039_善きに計らえ、
善きに計らえ、って言い放つ権力者は存在し得ない、少なくとも真面目にそれをそのままの意味で発言するよーなお殿様はいないわけなんですよね。
「政治の話?」
そうなんですよ、何せ、すぐそばに超越者がいますから、ごろごろ。
「神様ですよね、しかし互いをどう認識し合ってるんですかね?神様と人が隣り合っている世界観、こう社会構造的に整合性が取れそうにないよーな?」
そこはまあ曖昧なままであったり、ご都合主義やら、楽観主義やら、もしくはコメディ時空やらマヌケ時空やらに引き摺り込まれてるわけで。
「あー、シリアスになり得ない?」
そうですね、何せ、基本的に貧困やら疾病やらがないですから。
資源は因果律操作因子とか願望実現粒子とかそういうものがあるので無限に湧き出てきますし、肉体的な不具合は、これはもう、高度に発達した科学に裏打ちされた上に、出鱈目ご都合粒子を自由自在に操ることのできる超越者が隣人にいますので、どうにでもなるのです。
「この世の楽園では?」
そうですね、ある意味すでにある種の理想郷へ到達した世界なんですよ、それも結構文明発生初期段階から。
争いも、その原因がかなり些細なというか、趣味主張のズレからくるものであったりするぐらいのもので、非常にコミカルなものに成り果ててしまうわけです。
「あー、目玉焼きに何をかける戦争とかですかね?」
性的魅力をどこに感じるのかとか、カップリング論争とか、きのことたけのこどちらが優位であるか、とか、まあそれに準ずる結構楽しげなものが原因となりまして、どちらが正しいのかと真剣に相争うという。
「バカじゃねーのか?」
バカなんですよ、基本、冷笑や嘲笑や哄笑の耐えない世界です。
結構簡単に不慮の事故やら故意の事故やらとかで、亡くなった人格も簡単に復活しますしね。
「あー、殺しが、決定的な、不可逆な要因にならないのか、そりゃぁ、確かに、いざこざが深刻化しないわな」
悪意を抱いても、それを他者に対して行為を実行するよりは、その原因を取り除くか、何か別のもので補填する方が経済的であったり、効率的であったりするわけです。
そしてそれを理解する程度の知恵は結構すぐに手に入る環境にあるんですよね。
「最初からそうだったわけじゃないのですよね?いや、知性を得るまでにそれが、社会を整える過程で、暴力的なことは行われていたのでは?」
だから、社会の発生時、その最初からそれを制御できる、超越者を存在させたのですよ、このなーロッパ世界では。
どういう理由でそれらを用意したのかは、実のところ全く説明ができないのですが、原初から存在する、惑星が誕生したあたりから自己進化を重ねていった、星系規模な野生の超人工知能が、一晩でやってくれやがったのです。
「一晩じゃないだろ」
そこはまあ言葉の綾で。
まあとどのつまり、
無限の資源が確保できる世界において、超越者がその世界に住む、知的生命体に対して、先導者やら庇護者やら指導者やらのように振る舞っていった結果、そこにはなんと!
「なんと?」
究極のコメディもしくはギャグ空間が誕生してしまうのです!
「なーロッパはギャクだった?!」
そう大きく間違ってはないと思う。※
※個神の感想です。




