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劣等薬屋は世界を救う  作者:
劣等薬屋 序章 ミヤ編
11/96

11.薬師温泉旅館「九条」

 僕の名前はミヤ、ここ雪の都市リンガルに薬師温泉旅館を持つ25歳実質子持ちである。今は温泉開店前の朝5:00、風呂場全体に浄化をしながら掃除をしていった。早起きなアンジーナとヴァイオレットが手伝ってくれていた。意外にもサラさんは朝が苦手で寝ぼけながら僕らの前に来た。サラさんは元王都の神官なので「浄化」は使えて、めちゃくちゃ広い風呂場を掃除するのに助かる。


 双子のユウキとシルフィは寝ていて、カエデ嬢は相変わらずショックで部屋から出てこない。シアメルは温泉で出す酒を買いに市場へ行き、フリッテとタクトは大広間の掃除をしている。本当に始まるんだな、まさか薬屋として働いていたのに温泉旅館で総支配人になるなんて思わないわな。


 総支配人っても諸々はサラさんとアンジーナが指揮するみたいなので僕はただのお飾り支配人です。双子ちゃんはリンガルの学園に預ける事にしました。といっても12歳からなので後2年後になります。それまでは家の手伝いやらしてもらおうと思いますが、ユウキが薬師に興味を持ったのでいずれは下位ポーションを作ってもらえるかな?


 朝6:30になりましたので開店します。やはり仕事前に温まりたいというのもあってか、沢山の人が来てくれます。特に多いのがドワーフでしょうか、忘れてはいけないのがここは鉱山内の一部だということ。ドワーフ達はワトソンさんと今後について話し合い、前よりいい条件で雇ってくれていた。だから鉱石掘りの前に温泉に浸かっておきたいんだと。


 旅館のチェックインは昼からなのでここでやることはなくなった。受付をしているフリッテとタクトもドワーフさんの大群を過ぎれば暇そうにしていた。僕は受付近くに薬屋兼飲料水場を設置していた。自販機なる物は技術が難しいので作るのは断念したが、なんだかんだ人が接客した方がそれなりに気持ちが籠もってるんだろうと勝手に解釈する。


 売っている物は前とあまり変わらない。新商品として炭酸入りのポーションがあるのと、貼る用の回復・舐める用の回復を用意している。炭酸入りポーションは何処かコー◯の様な味わいと共に元気になるバフをかけるし、そのまんまの名前だが回復湿布は貼った所の痛みを癒し疲労回復の効果がある。回復飴玉はリジェネだけだが舐めるだけなので歩きながらでも回復できるのが優秀だ。どれも下位ポーションで作れる為安く買える。


 そうそう、忘れてると思っていたレスダーさんは家の護衛をしてくれる。その他にレスダーさんが連れてきた冒険者も定期的に護衛してくれるのでその人たちには無料で温泉を提供する事になった。


 只今お昼頃、時間は11:30になったので一旦温泉は閉めます。この時間は旅館のチェックインのみを行います。他にも人を雇っているのでここで交代して次15:00に温泉を開きます。 


 サラさんは女将としてやる事があるので僕は一時的に薬屋を閉店させて双子のとこに行く。僕はある程度の魔法を習得しているのでこういった暇な時間に教えている。リンガルの学園は勿論魔法以外も剣術や商人の科目もある。勉学はサラさん達に教えてもらったほうがいい。僕は薬師と魔法以外の知識はカラッきしなので教えることはできない、バカな父でゴメンね。


 魔法を教える前に儀式をしなければならない。その儀式というのはその人がどんな属性を持っているのか、魔力量はどの位なのかという情報を映し出してくれるやつだ。


 魔力量が多ければ多い程使える魔法も増えるし、連続で使う事も出来る。ユウキの場合は基本属性が無・水・光の三属性で魔力量は4,000程ある。シルフィの基本属性は風・雷・土の三属性で魔力量は3,800だった。この魔力量の大体の指標を下に記す。


 村人レベルの魔力量  100〜200


 平均的冒険者の魔力量 400〜700

 

 宮廷魔導師の魔力量  1,000〜3,000


 賢者の魔力量     3,500〜


 とされている。僕も賢者並の魔力量はあるけど、賢者レベルの魔力量の人って両手で数える位の人しかいないんだよ。この子達は鍛えれば僕以上の強さになるんじゃないかな?


 属性も分かったことだし魔法についての軽い説明をした。学園で教わるやり方で、魔力を水の入った器と見立てる。そこからコップで水をすくい上げるイメージで魔力を一点に集中させ、火や水が出てくるって感じ。


 この魔力を体の中に感じさせるのが重要で冒険者の魔法使いなんかは魔力を「感じ」・「集めて」・「出して」・「放つ」っていうのを【詠唱】にして魔法を使ってる。詠唱は一つ一つの魔法に用意されてあり、基本的には詠唱を唱えれば魔法は出てくる。詠唱を途中で端折る事もできるけど完全に詠唱しない事もできる。


 かつての勇者パーティーにいた賢者がそうだった。彼はこの世界で一番魔法を追い求めていた。幼い頃から天才と呼ばれ沢山の期待で彼自身は押しつぶされていた。それと同時に詠唱に違和感を感じ始めた。


 王都で冒険者が訓練で魔法を放つ時長々しい詠唱を唱える。厨二病の様な「火の精霊よ…」から始まるような詠唱は彼の心を強く突き刺した。詠唱が長いと魔物に狙われやすいし、厨二病の様な詠唱を唱えたくないと考えた彼は無詠唱でも魔法が出せるように特訓し習得した。


 当然ながら僕も無詠唱で使うが、それをよく思わない奴らもいる。何のデータも無いのに無詠唱の方が詠唱ありの方よりも威力が弱いと言うものや、詠唱は神からの捧げの言葉という邪教のような事を言う奴。


 話はそれだけど要はこの子達も無詠唱が出来るように今から特訓しようと考えている。ユウキとシルフィは感が良くすぐに魔法を出すことができた。


 言い忘れていたけど、本来は冒険者組合かそういった学園で訓練した後魔法を使っていいという許可が下りるのだが特例があって、今のように魔法玄人の人が安全面を確保しつつ教えるというのは許可されている。


 学園に通うまでに2年あるから基本さえ覚えれば最初のつまずくポイントはなくなるだろうね。初級の魔法から2人に教えていった。


 結構教えるのに夢中になりすぎて時間が18:00頃になっていた。まずいな…サラさんに怒られてしまう、開店までのちょっとした時間だけ教えるつもりだったのに温泉の閉店前までやっていた。


 

 僕はその後みっちりサラさんや従業員の方々に怒られた。薬屋をほったらかしにしたあげく、店に戻らないとかありえない。温泉の最終時間は19:00になっていて、それ以降は閉店して旅館で泊まっている人だけが入れる様になっている。


 お風呂場は常に浄化がされているのでお湯の入れ替えをしなくても綺麗になるけど見た目が嫌という従業員の意見を採用して、水魔法が使える従業員と僕は完全に締め切った22:00頃に入れ替えを行っている。


 大変だけど皆の癒しになればそれでいいし、ここが有名になれば薬を買ってくれる人も増えるかもしれない。つまりやるっきゃないって事さ!


 

 

 

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