002_あいぼう。
あいぼう、つまりは相棒であり相方であるな、
一人でぶつぶつと喋っていると不気味ではあるので、神様である私に対してリアクション、主にツッコミを入れてくれる存在を、さっくりと作り出してみた、
肋骨から作るような、ラーメンのだしをとる感じのやり方は、あんまり好みじゃないので、こう、人型ベースでこうエーテルとかなんとかとか、概念的な素材をふんだんに使って創造してみたわけだ。
こういう時に、光あれとか言ってしまうと、それはそれで、著作権というか、アイデア料みたいなのを払わないといけないんだろうか?
「誰に払うんでしょうかね?というか、振込先がわからない上に、普通に詐欺られそうな気がしますよ」
おー喋った、うん、良い声だね、そしてじっとりとした眼差しに、こうやさぐれた感じの服装が、まさにツッコミ担当という感じで良いね!
性別不詳の若者?って感じかな、適当に作ってみたけれども、結構いいセンスしてるね私。
「センスが終わっている創造神に作られる世界というのはこうのっけから、苦難の道のりを歩む運命じゃないですかね?」
まあ、自分好みのものが作れれば満足なので、今回も自己満足を目指しているだけではあるからして?
肯定感だけは凄まじいものがあるからね私、なんて言ったって、神様を自称しているんだもの、創造神よ、偉いのよ、間違えることがないのよ。
「存在自体が間違いとか言われません?」
泣くよ?
全知全能だよ私、仮に失敗しても、時間と空間を遡って完璧に修正できるのだから、結果として正解しかしないんだよ、無制限なループもの主人公なんだよ創造神って、これって凄くない?
「ああ凄い凄い」
軽い!
気を取り直して。
「正気であったためしがあったんだ」
どやかましいわ、気を取り直して!
では自己紹介をどうぞ。
「どうも、例えるならば、いとしこいしの顔面偏差値が高い方、創造神の相方です」
いやどっち?
というか例えが古いな。
「レッツゴー三匹の、三波春夫担当と言った方が良い?、もしくは、青空球児・好児のイケメンの方とか」
それも古いよ、というか、昔の漫才師が好きなの?
「最近の方でいうと、オール阪神巨人のナウイ方とか?」
それも大概古いような、そうでもないような?
「神様が志村さんリスペクトなら、私は加藤氏ポジとか自称しましょうか?」
とんでもねーわしゃ神様だよ、って言ったことないよね?
「まあそういうことなので、ぜひ、名前だけでも覚えていってください」
……名前でてないじゃんかよ。
「名前ないですからね」




