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#18 点滅する艦隊

 リザの居候生活が、始まった。

 と言っても、我が家にとってはさほど変化はない。2人が、3人になっただけだ。

 金髪で美形のエルフ、緑色の肌を持つ愛嬌あるゴブリン、そして、赤髪の可愛い人族。色とりどりの居候たち。

 しかし、この3人に共通するのは、口が悪いことだ。


「んなことねぇべよ!パフェはやっぱ、マンゴーっしょ!」

「そがなことねえよ!おらはブルーベリーずらよ!」

「ええっ!?そんなことねえって!あたいはイチゴが美味かったぜ!」


 たかがパフェの味を巡って繰り広げられる論争も、この有り様だ。顔が悪くない3人の女子は、揃いも揃って声がでかい。そして、言葉遣いに品がない。


 その時、テーブルを叩く音が響く。


 ドンッ!!


 ジャンヌだ。顔はにこやかだが、そのテーブルの上の拳からは何か波動のようなものを感じる。


「皆さん!」


 ジャンヌの声に、ビクッとする3人。


「……どれも美味しいですよね、パフェ。でも私は、チョコレートプリンパフェが一番だと思うのよ。」

「そ、そだよね~!チョコレート、最高だす!」

「あのプリンの食感が、たまらんですよね~!」

「お、おらも食べたくなってきたずらよ、チョコレートプリンパフェ!」


 この個性的で、エネルギッシュな3人の女子を、たった一喝でコントロールするジャンヌ。

 まさに、女子をまとめ上げる女子、「圧倒的女子」だ。

 ジャンヌを中心に、この3人はまとまっている。さもなければ、種族も嗜好も違うこの3人が、同じ方向を向くわけがない。


 さて、リザはというと、我が家に来た翌日から騎士団の見習いとして、西門そばの詰所へと通う日々が続いている。

 一度、私も覗いてみたが、すっかり騎士達とも仲良くなって、上手くやっているようだ。

 武具や防具を磨いたり、みんなのお茶を入れたり、槍の訓練をしたりと、日々忙しそうだ。

 また、ゴブリンのクララは我が家でせっせと働いている。掃除、洗濯、料理はロボットがやるが、ゴミ出しや買い物がクララの仕事になっている。

 王都の貴族街には、ゴミ収集車がこない。そこで週2回の朝早くに、我が屋敷のゴミを宇宙港そばの街の中まで持っていかなくてはならない。

 以前は私が司令部へ行くついでにやっていたのだが、今はクララが朝暗いうちに台車に乗せて、近くの収集場所まで持って行ってくれている。

 そして買い物。スマホのメモを頼りに、毎日のようにショッピングモールへと歩いて買い出しに出かける。

 元々、人族の暮らしを見たいと言いやってきたクララだから、この買い物のひと時が楽しくてしょうがないらしい。また、緑色の肌をしたこの小柄な愛嬌のある顔つきの亜人は、ショッピングモール内では非常に目立つ。おかげで、店員達にもすっかり覚えられたようだ。最近はショッピングモールへ行くと、クララはあちこちで声をかけられる。

 で、エルフのマリーだが、こいつは何もしていない。

 テレビをつけて笑いながら観ていたり、スマホで何かをやっていたり、とにかく普段は家でゴロゴロしている。時々、クララの買い物に付き合うが、大抵は留守番だ。

 まったくもってダメなエルフだが、そんな彼女にしかできないことがある。


「む!?ジャンヌ様、匂うぜよ!あっちの方、未だかつて、感じたことねえ匂いだべよ!」

「どんな香り?」

「甘い香りっちゅうか、なんか芳ばしいクッキーみてえな、そんなんだよぉ!」

「そう、きっと新たなスイーツね!行きましょう、皆さん!」


 このエルフ、目と耳と鼻がよく効くので、新たな嗜好品を見つける能力が高い。ショッピングモールだけでなく、近所の公園や王都の繁華街でも、新たな店を発掘する。

 とまあ、それぞれがそれぞれの役割と能力を活かして、我が家や騎士団に貢献している。妙な居候達だが、それぞれが居場所を見つけたようだ。


 さて、私はといえば、そんな彼女らの生活費を稼ぐため宇宙に出る。

 現在、中性子星域を航行中。我が第9小隊、329隻による哨戒任務だが、先ほどから妙な艦隊を捕捉している。


「レーダーに感!距離130万キロ!数、およそ300!」

「全艦の光学観測班にも確認しましたが、やはり艦影を捉えられないそうです。」

「どういうことだ!?100万キロ程度なら映像で捉えられるだろう。もう一度、確認せよ!」

「了解!」


 レーダーには映るが、姿が見えない艦隊に遭遇した。もう2時間ほど、この奇妙な小艦隊を追いかけている。

 だんだんと近づいているが、一向に姿を捉えられない状態が続いており、ここ戦闘指揮所でも対処に苦慮している。

 姿が見えず、レーダーにのみ映る艦隊、それだけなら電波反射材などを使った偽装艦隊だと考えられるのだが、この艦隊はさらに奇妙な行動をとる。


「敵艦隊、再び消滅!レーダーから消えました!」

「またか……これで何度目だ……」


 そう、この艦隊は出現と消滅を繰り返すのだ。奇妙極まりない。

 再び敵艦隊を見失った我々は、ともかくその艦隊のいた場所へと向かう。何かのワナの臭いがするが、ともかく敵の艦隊を捉えるまで、我々は引くわけにはいかない。

 しかし、こんな奇妙な現象は聞いたことがない。敵の新兵器である可能性は高い。と言っても、レーダーを騙すというだけのものだが、広大な宇宙でレーダーが役に立たないという事態は非常に困ったものだ。


「再びレーダーに感!距離100万キロ!さっきより近づいてます!」

「なんだと!?この短時間に、30万キロも移動したのか!?」

「敵艦隊は依然、慣性航行中の模様!電波、および熱源探知なし!」


 なんだ?エンジンも吹かさずに30万キロを瞬時に移動したというのか?それとも、新たなワームホール帯でも見つけて、ワープしたのか?

 にしても奇妙だ。相変わらずその姿を捉えられない。329隻の目をもってしても、敵が見当たらない。どういうことだ?

 中性子星による影響も考えてみたが、この手の星のそばだからと言って、このような現象が起こったことはない。

 中性子星は、短周期の強力な電波を発し、かつ強力な重力を持っている。このため、エネルギー粒子を曲げ、電波障害を引き起こす。

 おかげで、この星域でのビーム砲の撃ち合いでは弾着補正が必要となる。また、強力な電波源である中性子星近傍では、レーダーが効かないエリアがある。ここから150万キロ先に、そのレーダー不感地帯が広がっている。


 敵艦隊は出現、消滅を繰り返しながらも徐々に近づいている。だが、姿が見えない。この奇妙な敵艦隊をなんとか捕捉するため、我々は前進を続ける。


「敵艦隊出現!距離は……今度は離れていきます!距離、120万キロ!」


 突然、この敵艦隊は後退に転じた。もっとも、相変わらず姿は見えない。だがこの我が軍の宙域をいいように荒らされて、黙って見過ごすわけにはいかない。我々は警戒しつつも、前進を続ける。

 消えては現れ、その度に今度は離れていく。不思議だ、逆噴射が確認されたわけではないのに後退し始めた敵艦隊。


「閣下、やはりあれは敵の偽装艦隊でしょうか?」

「光学観測ができない以上、そういうことになるな。ともかく、敵がどこから出てくるか分からない。いつでも全速離脱できるよう、全艦に伝達!」

「はっ!」


 この辺りから、さすがに我々も敵はそこにいないのではと思い始める。理屈は分からないが、なんらかの方法で我々のレーダーを騙しているに違いない。

 しかし、そうだとすると敵の本体は一体どこだ?我々の艦隊は、徐々にあの偽装艦隊に引き寄せられていく。どこかに敵は潜み、何かのワナを仕掛けてくるのは、間違いない。

 だが、この辺りは身を隠す天体などない。漆黒の宇宙空間と、遠くに白く輝く中性子星があるだけだ。それ以外の物体は、あの中性子星の強烈な重力に引き寄せられて、もうこの空域には残っていない。

 レーダーを騙されて、敵の本当の場所を見出せない我が第9小隊の329隻。敵の思惑にずるずると引き込まれる感触を感じながら、任務遂行のため、そこに進まなくてはならない。

 この状況の中、私はふと、先日のショッピングモールでのやり取りを思い出していた。


 ◇


「なんだね、もう!これじゃ分からんがね!」


 うちのエルフが怒りだす。どうしたんだ、急に?


「何かあったのか?」

「匂いね、匂い!甘ったるい匂いが、わだすの鼻の邪魔しおるんよ!」

「はあ?そういう甘ったるい匂いを嗅ぎ分けるのが仕事じゃないのか、お前は。」

「だけんど、あの店のハチミツみたいん強烈なやつがあると、他のが匂わんのよ!」

「そうそう、最近できた店だよね~。あの強烈な匂いのお店。ハチミツ味のポップコーン売ってる店だけど、そこがすごい匂いを出してるんですよ。ほら、私達でもそろそろ匂いますよ。」


 まだ店は見えないが、確かに匂ってきた。ハチミツを香ばしくしたような、甘ったるい強烈な匂いだ。

 だんだんと強くなるその匂い。マリーには強すぎるようで、鼻をつまんで歩いている。

 そこはクレープやアイスクリームなど、スイーツ系の店が集中する場所。しかし、この一軒があまりに強烈な匂いを出すおかげで、なんだかここはハチミツ味専門店が集まっているような、そんな錯覚を覚える場所になっていた。さすがのマリーも、ここにある店を嗅ぎ分けることは不可能なようだ。


 ◇


 先日、そんなことがあったのだが、我々が敵艦隊を見分けられないのも、これとよく似てるのではないか?だが、レーダーは電波だ。ここに強烈な電波を撒き散らしてるやつなんて……


 いる。そういえば、目の前にいる。


 中性子星だ。


 確かに、あの中性子星によって、レーダー不感地帯が存在する。その中に入ってしまえば、我々は探知不能になる。

 だが、不感地帯は広大だ。いくらなんでも、これを全部光学観測するのは無理というもの。

 だが待てよ?あの点滅する偽装艦隊は、まっすぐ後退している。あれを追尾した我々を、その不感地帯に潜んだ敵が出てきて攻撃するはずだ。

 ならば、我々が敵偽装艦隊を追いかけてたどるであろう道筋を引いて、それと不感地帯との距離がちょうど主砲の射程に入るあたりに潜んでいるのではないか?

 この中性子星の特性をうまく使った作戦だ。考えてみれば単純な方法だが、通常の索敵手法しか訓練されていない我々には気づかない。


「大尉、我々の予測進路を、この陣形図上に描いてくれ。」

「はっ!了解しました……って、一体どうやって!?」

「多分、敵の偽装艦隊はこのまままっすぐ後退を続ける。それを追いかける我々もまっすぐ進むとすれば……」

「ああ、ええと、こういう直線を描いて進むでしょうね。きっと。」


 テーブルモニター上に、白いまっすぐな線が引かれる。その線は、徐々にレーダー不感地帯に接近しているのが分かる。


「ではこの線と、レーダー不感地帯がちょうど30万キロになる地点は?」

「不感地帯?ああ、この白く塗られたエリアですね。そこから30万キロということは……ええと、この辺りです。」


 長さ30万キロの線を動かして、予測進路と不感地帯とを最短で結ぶ場所にその線を置く。その線の不感地帯側と接する点、おそらくそこに、敵艦隊がいる。


「この座標付近を全力で光学観測せよ!敵はおそらく、この辺りにいるはずだ!」

「はっ!」


 全艦にその座標が伝達される。予測では、敵の攻撃予測ポイントまで、あと20分で到達することになる。

 前進を続けながら、我々は敵の艦隊を血眼になって捜索する。そして残り10分ほどになったところで、ついに敵の本隊が見つかったという報が入る。


「駆逐艦2911号艦より入電!艦影視認、赤褐色の連盟艦艇、およそ300を発見せり!座標は……」


 やっと見つけた。やはり潜んでいたか。


「見つけたぞ、ハチミツ臭に覆われたクレープ屋め!」

「は?クレープ屋?」

「いや……なんでもない。とにかく、敵の艦隊を見つけられたのは大きい!このまま前進し、タイミングを見て敵の後方に回り込むぞ!全艦に伝達!進路そのまま、こちらの指示を待て!」

「はっ!」


 だが、考えてみればあの中性子星の不感地帯を使った雲隠れ、もっと早くに気づいても良さそうなものだが、我々はなぜかそこに目がいかなかった。

 きっとそうさせたのは、あの「点滅艦隊」のせいだろう。

 出現と消滅を繰り返すあの奇妙な偽装艦隊に注視しすぎて、敵があの電波の死角に潜んでいる可能性を考慮しなかった。手品でも、ことさらに観客に向かって何かを見せびらかし、その裏にあるタネから目を逸らすテクニックがあるという。まさに我々は、この心理的トリックに引っかかっていたのだろう。

 だが、引っ掛けた相手が悪かった。我々は地球(アース)294唯一の高速機動艦隊。敵の背後に回り込み、狙撃、撹乱するために編成された小艦隊だ。敵の手の内を明かした今、彼らに勝機はない。

 気づかぬふりをして前進する我が艦隊329隻。敵はじっとあの地点で、我々がワナにかかるのを待っている。


「敵の攻撃想定ポイントまで、あと1万キロ!」


 もはや目前である。ここで我々は、ついに動く。


「全艦、全速前進!最大戦速にて、敵艦隊目前を横切る!その後、私の指示通り艦隊を動かせ!」

「了解!全艦、全速前進!」


 私の指示と同時に、我が小隊すべてのエンジンが一斉に火を吹いた。この駆逐艦2680号艦の艦内も、全開の機関音で騒がしくなる。陣形図モニターも、小刻みに震えている。

 今ごろ、敵は慌てているだろう。突然速度を上げ始めた標的を見て、砲撃を開始した。

 青白いビームのシャワーが、我々に降り注がれる。が、いつものように高速に横切る我々に、敵のビームは当たらない。相対速度は秒速数千キロに達している。我々は悠々と、右側面にいる敵の艦隊の背後めがけて、カーブを描きながら回り込む。

 こちらの回り込みに合わせて回頭する敵艦隊、だが、陣形の再編が追いつかない。あたふたしている敵艦隊に向かって、我々の一撃が加えられる。


「距離、12万キロ!敵艦隊右側面に出ました!」

「よし、ここで全艦、進路変更!右へいっぱい!敵側面に向けて、一斉砲撃を加える!」

「全艦、面舵いっぱーい!」


 329隻がまるでロケット花火のようにエンジンを目一杯吹かしたまま、敵の艦隊の側面に艦首を向けて、敵の艦を狙い撃つ。

 これはあたかも駐車場でドリフトをしながら、中央にいる車に向かってボールをぶつけるようなものだ。簡単ではないが、そういう訓練を連日行って少しでも当てる訓練を積んでいる我々だ。その329隻が、敵の艦隊側面めがけて一斉に砲撃を加える。


「照準よし!撃てっ!」


 この駆逐艦2680号艦も砲撃を加える。落雷のような砲撃音とともに放たれる極太のビームが、虚空の闇に吸い込まれて行く。

 ここは重力の大きな中性子星のそば、初弾ではまず当たらないから、弾着補正をかけて、すぐに2発目を発射する。

 2発目の砲撃がこの駆逐艦2680号艦から放たれた。砲撃終了後、命中いかんにかかわらず、すぐに離脱行動に入る。


「左へ回頭!敵陣を離れながら、敵のさらに後方へと回り込め!」

「とりかーじいっぱーい!」


 敵はようやくこちらに回頭し終え、攻撃を加えてくる。が、すでに我々は迂回行動に入っている。びゅんびゅんと艦隊の間を、敵の青白いビームが虚しく横切っていく。我々はエンジンを吹かして、ビームの合間を突っ走る。

 こうして、何度か敵の周りを回りながら一撃離脱を繰り返す。上から見ると、まるで花びらを描くようにくるくると敵の周りを近づいたり遠ざかったりしながら一撃を加える。これを何度か繰り返す。

 その間にも、我々は普段の訓練の成果もあって、敵艦に当てていく。徐々に減っていく敵艦隊。途中、光学観測員により、敵の損耗数がカウントされる。


「報告!現在、敵の撃沈数は87隻に達した模様!損耗率、およそ3割!」

「そうか。ではそろそろ、仕上げに入る。艦隊、右へ30度転進!」

「了解!右へ30度、転進!」


 我々は大きく迂回しながら、再び艦首を敵に向ける。陣形も、それまでの魚鱗陣形から横陣形に変える。そして、我々は敵艦隊に砲撃を加えた。

 敵もこちらに向かって回頭する。さきほどまではすぐに転進、離脱していた我々だが、今度は向きを変えず、そのまま真っ直ぐ横陣形のまま砲撃を加え続ける。

 すでに100隻近い戦力差だ。このまま迂回しながら撃つよりも、正面決戦した方が効率がいい。高速移動をやめて通常砲撃に移行し、数が減った敵を正攻法で追い詰める。

 てっきりまた迂回するだろうと思っていた敵は、いきなり普通の戦術に切り替え力技で押す我々を見て、逆に慌てて陣形を再編し直していた。あちらも横陣形に再編しながら、攻撃を加えてくる。

 だが、すでに彼我の戦力差が大きい。これでは、敵は虚しく敵艦隊は損耗するばかり。そう判断した敵は、後退を始めた。


「敵艦隊、後退していきます!」

「閣下、敵の後退に合わせ、追撃戦に入りますか?」

「いや、いい。もう十分にダメージを与えた。作戦を終了する。防戦体制のまま、我々も後退だ。」

「了解!艦隊、後退いたします!」


 私の判断で、敵の後退に合わせて、こちらも後退を始める。敵さえ追い出せれば、我々としては十分だ。

 しかも敵は90隻以上撃沈され、3割近い損耗。さらに、雲隠れを見破られての敗北だ。

 こちらは撃沈なし、329隻は健在のまま。敵のワナを見破り、敵の周りを回りながら一撃離脱を繰り返して、敵に損害を与えつつ逃げるという我々特有の高速戦術から、最後は敵を圧倒して撤退に追い込む。十分すぎる成果だ。

 それから味方の増援を得て、1千隻体制で敵が向こう側のワームホール帯に入るまで監視を続ける。敵の撤退を見届けた後、我々もようやく帰投する。戦闘終結から、2日が経過していた。


 今度の戦いは、幸いにも敵の存在に気づくことができた。結局、どういう仕組みで出現、消滅を繰り返す偽装艦隊を生み出したのかはわからないが、それに騙されることなくついには大勝利を得ることができた。

 だがそのきっかけが、ショッピングモールでのあのマリーの鼻のエピソードだったとは……普段はほとんど役に立たないマリーだが、よりによって我が家のあの3人の中で、唯一私の艦隊戦勝利に貢献した居候となってしまった。

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