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計算機科学

オシロ!夜眠れないのでアナログとデジタルのことについてぼんやりと考えてみたら迷走した(5)

●オシロ!夜眠れないのでアナログとデジタルのことについてぼんやりと考えてみたら迷走した(5)ー信号1


 ***


 アナログとデジタルに関する第1仮説に続き、(3)で第2仮説を作りましたが、なんだか割り切れない状態です。迷走と言うよりも、もはや混迷していますけれども更に検討して行きます。応援イイねとかを下さい!


 ***


 例えばオシロスコープ(オシロ)。オシロは電気信号の時間変化を波形として視覚化する測定器です。


 アナログ式とデジタル式があります。1家に1台くらいあると良いですね。2台あっても良いですよ。


 なんならスマホより安い機種もあるのです。お子様の誕生日プレゼントによいと思います。今ならハンダゴテやテスターよりもオシロです。ご検討をお願います、お父様!


 ***


 オシロは、ドイツのカール・フェルディナント・ブラウンが1897年にブラウン管(Cathode Ray Tube、CRT、陰極線管)を発明して、これを使って電気信号の変化を表示したのが起源とされています。


 ブラウン管の垂直方向に信号の電圧を与え、垂直方向にはノコギリ状の電圧を与えることによって、電圧の時間変化が管面上に描かれます。信号の電圧と垂直方向の輝点の位置が相応します。そして輝点が水平方向に、左から右に動いて、その軌跡が波形となるのです。


 学生らに波形を見せたくて、ブラウン管を作ってしまうブラウン教授って、きっと熱い人です。1909年にノーベル物理学賞を受賞。何故アメリカに行ってしまったのか。ブラウン運動? これはロバート・ブラウン。


 *


 製品(測定器)としては、アメリカのジェネラルラジオ(General Radio)社が1931年に開発した「Type 535-A Electron Oscillograph」が世界初らしい。ブラウン管と電源とスイープ回路の3つからなる。安定して使えるブラウン管と、スイープ回路(Type 506-A Bedell Sweep Circuit)が開発されたことがポイントかな。後にブラウン管と電源は一体化されて、1934年には全部を一体化した「Type 687-A Electron Oscillograph」を開発。


 1932年にはイギリスのA.C.コッサー(A.C.Cossor)社からオシロスコープが発売されています。Dual-beam 式では世界初とのこと。


 1939年から1945年は第二次世界大戦でした。日本は、...トホホ。


 1947年、アメリカのテクトロニクス社が「モデル511」を開発。トリガー機能を備えたオシロとして世界初。これが画期的な製品でした。


 トリガー機能がないオシロでは、周期的な信号にスイープ回路を同期させるために微調整のノブを回して画面が安定するまで調整する必要があったのです。調整しても完全に同期していないと、やがて波形が右や左に流れていくのです。


 トリガー機能があれば波形を捕まえることが簡単になります!


 テクトロニクス社は1945年12月に創業(最初の社名は Tekrad で、1946年2月に Tektronix に変更)されたばかりの数名の社員しかいないベンチャー企業だったのです。今ではオシロと言えば、まず最初にテクトロニクス社の製品カタログを探しますね! あとはHP(現アジレント(現キーサイト(!)))社と、レクロイ社かな。でもレクロイは何度か酷い目にあったので嫌いだと知人の知人が言ってました。


 日本では、...元気ないね。YHPとかソニーテクトロがあった時代もありました。


 1954年に岩崎通信機(岩通)が発売したトリガー式の「SS-751」はシンクロスコープとも命名されて、オシロのことをシンクロと呼ぶ人もいましたね。


 あとは歴史に残っていないかな? 何か言及すべき製品があったら教えてー


 ***


 さて。デジタルの時代です。


 デジタル式のオシロは電圧を一定間隔でADCした数値をメモリに記録します。それからモニタに波形を表示します。


 今のデジタル式のオシロは、液晶モニタで、OSは Windows とかで、USBメモリにデータを書き出せます。LAN接続してパソコンから制御できるのが当り前です。これで一気に便利になりました。


 デジタル・ストレージ・オシロスコープ(Digital Storage Oscilloscope、DSO)が生まれたのは1970年代です。


 世界初のデジタル・ストレージ・オシロスコープを開発したのはレクロイ社のウォルター・レクロイと主張されています。1971年に発売された「WD2000」です。でも、レクロイ社の WD2000 は20ワードですって。これでDSOかなという感じもしないでもない。


 テクトロニクス社は、1973年にデジタルオシロスコープを(7000シリーズのプラグインとして)販売していたようですが詳細が分かりません。1984年にはCCDを使ったデジタルオシロスコープを開発していたようです。


 高速なADCが出来たのは、1980年代になってからです。そこからの進歩はヤバイです。


 ***


 :

(ヤバイ)

 :


 ***


 本当にあった怖い話です。


 オシロのメモリを増やしたくて、ですね、オプションを購入したのです。


 そしたら普通はハードウェアが届くと思うのですが、紙が届きまして、長いパスコードが印刷されていて、これを本体に入力して、と書いてあります。


 その通りにしたらメモリが増えました。本当にあった話ですよ。怖いですね。


 オシロのメモリとは、蓄積ストレージできるデータの上限を決めるものです。100MHzでサンプリングしたら、1Mワードのメモリなら、0.01秒しか観察できません。1GHzなら0.001秒です。16Mワードあれば、観察できる範囲が16倍になるのです。あるいは標本化周波数サンプリングレートを16倍にできるのです。


 なんでー、と思いました。


 ***


 本当にあった怖い話、その2です。


 オシロの帯域を上位機種にしたくて、ですね、オプションを購入したのです。


 そしたらですね、本体をメーカーの工場に送るか、メーカーの技術者が来てパーツの交換をするのかと思っていたら、紙が届きましてね、...。パスコードを入力したら帯域が伸びました。


 オシロの帯域とは測定できる周波数の上限のことです。1ギガヘルツとか5ギガヘルツとか10ギガヘルツとかあって、周波数が高いほど高価なのです。だって周波数が高い程、高精度な部品が必要なはずだから。


 この時は本当にどうなっているのかと恐怖しました。


 ***


 オシロでのアナログ式とデジタル式。


 どちらもアナログ式(電磁気的)に測定して、アナログ式(波形)で画面上に表示することは同様です。ブラウン管と液晶モニタと言った違いがあっても、それは本質的な違いではなくて。


 違いは内部の処理方法です。ここに着目してアナログ式とデジタル式があるのですね。ADCの有無がポイント。


 第2仮説に反しますが、このように内部の処理に着目してアナログとデジタルとを区別する考え方は魅力的です。


 あるいは、第2仮説に「信号」という形での表現を追加すべきか。人の目には見えないけれど。そうすれば第1仮設は要らないかも。


 ***


 そう言えば、昔は「本質的には」や「それは本質ではない」と言った言動には嫌悪感がとってもあったのですが、今はもう忘れてしまいました。昔は若かったのか?


 明日はあるのか、それは明日にならないと分かりません。


 ***


 間違いの指摘とか疑問とか、ご意見・ご感想とかありましたら、どうぞ感想欄に!


 ***

2024.3.24 少し加筆と修正をしました。少しだけです。

2024.4.8 マイクロな推敲。

2025.4.15 微推敲。

2025.4.17 誤字修正と微推敲。



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