109.レベルの概念
旅行1日目の夜「ナーガノ国」に汽車が停車した。私達は降りて夕食を終えて旅行先のバザーでいいものを見つけた。
名を「レベル鑑定機」と言い、その名の通りレベルを見ることができる。この世界に来て分かったことはステータスにレベルが存在しないこと。RPGゲームなら必須と言ってもいいくらいの事。
私も4歳の時にミヤおじいちゃんにレベルの事を聞いたんだけど曖昧な言葉しか返してくれなかったし大図書館の文献にもそれらしきものは存在しなかった。だからこのレベル鑑定機が本物なのかは分からないが、本物だったとしたら…って考えたけど別に困ったことはなかった。
強いて言うなら興味があったくらいだ。勇者であるお父様のレベルや転生した私のレベルが少し気になったくらい。骨董屋でこれが欲しいと私がお父様に頼むとすぐに買ってくれた。
カエデさんは甘やかすのは良くないですよと言っていたけどお父様はそんなことはないと言いながら私が欲しいと言ったものは全て買ってくれた。
しばらくして買い物は終わり、汽車の一室に戻りレベル鑑定機を実際に使用してみる。それらしい画面に手をかざすと鑑定開始。
鑑定機の中の歯車がコツコツと動き始めて画面に%が出てくる。これは読み込みだと思った私は100%になるまでしばらく待つ。少し魔力が吸い取られる感覚があったけど錬金術師から見るに鑑定機の中に魔石が入っていて、その魔石に魔力を抽出してレベルを鑑定しているのだと感じた。
100%になった時画面から手を離すと私のレベルが現れた。私のレベルは40、これが高いのか低いのか分からないけどゲームだったら終盤くらいのレベルだ。
私はお父様屋カエデさんに力を借りて2人のレベルを鑑定した。2人は快く受け入れてくれてレベル鑑定が終わる。カエデさんのレベルは86だった。病院で働く回復術士だから病気や怪我を治せばレベルが上がるのだろうと納得した。
問題はお父様の方だ。お父様は仮にも勇者なので100レベル超えてても何ら不思議じゃないと思っていたのが正解だった。お父様のレベルは320レベルだった。予想していたよりもはるかに高い数値だったので私は声を荒げるがこれよりも強いおじいちゃんがどのくらいなんだと更に興味がわいた。
するとレベル鑑定機は鑑定を止めて記録表が映し出される。今までにこの鑑定機に触れた者のレベルの一覧が見れたが意外な人物がレベル鑑定機を使っていた事が分かった。
名前だけ聞いた事ある。お母様のお父上で全ての元凶と言える存在インドラ・バハムート・フライレ。一冊の大英雄の物語に悪役として最後に出てくるインドラは、かつて大陸中の魔物を全て支配下に置いていた実力者で同族からも悪魔と呼ばれていた。
そんな奴のレベルが驚愕だった。お父様からはあの時の戦いの魔王は仮の姿に加えて全盛期じゃないとミヤおじいちゃんに聞かされていた。その戦いは私が生まれる5年前の出来事だけど、この記録に残されている日付は数百年も前だった。
当時の記録だとしてもこのレベルはヤバい事が分かる。どうやってお父様達が倒せたのか分からないし初代勇者が化け物だった事も分かる。インドラ・バハムート・フライレの全盛期のレベルは1,263。
でも、この記録表…ランキング形式になっている感じだった。まだ上にスクロールできるみたいだけどこれ以上のレベルって他に誰がいるのかと私はドキドキしてスクロールすると昔の記録だったのか、レベル鑑定機の調子が悪くなり壊れてしまった。
画面も所々黒くなって見えなくなっていたけど1番上は………プリムス………3,700で2番目は………ミヤ………2,600と記されてあった。
ミヤってミヤおじいちゃんのことかな?だったらミヤの前に名前があるのもおかしいし、記録も魔王とそこまで変わらない日付だった事から違う人物なのかもしれない。そしてその上にあるのがプリムス?確かラテン語で原初って意味があるけど何の原初なんだろう?
まぁいいや、この旅行が終わったら皆のレベルも確認しようと思いながら1日目を終えるのであった。




