈呈します。ではこれにてラップバトルを終了します…


サラ「いい感じに終わらせようとしてるけど"ピキッとおばさん"って言った件、終わってないわよミライちゃん」


 へ?


サラ「別室でじっくりバトルしながら話し合いましょうね。」


 そう言うわけで解散!

 


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