101.革命的武器「ブーメラン」
私はミライ、フェイト王国の第1王女なのだが訳あって謹慎処分でお城から出れない状況下にある。私がとある武器を作るため錬金術で研究をしていたのだが、誤ってお父様に当たってしまいお母様から罰として1週間外出禁止を命じられた。
この世界には剣や魔法は存在するが投擲武器と言ったら何を思い浮かべるだろうか。投げナイフやトマホーク、石や爆発物とあるがこの中でも一番魅力的な武器がある。それが「ブーメラン」なのだ。
ブーメランと言えば小さい頃公園で飛ばして遊んでいた記憶があるが、これを武器にして戦っていた人もいるとかいないとかネットの情報だったから真実か分からないけど、それが本当であれ嘘であれ私は興味を持ってしまった。
試作品1号は城内の木々を切り取って型を作り完成した「木のブーメラン」は耐久力はあまり無いが当たれば少し痛いし、コスト面を考えればほぼ無料でトントンと言った所。
ブーメランの傾斜の角度によっても飛び方が変わってくるのが魅力的で、わざと変な風に飛ばしたりもできる。それで的に向って投げていたら会食をしていたお父様に当たり、説教を受けることに。
会食のメンバーはレスダー学園長やドルトンさんの知っている人達だったから良かったけど、もしも他の国の王や貴族との会食だったら命を狙われるかもしれないとお母様に言われて謹慎処分を受けた。
確かに悪いとは思ってるけど、あれは偶々お父様のとこに飛んでいってしまっただけで私はそんなに悪くないもん…と思い少し反省する。
まぁ錬金なら部屋でもできるので、今度は小さいブーメランを作ることにする。手のひらサイズの物で実戦には向かないが誰にも迷惑がかからない。
これを浮遊させてロックした相手に放つみたいな事も出来るんだけど正直魔法で良くないってなるからね。けど魔力を必要としないから非戦闘員(市民)や魔力切れを起こした時の手段として使うのもいいかもね。投げるだけだから剣みたいに振りかざしたりする筋力も必要ない。
それなら使い切りにすればいいのでは…威力は強めにして魔物に対して投げれば麻痺する効果も付与してあげれば銀貨1枚(1,000円)位の価値はあると思う。
早速商標登録をする為、大図書館を訪れる。シルフィおばさんが商人ギルドの頂点のギルマスなのでお願いをすると簡単に受け入れてくれた。商標登録をすると最低3年間は同じような製品を他者が作れない様になる保証が付いてくる。
私の見立てでは銀貨1枚だったのにシルフィおばさんは銀貨5枚でも安いほうだと言っていたけど製作費はそこら辺の木々というか板材だけでできるので板材は銅貨5枚(500円)で作れるから銀貨5枚だと単純計算でも銀貨4枚と銅貨5枚の(約4,500円)の利益が出る。
ただ作るのに錬金術師の職業が無いと作れないのが難点だが、1日数十個作れる。魔物から市民を守るための必需品になって欲しいので「銀貨1枚でお願い!」とシルフィおばさんに伝えると了承してくれた。
試しに冒険者ギルドの売り場に置いて需要があるかどうか実験をすることにした。消耗品としての値段も下位ポーションより安いから手に取りやすいと思うんだけど、如何せん手のひらサイズの小さいブーメランだからおもちゃと勘違いされる。
「誰だよ、こんな所に子供の玩具置いていった奴」
なんて言われる始末だ。投げるだけで魔物を麻痺させることができるのに、なんでこんな有能アイテム買わないんだろう。
あれは、グランさん…もしかして買ってくれるのかな?というかなんでこんなとこに獣人国の王が来てるの?
マルティア「冒険者としても有名なグランさんが買えば他の冒険者も買う意識も大きくなると思うの。」
マルティアさん!?いつからそこに…というかもしかしてグランさんを使って冒険者達を釣ってる感じだよね。まぁ…得体のしれないものを買うのにも勇気が必要だからね、ここにいる冒険者の大半が悪そうな見た目だけど中身は凄い優しい人ばかり。得体のしれない物は触らないほうがいいと分かっているのです。
ですがグランさんが買った瞬間、その物にブランドが付きます。一見玩具見たいな見た目の武器はグランさんが買うほどの物なんだと冒険者達は認識します。それからは餌を巡る鯉の大群の如く売り場に集まり、一瞬にして在庫がなくなってしまった。
結果として売り場に置いた「小型ブーメラン」30個は全て売れて私の手に銀貨30枚が渡された。1個銅貨5枚で作れるので銀貨15枚の売上になった。私だけで作ったので人件費は無しとして考えれば上々の売上だろう。
その後、冒険者達は小型ブーメランを使ってみたら思ったより有能だと理解したのか連日売り場には小型ブーメランを買う人が続出したのだと。色んな人に買って欲しいので1人3個までと条件を付けて販売。
これが他の国から来た冒険者や商人に伝わって…私がお金持ちに…ぐふふふ。なんて妄想に浸って今日は眠りにつくのであった。




