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連休なので、UPしました。
朔夜が修文館に入学して早くも初の帰宅日となった。
日々の生活は多少の不便はあるものの、とりあえずは大きな問題もなく過ごすことができた。
朔夜にとって嬉しいのは毎日の学問であった。
江戸の時代、女子に学問は不要とされていた。明治になりその考え方は改められつつはあるものの、それは決して朔夜が思う存分学問ができる環境ではないことは、元の世界でもこちらの世界でも同じだった。
もしも元の世界で女学校へ行っていたなら、縫物や作法の授業に時間を取られ、これほどまでに学ぶことはできなかったであろう。
そして修義館で何よりも楽しかったのが、白虎の四人で過ごす時間だった。相変わらず、他の組からは寄せ集めだの、変り者組などと言われていたが、朔夜たちは気にも留めていなかったのである。それほどにに、白虎の四人の時間は互いにしっくりときていたのだった。
「明日の帰宅日、朔夜は帰るだろう?」
帰宅日前日の夜、部屋で思い思いに過ごしていた時そう朔夜に声をかけたのは義輝だった。
「うん、明日はお義兄様が迎えに来てくれることになってるよ」
「なんや、朔夜は兄離れができひんのか」
からかいまじりの蓮翠に、朔夜は口を尖らせた。
「別にそんなんじゃないよ。ただ、お義兄様が迎えに来るっていうから・・・断る理由もないし・・・」
「はいはい。まぁ朔夜が男でよかったんやないか。これが妹やったら、朔夜の義兄君は片時も離れんやろからな」
「確かに・・・朔夜はただでさえ女子みたいな顔してるからなぁ。兄上もさぞ心配なのだろうな」
実際は妹であり、蓮翠と義輝の言葉はまるで見ていたかのようなのだが、まさかそれを認めるわけにはいかない。とりわけ蓮翠は時々妙に鋭いところがあると、朔夜はぷるりと身震いをした。
「まぁ僕は、京都には行かれへんから、近くの別宅で過ごすんや。司宇はどないすんねん。なんやら僕んとこ来るか?」
そう言って蓮翠は、一人ごろりと寝転がっている司宇を扇子の先でつついた。
「いや、俺はいい」
司宇が振り向かないままで答えた。
「なんでぇなぁ!」
「蓮翠、お前のことだ。どうせ女子でも呼んで朝まで大騒ぎする気だろ。全然のんびりできないからな」
「うぅっ」
すっかりお見通しの司宇に、蓮翠はぐうの音も出ない。
朔夜と義輝は呆れながらも笑った。
「じゃぁ司宇はどうするの?まさか、ここに残るの?」
「俺も近くに屋敷はある。側近たちはそこにいるしな。それよりも、そろそろ集合時間だ。行った方がいい」
「え?司宇は?司宇は行かないの?」
背中を向けたままの司宇の身体を揺するが、それ以上司宇が答えることはなかった。
結局、朔夜たち三人は部屋に司宇を残したまま帰宅することになったのだった。
蓮翠と義輝と共に部屋を出た朔夜は、さっき蓮翠を揺り動かした掌をじっと見て首を傾げた。何かがひっかかる。しかし、何が引っかかるのかわからない。
「朔夜、掌どうかしたのか?」
「あっううん。なんでもない」
義輝にはそう言ったものの、小さな違和感は朔夜の心にしこりのように残っていた。
生徒たちの殆どは、皆馬に乗って帰っていった。
何人かは鐘楼門の向こうに馬車が待っており、それに乗って帰る者もいる。朔夜は首を伸ばしてその馬車の列を覗いたが、まだ義兄は来ていないようだった。
するとそこに、馬を引いた蓮翠と義輝がやってきた。
「えっ、蓮翠も馬で帰るんだ」
朔夜は少しばかり驚いていた。義輝が馬に乗るのはわかるが、普段扇子片手に、優雅な仕草の蓮翠が馬に乗る想像ができなかったからだ。
「せや。僕の愛馬、雛菊や。僕が仔馬の頃から世話してんで」
そう言って蓮翠が雛菊の鼻先を撫でると、雛菊も嬉しそうに鼻の先を蓮翠に寄せて甘えて見せた。
「そっか。雛菊も蓮翠が大好きなんだね」
「そらそうや」
いつになく得意げな蓮翠がなんだか可愛らしく見えて、昨夜はくすりと笑った。
「二人ともきをつけて」
そう言って義輝と蓮翠を見送りった朔夜は、宿舎の方に視線を向けた。
司宇は本当に残るのかな___とはいえ、近くに屋敷もあると言っていた。心配はないはずである。しかし、先程の司宇の後ろ姿が頭から離れず気になっていた。と、その時、背後からぽんと肩を叩かれた。
振り向くとそこには笑みを浮かべた耕史が立っていた。
「お義兄様!」
たった二十日会わなかっただけなのに、なんだか無性に義兄に会えたことが嬉しかった。
「朔夜、元気にしてたか?困ったことはなかったか?」
相変わらず心配性の義兄の言葉が、懐かしくて、嬉しくてたまらない。
朔夜は耕史にぎゅっとしがみつくと、頷いた。
「うん。大丈夫。大丈夫だったわ。ありがとう」
「全く、朔夜は相変わらず甘えん坊だな」
そう言って頭をなでてくれる耕史の手は、元の世界でもこちらの世界でもなにひとつ変わらない。そう思うと更に嬉しくなった。
「さて、帰るか」
「うん」
耕史に手を引かれ、鐘楼門にぴたりとつけてある馬車に乗り込んだ。鐘楼門を出れば朔夜の姿が男に見えるという術は解けてしまう。故に耕史は他の生徒が帰った後で迎えに来たのだ。
馬車の中で耕史は修文館でのことをあれこれ聞いて来た。その様子から、本当に朔夜を心配していたことが伺える。
「ねぇ、私の事より父上と義母上は元気にしてる?」
朔夜が聞くと、耕史が幾らか口ごもった。
「それが、父上は今、体調がすぐれないんだ。まぁただの風邪だって話だからそう心配することもないとは思うけど」
「風邪?大丈夫なの?」
「あぁ、きっと朔夜の顔を見たら治ってしまうさ。ほら、もう着くよ」
義兄の励ましが嬉しくも、父を心配しながら朔夜は久しぶりの我が家へ帰って来たのである。とは言え、正確に言えば、もちろんここは朔夜がこれまで過ごしてきた我が家ではない。それでも、ここには父と義母がいることは確かなのだ。
この世界へ来ると決めたからには後悔などしないと決めていた。
馬車を降りるなり真っ先に父の部屋へ向かうと、父は布団の上で起き上っていた。
「父上っ!お身体はもう大丈夫なのですか?」
転がり込む様に父の前へしゃがみこんだ朔夜を見て、父は一瞬驚いたような顔をしたものの、すぐにいつも通りの柔和な笑みを浮かべた。
「朔夜じゃないか!帰って来たか!」
その様子から、幾らかやつれた様にも見えるが声もしっかりとしていて心配はなさそうで、昨夜はほっと胸を撫でおろした。
「全く、大げさだな。ただの風邪だ。もう熱も下がったし大丈夫なんだ。心配かけたね。そうだ、お母様がお前が帰ってきたら一緒に買い物に行くのだと、今日は朝から張り切っていたぞ」
「義母上が?」
これも元の世界と大きく違うひとつだ。
元の世界の義母は朔夜と買い物など行くような人ではなかった。笑っていてもどこかその瞳の向こうに冷たいものを感じていたのだ。しかしこの世界での義母は違う。
この世界に来て以来、昨夜はずっと考えていたことがある。ここはあくまで”違う選択を辿った世界”なのだ。人の人格がこうも変わるのはおかしい。だとすれば、元の世界の義母も、本当はこの世界の義母のような人だったのではないか、と。
この世界で大きく異なること。それは、義兄の陰陽師としての能力だ。元の世界の義兄には全くと言っていい程になかった力が、この世界の義兄にはある。義母は義母なりに、引け目のようなものを感じていたのではないだろうか。
だとすれば、元の世界の義母も息子に陰陽師の力がないことを苦しんでいたのかもしれない。そんな風に考えていた。
「お義母様にご挨拶してきます」
そう言って立ち上がろうとした時だった。
「朔夜さん!」
振り向くとそこに涙を浮かべた義母がいた。義母はそのまま朔夜の元へ走り寄るとぎゅっとその身を抱きしめた。
「大丈夫でしたか?男ばかりの中へ貴方を行かせてしまい、何度後悔したことか!今からでもやめることはできるのですよ」
こういった義母の行動に幾らか戸惑いながらも、朔夜は白い腕を義母の背中に回した。
「お義母様ったら、心配しすぎです。お義兄様が完璧な術をかけてくださったのです。なにも問題はありませんでした」
朔夜が言うと、義母は涙を拭ってもう一度朔夜を抱きしめた。
温かい・・・そう感じた。今までこの義母にこうして抱きしめて貰ったことなどなかった。この世界へ来てから全てが朔夜にとって都合がいいように動いている気がして、それがどこか怖いとさえ感じる。
「お義母様もお父様の看病大変だったのではありませんか?」
朔夜の労いの言葉に首を振りながらも義母は言った。
「最初は服の上からでもわかるほど身体が熱くて、そりゃぁもうびっくりしたのですよ。ですが、こうして朔夜さんの帰宅に合わせた様にお元気になられて本当によかった」
「そうでしたか・・・・ん?」
義母の言葉を聞きながら何かがひっかかった。
服の上からでも身体が熱かった・・・・・不意に、自分の掌を見つめた。
なんだろう・・・なにか大事なことを見落としてる気が・・・暫く考えていた朔夜は脳裏に、修義館での出来事が浮かんだのだ。
不自然なまでに背中を向けたままだった司宇。
その背中に触れた時の違和感は、そう、司宇の身体が熱かったのだと朔夜は気づいた。
「司宇・・・・熱があったんだわ。お義母様、お父様が飲まれた薬はまだ残っていますか?」
「え?薬?えぇ、確か台所に・・・」
そこまで聞くと、昨夜は一目散に台所へ向かって走り出した。
「おや、お嬢様お帰りなさいませ」
そう言って頭を下げる使用人に「薬は?薬はどこ?お父様が飲まれた薬はどこにあるの」と詰め寄った。
びっくりした使用人が戸惑いながらも、薬を出すと朔夜はそれを受け取り再び外へと飛び出した。
「そうだ、そうだったんだ!どうして気が付かなかったんだろう。あの時、司宇の身体を揺すった時に感じた違和感はこれだったのに!司宇の身体が異様に熱かった。それなのに、私はっ」
すぐに気づけなかった悔しさで、きゅっと下唇をかみしめた。
社殿の入り口では、義兄がちょうど馬車を返そうとしている所だった。
「お義兄様っ、待って!その馬車使うわ」
言うなり朔夜は再び馬車へと飛び乗った。
「お義兄様ごめんなさい。急用を思い出したの。次の帰宅日には帰るからって、お父様とお義母様に伝えてちょうだい」
言うなり、何が何だかわからない様子の耕史を残し朔夜は修義館へと馬車を向かわせたのだった。
ごめんね、ごめんね、司宇。気づけなくてごめんなさい。心の中で何度も繰り返しながら馬車に揺られる時間は、いつも以上に長く感じた。
馬車が修義館へ着くと朔夜は鐘楼門を潜り抜け、白虎組の部屋へと向かって走った。
「司宇っ!」
勢いよく戸を開けるとそこにはひとり、ぐったりと横たわった司宇がいた。
「司宇っ、司宇っ!」
駆け寄って抱き起した司宇の身体は驚くほど熱く意識がない。明らかに悪化している。
「そうだ、布団!布団敷かなきゃ」
急いで布団を敷いて、なんとか司宇を布団の上に運んだ。
「司宇っ、ごめんね。すぐに気が付いてあげられなくて、本当にごめんね。司宇がこんなに苦しんでいたってのに!」
額の汗を拭くとそのまま食堂へ行き、桶と水差しを手にし外の井戸で水を汲もうと裏口から出ようとした時だった。気の焦りからか、足がもつれて朔夜の身体は傾きそのまま地面へと叩きつけられた。
「いったぁ・・・・」
とっさに庇おうとして出した左手を見事にすりむいてしまったが、すぐに立ち上がるとそのまま井戸へと向かった。
すりむいた手を洗い、桶と水差しに水を入れるとまたすぐに白虎の部屋へと戻った。
「司宇っ」
その呼びかけにもちろん返事はない。相変わらず苦しそうに、司宇は時々顔を歪めている。
額の手ぬぐいを今組んできたばかりの冷たい水に浸し、再び司宇の額に当てた。
水差しから椀に注いだ水を司宇の口元に当てるが、どうしても飲ませることができない。
「どうしよう・・・これじゃ、薬を飲ませることができない・・・」
暫く考えた朔夜であったが、意を決して自らの口の中に薬を入れ水を含んだ。
そして司宇の上半身を抱き起し、薬を含んだ自らの口を司宇の口に当てた。
そして、わずかに開いた司宇の口の中へと薬を流し込んだのである。
その直後、ゴクリと司宇の喉が動くのを見て、朔夜は安堵の息をついた。
「よかった。これで熱は下げられるはず」
熱で赤みを帯びた司宇の頬に、指の背でそっと触れた。
「司宇、苦しい?大丈夫だから。じきに熱は下がるからね。ごめんね、最初に司宇に触れた時に気づくべきだったのに・・・。」
あの時、司宇が頑なに背を向けていたのは、熱があることを悟らせないためだったのだろう。一見ぶっきらぼうで、いつも書物ばかりを読んでいる司宇であるが、実は仲間思いで優しいところがあると朔夜はもう知っている。
それから何度となく、額の手ぬぐいを取り換えているうちに朔夜はいつの間にか眠ってしまっていた。
朦朧とする意識の中で、司宇は必死に自分の名を呼ぶ誰かの声を聞いた。
女子の声だった。
この声は誰だったろうか。
よく知ったような声でもあり、まるで知らないような気もする。
そうか・・・俺はまた熱を出したのか___子供の頃は事あるごとに熱をだしていた。その度に母にどれほど心配をかけたことか。
その度に母は、一晩中司宇の手を握り看病してくれていた。
ふわふわとまるで宙に浮いている様な感覚から、徐々に覚醒する中司宇は自らの手を握る感触に気づいた。
「母上・・・」
その手を握り返すと、ぎゅっと強く握り返された。温かくて柔らかい。なにも心配はいらない、大丈夫だと言うようなその手の温もりはまるであの日の母の手のようだった。
うっすらと目を開けると、そこに映るのは清国の自分の部屋ではなく修義館、白虎の部屋の天井だった。
不思議に思い、ゆっくりと首を傾けた司宇は息を飲んだ。
すぐ隣に司宇の手を両手で握ったまま眠る者がいたのだ。
「・・・・朔夜?・・・・なのか?」
修義館の制服を身に纏い、長い髪をひとつに結んでいる。それは間違いなく朔夜であるはずなのに、何かが違う。
司宇は、ぼんやりと眠る朔夜の横顔を見ていた。
「んっ・・・んんっ・・・司宇・・・」
寝ぼけた朔夜の口から自分の名が呼ばれ、司宇はびくりと肩を震わせた。
未だ司宇の左手をしっかりと握ったままの朔夜の手は、明らかに男の手ではない。
そっとその頬に触れれば、柔らかく微かに動いた唇を見た時、胸が震えた。
「これは一体・・・どうなってるんだ」
右手を額に当てた時、熱がすっかり下がっていることに気づいた。
朔夜の傍らには、水を張った桶やら水差しやらがある。
朔夜が自分を看病してくれたことを、状況から察する。意識のない中で司宇は、母の夢を見ていた。しかし、それは偶然ではなかった。朔夜がしてくれたことのひとつひとつが、母と重なったのだ。
「それにしても・・・全く、男に手を握られ母上と勘違いするとは・・・・」
司宇はひとり、自嘲気味に笑いながらも未だぎゅっと手を握って離さない朔夜の指をそっと解いた。
細く柔らかい指先を解くと、朔夜の手に残るまだ新しい傷あとに気づく。皮膚がすりむけ血が滲んだその傷は、なんとも痛々しい。
「どうして怪我なんか・・・」
おそるおそるそのその傷に触れると「んんっ~」と朔夜が寝返りを打った。
「っ!」
司宇は息を飲み、我が目を疑った。
制服の合わせが開いており、そこから胸の谷間が覗いている。
無意識にぱっと触れた手を引いて、目を見張る。
何度となくその顔を確かめても朔夜であるはずなのに、そこにいる朔夜の胸元から覗いたその谷間は朔夜が女子であると言う事実を突きつけているのだ。
「夢を見ているのか?それとも、熱でおかしくなったか」
自らの頬をつねったり叩いたりしたが、どうやら夢ではないようだった。訳がわからず戸惑っていると朔夜がもぞもぞと動いた。
慌てて横になり、目を閉じるとすぐ横で朔夜が起きた気配がした。
「あれ、寝ちゃったのか・・・。あっ、そうだ司宇っ!」
司宇の額に朔夜の柔らかな手が当てられた。
「よかった。熱は下がったみたい。もう安心だね。あっ、慌ててたから義兄上にも言わずに出てきちゃったんだ。戻らないとっ」
そう言って部屋を出ていく朔夜の後姿を、司宇は細目を開けて見ていた。
ぱたんと戸が閉められると、司宇は再び身体を起こした。
「やっぱり、朔夜・・・・だったよな?どうして・・・あいつが女子?男じゃない?」
未だ額に残る朔夜の柔らかな手の感触を確かめる様に、司宇は自らの額に手を当てていた。
朔夜が慌てて家に戻ると、神殿の前で耕史が仁王立ちで待ち構えていた。
「朔夜!今までどこにいたんだ!」
「うぅっ」と、首を竦めながら朔夜は同じ白虎組の友人が熱を出していたことに気づいたことを説明した。
「修義館へ行ったのか!そうならそうと、一言いうべきだろう」
これまでに見たことのないような激しい剣幕に朔夜はたじろぎながらも、「ごめんなさい!」と頭を下げた。
耕史の言葉は正しい。
ただ、朔夜が慌てすぎて飛び出してしまったのだ。
しゅんとする朔夜を見て、耕史は大きなため息をついた。
「まぁお前が無事だったから、今回はよしとしよう。ただ、母上はお前がいないと大騒ぎしていたぞ」
そう言って、朔夜の頭に手を置いた。
自分がどれだけ心配をかけてしまったのか、わかるだけに朔夜は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。それでも、司宇のところへ行ったことは後悔していない。もし、気づかづ放っておけば、今頃司宇はどうなっていたことか。
「父上と母上がお待ちだ。一緒に謝ってやるから」
仕方がない奴だと呆れながらも、いつもこうして朔夜の味方でいてくれる耕史はやはり元の世界となんら変わらないことが心底嬉しかった。
次回は来週の金曜日を予定しています。